まんだかずさんのレビュー一覧
投稿者:まんだかず
杉本一文『装』画集 横溝正史ほか、装画作品のすべて
2017/11/27 07:17
日本版「怖い絵」が勢ぞろい
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
かつて角川文庫の横溝正史原作、金田一耕助シリーズの
カバー画を飾った杉本一文氏の画集です。
当時、最初に衝撃を受けた「本陣殺人事件」の
光の中に微笑む少女の画を再びしかも大きな画で見ることが
できる日が来るとは。
「犬神家の一族」の犬神松子の口元が
こんなにも歪んでいたとは。
なつかしいとともに更なる発見ができることがうれしい。
と同時に杉本氏の金田一耕助シリーズの以外のイラストも
多く見ることができ、知らなかった画も多く、多彩な仕事ぶりに驚かされます。
かつて、このカバー画に怖くて震えた人、インパクトを受けた人は買いです。
陰の季節
2017/09/27 07:13
警察の事務屋さんも大変だぁ
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凶悪犯を捕まえる話ではありません。
警察の事務方の話です。
警察から天下ったOBが任期をすぎてもやめない、どうしよう。
警察幹部がクラブのママと不倫しているとタレこみ、どうしよう。
婦人警官がいなくなった、どうしよう。
県議会議員が警察に爆弾質問をするらしい、どうしよう。
といった警察事務方の”どうしよう話”が連なっています。
しかしこれがおもしろい。
メンツや野心や保身が交錯していくさまは
ついつい先が知りたくなってしまします。
シャーロック・ホームズの冒険
2017/05/31 07:44
子供のときのワクワクが蘇る
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ホームズシリーズの珠玉の短編集です。
「赤毛組合」
「くちびるのねじれた男」
「まだらの紐」
といった今では話の内容を知っているものでも、
子供の頃に読んだワクワクが蘇ってくるようです。
この1冊さえ読んでいれば
ほかのホームズシリーズは読まなくてもいい?
と思えるほどの名作ぞろいです。
シャーロック・ホームズ対伊藤博文
2018/05/20 13:14
タイトルはかっこ悪いが
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シャーロック・ホームズと伊藤博文が対決するわけではありません。
モリアーティ教授と対決した後、兄のマイクロフトの協力の元、日本へ。
ホームズが幼少期の頃、ロンドンに在中していた伊藤博文を
頼ってふたたび巡り合います。
そして2人で日本の国家的危機に立ち向かうのがおもしろい。
ときどき本家ホームズのエピソードが散りばめられているのが
ニヤリとさせられる。
野暮ったいタイトルがもったいない。
真相
2017/09/27 07:48
知らなければよかった
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警察小説とは違うサスペンスともいえる短編集。
息子を殺した犯人が捕まった。
しかし犯人が口にした言葉は意外なものだった。
「真相」
あの18ホールには秘密がある。
すべてをかけてその村の村長選挙に立候補したが。
「18ホール」
リストラされで試薬のバイトで眠れなくなった男が
徘徊し早朝に見たものは。「不眠」
学生時代、空手部の合宿で一人が死んだ。
10年以上経ち、その母親から集まって真相を話してほしい
、と連絡が。「花輪の海」
服役を終えた夫とその妻は過去の犯した罪を暴かれ行き場所を失う。
そこへ養子縁組と家の提供話が舞い込む。
「他人の家」
どれもオチが気になる物語ばかり。
そのなかでも「18ホール」は印象的。
第三の時効
2017/09/26 07:27
横山秀夫ベスト
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警察がちゃんと仕事をして犯人をつかまえます。
やはり警察内部のごたごた話より、犯人を追いかける話のほうが
おもしろいです。
F県警捜査第一課
強行犯捜査一係:朽木班長
強行犯捜査二係:楠見班長
強行犯捜査三係:村瀬班長
短編集ながら上の優秀な3人が犯人を追いつめます。
強行犯捜査二係:楠見班長が
「ジョーカー・ゲーム」柳 広司の
スパイマスター、結城中佐のようです。
動機
2017/08/30 07:31
保身と野心
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「動機」「逆転の夏」「ネタ元」「密室の人」の4編からなる短編集。
D県警シリーズといわれていますが、警察関係の話は「動機」だけです。
「動機」
警察所内で一括保管していた警察手帳が大量紛失。
発案者の県警本部警務課企画調査官である貝瀬にピンチが。
内部犯行なのか?誰なのか?その動機は?
「逆転の夏」
女子高生殺しの前科をもつ山本は、出所後はまじめに働き、元妻にも
少ないながらも送金を怠らなかった。
そんなある日、山本に殺人依頼の電話が。
勝手に依頼者から大金がつぎつぎと振り込まれてくる。
元妻にはもっと送金を増やしたい、でも殺人はごめんだ。しかし・・・。
「ネタ元」
警察関連の新聞記者の水島にライバル新聞社からの引き抜きの話が。
水島のネタ元(情報提供者)とは情報提供のみなので、
これを機に会ってみたいと思いたつも、先方は水島を避けて会ってもくれない。
「密室の人」
D地裁の裁判官安斎は公判中に居眠りをして寝言で妻の名を口走る。
そのことで安斎を左遷しようと周囲は動き出す。
なぜ居眠りをしてしまったのか?左遷されるほど重大なミスなのか?
それぞれの立場から保身・野心が見え隠れします。
主人公だけではなく、相手側にもそうしなけれなならない理由があった。
クライマーズ・ハイ
2017/08/22 07:31
どうしようもない祭
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大事件や大災害といったものはマスコミにとって
祭のようなものだ。
関係者だけが勝手な使命感に盛り上がって、傍から見れば冷笑そのものである。
作者は地方新聞の出身だけあって、
その辺の祭をよく描写しているのだと思う。
しかも、祭といえど関係者の担ぐお神輿の息はバラバラ。
地方新聞が大手新聞社にスクープをとられる口惜しさや社内の内部抗争まで
大事件を利用しようとする幹部たちの腹黒さと友人の突然の入院など、
主人公の北関東新聞社・日航全権デスクの悠木は翻弄される。
読者はすでに日航123便の墜落について知っているので、
そうだよ行け!そうじゃないよ!とついつい悠木を応援したくなる。
U−CANの気象予報士これだけ!一問一答&要点まとめ 第3版
2017/09/27 07:52
いつでも、どこでも勉強できます。
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気象予報士の参考書は
どれも分厚くて持ち運びには不便です。
その点、こちらの参考書は
薄くて小さいのでバスや電車での移動中に
本を広げても苦になりません。
問題集としても、なかなか量はありますし、
左ページが問題で右ページが解説となかなか使いやすいです。
緋色の研究
2017/04/23 19:46
ホームズとワトスンのファースト・コンタクト
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
記念すべきホームズとワトスンが初対面する作品。
あっという間に犯人を捕らえるホームズに驚き。
それにしても家賃は折半とはいえ、
こんな変人と同居できるワトスンの懐の広さにも驚きです。
十角館の殺人 新装改訂版
2017/04/17 06:41
たった「1行」の衝撃
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
もはやインターネットで調べれば、
ネタバレはされていますが、
それでも、あの「1行」には衝撃を受けました。
カエルの楽園
2018/05/20 13:27
日本の近未来を描く
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2匹のカエルの目から見た、
楽園のような国を描いた作品ですが、
その実態は日本とその周辺諸国を描いた作品です。
けっして架空の話とは思えないほど
現実的で恐ろしい話です。
作者の百田さんカエルもでてきます。
ラストのヒロインカエルが衝撃的です。
64 上
2017/10/25 13:02
まったくD県警ときたら・・・。
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「陰の季節」「動機」にも登場したD県警シリーズ。
今回の主役は広報官・三上義信。
昭和64年に発生した幼女誘拐殺人事件をめぐり、
進展をみないD県警に警察庁長官が来ようとするは、
新聞記者たちにはひき逃げ事件の個人情報をめぐり一触即発、
長官視察を巡り、裏では警務部と刑事部がなにやら企んでいたり、
「影の季節」で人事をめぐり、あたふたしていた警務部の陰のエース、
二渡真治はなにやら暗躍しているし、
三上義信の娘はどっかにいってるし・・・。
もうてんやわんや。D県警、ちゃんと仕事してくれ!
半落ち
2017/08/09 12:20
絆
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病気の妻を殺して自首してきた現職警察官。
殺害は自供するも、殺害から自首までの空白の2日間については
いっさい語ろうとしない。-いわゆる「半落ち」
その警察官をめぐり、刑事、検事、弁護士、記者、裁判官、刑務官の
過去や未来、立場、しがらみなど照らし合わせてで物語は進んでいきます。
最後の数ページは泣きました。
これはミステリではなく人間ドラマです。
