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まなさんのレビュー一覧

投稿者:まな

25 件中 1 件~ 15 件を表示

春宵十話 改版

2018/10/28 12:39

情緒の風景

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

岡潔の口述を松村洋(当時毎日新聞奈良支局勤務)がまとめあげたのが本書。

本書を読んで湯川秀樹を私は思い出しました。どちらも科学者であるけれど、芸術・古典への造詣や仏教観など、内的世界がとてもゆたかな科学者がいたのだなと思うと同時に、おそらく、市井の人の中にも、言語化できない部分に内包されていた豊かさがおなじようにあったのではないかとも考える。現代にも通ずる未来への示唆に富む本です。

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グアテマラの弟

2018/10/28 11:41

想像すると面白い

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

個性的なはいりさんのご家族、道中やグアテマラで会う魅力的な人々が登場する上、はいりさんの文章が本当にとっても面白いので、何回でも読んでしまう本です。最後に弟さんの文章がまた素敵です。

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大泉エッセイ 僕が綴った16年

2018/10/28 17:03

惰性で続けた連載の集大成

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

いつも仕事終わりの電車の中で読んでました。最寄りの駅に着くころには自分の中のピリピリした感じが無くなって、笑いをこらえるのが大変になっている、そんな作品です 笑

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すいか 2

2018/10/28 13:02

テレビドラマを見てました

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ドラマの すいか のその後が終盤に書かれています!
シナリオ本は読んだことがなかったので、最初は戸惑いましたが、ドラマのキャストを思い出しながら読むとあっという間に読み終わってしまいます。また再放送してほしいです。当時はなぜか低視聴率で打ち切りのようでしたが、根強い人気がある作品なので、スピンオフでもやってほしいです。

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わたしが外人だったころ

2018/10/28 10:30

居場所を見いだせないでいる子どもたちへ

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

小学中級からの対象年齢だそうですが、漢字にふりがながふってはあるものの、「交換船」「留置場」「移民局」など、小学生にはわかりにくいかもしれない言葉が登場します。「徴兵検査」など、中には解説がついてるものもあります。

著者の『教育再定義への試み』『日本人は何を捨ててきたのか 思想家・鶴見俊輔の肉声』などを読んで、ある程度バックグラウンドを知ったうえで絵本を読みました。
日本に居場所を見いだせず、なかば突き放されるような形でアメリカ留学をした頃から日本で終戦を迎えるまでの著者の実体験を絵本にしたものです。他の著書や対談集よりも、絵本という事もあり、著者の内面に寄り添うような形で話が進んでいきます。
戦争体験の話でもありますが、当時を美化するようなできごとを載せているのではなく、一時代を生きる個人の話として、読むことができます。
留学先のアメリカでは人種の観点から外人であり、戦時中の日本では周囲との異なる視野や価値観から同じ日本人として馴染めず、日本の中に居ながらにして外人であり続けることになった著者。

この本は、目に映る狭い範囲に留まらず、外へ視野を広げて活路を見出す勇気や励ましをくれる絵本だと思います。これからの時代を生きる子どもや大人にとって何よりの応援になるかもしれません。

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教育再定義への試み

2018/10/28 01:12

学生のうちに読んでみたかった本

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

タイトルから専門書や論文を読むような難しいイメージを持ってしまうかもしれません。
けれど、難解な言葉遣いをされているわけではなく、取り上げる事件などを可能な限り身近に引き寄せて、著者自身の経験と重ねて、読み手に語り掛けるように、話が展開していきます。

教育関係のお仕事されている方や子育てに悩む方にもおすすめできますが、私はなにより子どもに読んでみてほしいです。うまく言えませんが、考え方や物事への視点の一つとしても得るものがあると思いますし、それ以上のものも受け取ることができると思うからです。

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丹生都比売

2018/09/12 01:39

たましいの旅路

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

学生時代になんとなくたまたま取り寄せて買いました。自分の生き死にに本当に悩んでいた時期に、この本に出逢えて救われました。この本に出逢えて、私は「ここに居ていいんだ」とはじめて心からそう誰かに言ってもらえたように感じられたのです。
なぜか、作中に登場する、斉明天皇の殯の列を山から見下ろす鬼の描写が今でも心に焼き付いています。

主人公草壁皇子の内面の繊細さや当時の穏やかな時間の流れと事態の逼迫さが、丁寧に丹念に書かれています。
この原生林出版の装丁がまた私の好みでした。
今では新潮社から梨木香歩さんの作品集として出版されている本でこの丹生都比売を読むことができます。

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わたしたちのたねまき たねをめぐるいのちたちのおはなし

2018/06/09 15:46

小さきものから大きな空間へ

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

子どもにはもちろん、大人も楽しくページをめくって読める絵本です
かわいい小動物たちといろいろな種類の種が登場します
外国の絵本ですが、出てくるのは日本人にもなじみがあるような種たちです

住んでいる場所にもよるかもしれませんが、身近にある植物の種も出てきますので、普段注意を向けない日常の景色に目を向けるいい機会になると思います
ちょっとした発見もあるかもしれないし、視点が少しずつ変わっていくきっかけになるかもしれません

最後の訳者のメッセージも含めて、私はこの絵本が好きです

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生まれ出ずる悩みほか 有島武郎

2018/10/28 17:15

子どもへのまなざし

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

「小さき者よ。不幸なそして同時に幸福なお前たちの父と母との祝福を胸にしめて人の世の旅に登れ。前途は遠い。そして暗い。しかし恐れてはならぬ。恐れない者の前に道は開ける。
 行け。勇んで。小さき者よ。」
この言葉に伝えたいことのすべてがあるように感じました。

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ペンキや

2018/10/28 17:00

すっと落ち着くことのできる作品

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

色使いがとってもすてきです。学生時代にこの絵本を手に取ったときは、どう捉えたらいいかわからないけれど、読み終わりには胸が締め付けられて暖かい気持ちになっていました。社会人になってから改めて手にしたとき、なんだかそれだけで懐かしいものがあって、読み進めていくうちに眼も心も重いものから解放される感じがしました。まるで主人公の仕事に感謝するお客さんたちみたいに。

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ワニ ジャングルの憂鬱草原の無関心

2018/10/28 16:50

ワニの孤独

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

人の知恵を身につけたカメレオンと出会うことで、ワニの運命が変わってしまいます

絵本ではありますが、絵と文章でここまで考えさせられるものかと思わせるものがあります。
人の数だけ解釈が生まれる作品でありつつ、同じ読み手であっても読むタイミングによっては受け取り方や作品の印象すらもガラッと変わってしまうような、不思議な絵本です。

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ぼのちゃん 1

2018/10/28 12:13

赤ちゃんのぼのぼのちゃん

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

赤ちゃんぼのぼのとお父さんの話です。

あとがきに、「「まだ人間となっていないもの」に、祝福とあこがれと畏敬を感じる」とあります。この著者の「もの」の日本的な感性が、私は好きなのです。

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空の境界 The garden of sinners 下

2018/10/28 11:54

夢のような日々の名残り

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非日常性を世界観として取り上げながらも、主人公が求めているものはとても普遍的な人間味のあるもの。その個のポテンシャルから縁遠く感じられた、日常や当たり前のものといったものへのハードルの高さ。幹也の一見「平凡」の象徴のようで、その実何よりも特別性を帯びるあり方。
昔、日本の精神構造に中空を見出した学者がいた。本書は、日本でしか生まれえない作品のように思う。

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不思議な羅針盤

2018/10/28 11:30

より身近に引き寄せる日常

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

人はその一生を通して、変化する時代の中でその時々目の前に現れる物事との付き合い方を学び続けることがどこまでできるのだろうか。

「じっとしていたものを動かす」春の力が充満している「春先のもの」との付き合い方。
群れで生きる上で個性的なリーダーに付き合っていく術について。

日常レベルから社会の大きな流れについて、本書で自在に移り変わる目線やスケールに無理はなく。まなざしを向ける先を指し示す著者の内包する羅針盤に導かれて、読み手の止まってしまって久しい内なる羅針盤が静かに動き出すのではないでしょうか。

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屋根裏の仏さま

2018/10/28 10:00

しんしんと降りつもる、海を渡った娘たちのささやき。

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

大勢の日系移民の女性たちの声で語られる作品です。
シアトルタイムズの書評が絶妙だったので引用させていただきます。

「本書は興味深いパラドックスだ。切れ切れでいながら交響曲のような広がりがあり、あらゆるものを網羅してながらそれぞれの詳細は鮮明だ。点描画家の絵のように、鮮やかな色彩の点が集まって形づくられている。一、二行のなかに生活のすべてを浮かび上がらせる寸描が合わさって、いききとした集団ポートレートとなっているのだ。」

また、冒頭で芭蕉一門の水田正秀の句がシラ書の引用とともに載っていることが印象的でした。

蔵焼けて 障るものなき 月見哉

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