雄ヤギさんのレビュー一覧
投稿者:雄ヤギ
紙の本かげろうの日記遺文
2023/07/14 21:42
かげろうの日記遺文
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藤原兼家の正妻時姫と紫苑の上(右大将道綱母)、そして町の小路の女「冴野」の三人の女を描いている。冴野については紫苑の上が『蜻蛉日記』に残した少しの記述しかなく、そこから作者が想像を膨らませている。作者は母親と幼くして別れており、そこからきている女性への思慕が作品に反映されている。
紙の本逆賊と元勲の明治
2020/10/03 17:43
逆賊と元勲
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他国において、戦争が終わった後に敗者を過酷に取り扱うのに、明治の日本では、戊辰戦争や西南戦争の逆賊を許し、政府に取り込んだのはなぜか、という疑問から始まっているが、これについて取り扱っているのは、第一章のみである。というのも、この本は各章がそれぞれ雑誌に掲載された文章を元に構成されているからである。他の章については、明治時代の通史となっている。
2020/05/13 15:55
人間魚雷搭乗員募集
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「群像」の編集長として「文学の鬼」とまで言われた名編集長・大久保房男が自らの体験を元に書いた小説。
主人公は何度特攻を募集されても拒否して、最後は「特攻崩れ」ともいわれ、自らの先祖に責められているような気になる。特攻を拒否した後は、掃海艇の指揮官として機雷除去の命を受け、対空などの任務に就く。
主人公は部下を殴ったりはしないが、部下にいたずらして、脅したりするなどしていてどうなのかと思うところもあった。
2020/02/13 22:21
小谷野敦の村上春樹評
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タイトルはものすごいきめ付けで、私は賛同できないが、内容はそこまで挑発的ではない。ただタイトルと同じことを内容でも主張していて、タイトルと内容が違っていると言うことでもない。
テクストについて、分かっている著者の経歴から解釈するのはわかる、ただテクストから著者のプライベートについて推測するのは間違っているのではないか。あと、本文で『1Q84』の「青豆」について、名前が出てこないとあるが、「青豆」の名前は「雅美」としてでてきたような気が...。
ただ、ものすごい量の本が登場して、知らない本も多かったので、そこは勉強になった。
電子書籍男流文学論
2020/01/12 13:04
パフォーマンス
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読んで先ず思ったのは、これは文学論じゃないだろう、という感じ。だが考えてみると、フェミニズムとしてのパフォーマンスだったのかもしれない。読んでいて愉快ではないが、心に何らかの形で残る気がする。
紙の本第二軍従征日記
2021/08/17 11:20
第二軍従征日記
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日露戦争に報道記者として従軍した田山花袋の日記。公開を前提としたものなのかわからないが、記事として新聞に発表した部分は省かれているらしいので、公開前提かもしれない。
戦地ということもあって、乱暴に現地人に接したり、帰国前で浮かれていたのかしらないが、現地の風習を下に見ている場面が散見されて、しかもそれを「あえて」書き記して豪快さを気取るところが軽薄に感じられた。軍隊と行動を共にして気風がうつったのかもしれないが、所詮軍人じゃないだろ、と思う。
本書を通して感じるのは、現地で軍人に「素人」と侮られ、それに憤慨して軍人のようになろうとする姿勢である。自分達は軍人のように役に立っていないという負い目があるのか、態度だけは豪快を気取る。それでいて寝落ちして大事な戦いに取材にいけず、司令部に置いてきぼりにされるなどが、繰り返される。思いばかり先行する素人の悪戦苦闘といったかたちか。
2018/10/22 22:21
あまり刺さらなかった
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田母神俊雄さんがインタビューで、自身の政治観を変えたといっていたので、読んでみたら、あまり面白くなかった。
紙の本師匠、御乱心!
2018/05/19 23:51
落語界大事件の内幕
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この本は、有名な落語協会分裂騒動に関して書かれている。著者の主観が多分に含まれているため、ノンフィクションと呼べるのかはわからないが、当事者が、事件や、その関係者に対してどのような考えを抱いていたのかがわかる重要な本。
紙の本ぼくのおじさん 改版
2017/08/30 07:40
おもしろいエッセイ
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著者が北杜夫ということに惹かれて購入したが、とても面白かった。
この本には、主人公の「ぼく」と大学の教員をしている「おじさん」が懸賞でハワイに行く「ぼくのおじさん」を含む9つの短編が収録されている。
中でも、タイトルにもなっている「ぼくのおじさん」には、所々に風刺なども散りばめられており、とても面白い。
紙の本文明の衝突 上
2019/10/30 22:16
文明の衝突
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冷戦後の世界の単位を「8つの文明」とし、この文明の衝突が現代世界の対立の要因になるというのが論旨。ただ、文明といってまとめていいのかという気もするが...。
紙の本痴人の愛 改版
2017/11/13 15:10
二人の痴人
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題名にもある「痴人」は、ナオミなのか譲治なのか、この解釈は人によって別れるだろう。多くの男と交わり、それを隠そうとしないナオミと、それを知りながらナオミに執着する譲治、自分はどちらも痴人なのだと思う。
電子書籍「昭和天皇実録」の謎を解く
2018/07/11 19:57
昭和の最も重要な場面
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本書では、昭和天皇実録の中でも、戦前・戦中・戦後を中心に記述している。とても興味深く読めたが、できれば歴史学者の磯田さんにもっと出てほしかった。
紙の本楢山節考 改版
2018/06/26 12:47
楢山節考について
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本書は短編集であるが、やはり一番心に残るのは『楢山節考』である。
曾孫が生まれるまで生きていることが恥とされたり、高齢となっても歯が残っていることを恥じたりする村人の様子は、我々からは想像することもできない。
物語が、楢山節を中心に展開されていく所など、作者がミュージシャンであったことに影響される点も随所に見られる。
紙の本作家の誕生
2019/02/05 13:48
中々面白かった
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全体的に面白かった。平塚らいてうについて、夏目漱石と森田草平が買いかぶっていたというのは、面白かった。