めいりんさんのレビュー一覧
投稿者:めいりん
悪の五輪
2020/04/20 22:30
月村先生の技量に感服
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月村了衛『悪の五輪』読了。昭和の東京五輪の記録映画の監督に無謀にも三流監督をねじ込まんとする一介のヤクザが権謀術数を駆使して利権に群がるヤクザ、映画界、政治家、財界の怪物たちと渡り歩いていく。主題からして必然的に敗北に行き着く物語なのだけれどそこを魅力的に描く月村先生の技量に感服。
噓と正典
2020/04/20 22:22
人文系SF
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小川哲『嘘と正典』読了。『ゲームの王国』作者による短編集。駒場の博士課程出身とだけあって表題作筆頭に歴史や文化人類学的な題材の作品を高頻度かつ高クオリティで提供してくれるので自分のような人文系SF読みにとても刺さる。ぐいぐいと引き込ませ読ませる筆致が素晴らしい。
サラブレッドの血統を追う「ひとすじの光」の参考文献に本村凌二の名前があって思わずほっこりした
東京輪舞
2020/04/20 22:49
作者の強烈な意志を感じる
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月村了衛『東京輪舞』読了。
ロッキード事件やオウム事件といった昭和史・平成史を代表する事件の数々を公安警察と諜報機関との闘いを軸に描く"公安大河小説"。ロシアの女スパイとの因縁とかたまらなくエモい設定をぶち込んでくる月村先生は業が深い。「敗北」をかくも魅力的に描く作家はいないと思う。
なめらかな世界と、その敵
2020/04/20 22:27
なめ敵
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伴名練『なめらかな世界と、その敵』読了。年刊ベストSFで読む度に「読ませるなあ」と思ってた作家の初短編集。読むほどにエモい。どれも秀逸だけれど「美亜羽へ贈る拳銃」が白眉。SFにはまだまだ新しい趣向、想像力、可能性があるものだと読後のわくわく感が心地よい。
息吹
2020/04/20 22:19
テッド・チャンの新刊!
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テッド・チャン『息吹』読了。ただでさえ今年はSFの類稀な当り年だなあと思っていたところに師走にきての極めつけの一冊。間違いなく当代随一のSF作家。表題作筆頭にSF的想像力、虚構的創造力を十二分に発揮しながらもアツいヒューマニズム的メッセージ、信念が溢れる作品が目白押し。年の暮れに本当にいいものを読ませてもらった。
宇宙倫理学入門 人工知能はスペース・コロニーの夢を見るか?
2017/07/25 16:24
読み応え十分な人文書
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稲葉振一郎『宇宙倫理学入門』読了。久々に人文書をちゃんと読んだ。宇宙SF自体は科学の進歩の結果として流行を過ぎて久しいが、リベラルな現代社会において許容されうる宇宙開発のあり方を構想するという試みがこれほど刺激的であったとは。人文研究らしい細々とした配慮に満ちていて読み応え十分。
科学の社会史 ルネサンスから20世紀まで
2020/04/20 22:45
ナイロンの発明者カワイソス
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古川安『科学の社会史』(ちくま学芸文庫)読了。主にヨーロッパにおける科学の発展と関わりを取り上げた科学史の教科書的一冊。デュポンのナイロンの発明者が鬱になって自殺したことは知ってたけれど、彼が「純粋科学」の探求と企業の利益追求の狭間で苦悩してた云々を読んでなんだな複雑な心地になる
魔眼の匣の殺人
2020/04/20 22:34
屍人荘の殺人の続刊
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今村昌弘『魔眼の匣の殺人』読了。『屍人荘の殺人』に続くオカルト×本格推理のシリーズ2作目。今作も引き込まれるがままに2日で読了。"予言"という超常現象の非合理を前提としながらもそれに説得力を持たせる論理的で緻密な展開。そして、圧巻の謎解き…本作もたいへんおもしろかった。次作も期待。
博奕のアンソロジー 宮内悠介リクエスト!
2020/04/20 22:33
宮内悠介といえば
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『宮内悠介リクエスト! 博奕のアンソロジー』読了。沈みゆく船で生存をかけてルーレットに興じる宮内悠介の盤上遊戯モノの新作がやはり安定の面白さ。法月倫太郎の掴み所のない競馬の「負けるが勝ち」な話もいいし、ラストの冲方丁の歴史囲碁短編は先の先を読む駆け引きに圧巻の読み応え。
アステリズムに花束を 百合SFアンソロジー
2020/04/20 22:29
百合SF
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『アステリズムに花束を』読了。
世界初の"百合SFアンソロジー"という触れ込みの一冊。
SFマガジン百合特集号掲載作のなかでは"不在の百合"を探求する意欲作、宮澤伊織「キミノスケープ」が好きかな。
非収録作の中では"ソ連百合"として(僕の知らぬ間に)バズっていたという南木義隆「月と怪物」はイロモノどころではない完成度。
本格派言語学SFとしてはもちろん百合としても申し分ない陸秋槎「色のない緑」が白眉。
三体 1
2020/04/20 22:28
中華SF
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劉慈欣『三体』読了。中国内はもちろん米国でも異例のスマッシュヒットしたSF超大作がついに邦訳されるや早くも十刷という話題作。一般解がないと証明されている天体力学の「三体問題」を主題に異星人とのファーストコンタクトを描く、読んで納得の圧倒的エンタメ作。第2作、第3作と次の邦訳が待たれる
GENESiS 創元日本SFアンソロジー 2 白昼夢通信
2020/04/20 22:17
書き下ろしSFアンソロジー
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東京創元社の書き下ろしSFアンソロジーGenesisの2作目。収録作の中でいちばんかっこいいタイトルをそのまま表題に据えるという方針は潔くて好き。
これに限らず創元社の自社のSF 短編新人賞出身者に発表の場を積極的に提供しようという姿勢は応援したい。
収録作の中では石川宗生「モンテスリウム」がわりと好みだったが、全体的にあまりしっくりこなかった。読みやすいアンソロジーではあると思う。
トランスヒューマンガンマ線バースト童話集
2020/04/20 22:44
トランスヒューマンがガンマ線バーストした世界
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三方行成『トランスヒューマンガンマ線バースト童話集』読了。トランスヒューマン社会へのガンマ線バーストの襲来あるいは襲来後を描いた破壊力バツグンのタイトルそのまま連作短編集。ハードな設定の中で描かれる人情味、ロマンスが愛おしい「竹取戦記」、「モンティホールころりん」あたりが好み。
偶然の聖地
2020/04/20 22:31
宮内悠介がのびのびしている
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宮内悠介『偶然の聖地』読了。著書のエッセイ風注釈が300以上あるという謎のロードムービー風SF小説。世界をデバッグする世界医たちの物語の本筋もさることながら読めば読むほどに宮内悠介の人柄に惹かれる。読んでたら出張先の中国で飛行機3時間待ち食らったけどこんなこともあろうかという気持ちに。
