あだじぇっとさんのレビュー一覧
投稿者:あだじぇっと
2019/02/25 16:04
備えと、ワザ
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
防災ブックというかサバイバル術というか。
災害時への備え、および、被災時のちょっとしたワザや工夫本。
こういうのいろいろあるけれど、この本は 大きめのイラストや写真中心で、パッと見て真似できるようになっているのがすごくいい。
2019/02/28 22:25
チムドンドン
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2019.2.24 辺野古埋め立ての是非を問う県民投票と同時に読み始めた。
戦後の沖縄。
”米国の統治下におかれ、72年に本土に復帰した”
これが学校で習う知識。
その つるりとした表記の向こうにいた人々を、いったいどれだけ身近に想像してみたことがあるだろうか?
凄惨な沖縄戦の中で、爆撃や殺戮、あるいは自害で親を失った子供たち。住むところはもちろん、着るものも食べるものもない。今日、今、食べるものがないと死んでしまう!
有るところからいただくしかない、と米軍基地から物資をくすねる ”戦果アギヤー”たちの疾走で この長い叙事詩の幕は開く。
過剰なまでに詰め込んだ修辞(カッコだらけ!)と逐一ふられる沖縄言葉のルビ。チム・ドンドン!
その文面が、重たい・重すぎる現実と常に向き合いながらも豊穣で明るささえ湛える沖縄の空気を立ちのぼらせる。
戦果アギヤーの英雄オンちゃんは、嘉手納襲撃の最中に姿を消し、その姿を追いながらも、レイ・グスク・ヤマコがそれぞれの道を生き抜く。
その人生は時に交差し、労わりあったり傷つけたり傷つけられたりする。
簡単に答えを出せない事情があり、それゆえに当たり前に守られるべき事が守られず、弱い者たちが踏みにじられる。
これはフィクションであると同時に、現実なんだよね。。
なんということでしょうか。。。
残虐な描写もあるので、ティーンエイジャーにはちょっと早いだろう。もうちょっと上の世代には考える材料をたっぷりくれる作品だと思う。
しかも 宝島 だ。
宝は たしかに 存在する。
それは 決して ”ひとつ” ではないと、思う。
2019/06/05 14:09
平成男子の言葉を聴け!
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
本棚見ると 3冊目の朝井リョウ
桐島も読んだので4冊目か。
親はたぶん "ヤリガイ幻想”世代 。
「やりたいことを見つけて...」が 物分りの良いイイ大人の言葉待遇で 世間に垂れ流されている環境で大きくなったのではなかろうか。 彼の作品の登場人物は
できる/できない
好きなものがある/ない
評価される/評価されない
という視点から描かれている。『ままならないから ...』では それを女子で書いちゃって その単純さに私はイラっとしたみたいだが 本作は 男子中心。
”いつかはクラウン” ...... ではない世の中になって久しい。
言い換えると 人生の目的や喜びは おのおのが納得できるものを探さなくちゃならない。
それは 「やりたいことがある人」には生きやすいけれど、そうではない者にとってはどうなのか?
ざっくり定義すると”できる/評価されたい/好きなものがない” 雄介。
その能力の高さもあって、周囲は彼に直接的に変わるべきだとは言わない。 ただ 環境が変わっていく。
棒倒しはなくなり 成績は発表されなくなり 大学は統一価値がない場所だ。
能力が高い雄介は 少しづつ 自分の拠りどころを失っていく。
その雄介とずっと仲良くしてきた 智也。
智也は できる/評価されなくていい/好きなものがない と自己分析している。
雄介と智也 まったくキャラの違う二人が 最後の最後に衝突する場面で。雄介は見事に両者を分析してみせる。
圧巻。
男子ならでは。
もちろん女性も登場するし、女子にとっての ”対立” も書き込まれてはいるのだけれど ”降りる”選択をしやすい女子と ”降りる”と”評価されない”男子 との違いもくっきりと。
男子ならではの 生き辛さ。
メディアの現場における同じ構図と その背後にある権力者の老獪で汚い図太さも なかなかの質感。
昭和株式会社思想から抜け出せない 嫌がらせ転勤など発動して溜飲を下げているような人種は、よく噛み砕いて飲み下せるまでこの作品を読むとよいよ。
最後の智也の章では この作品を含む”螺旋プロジェクト”のベースになる設定『海山伝説』がしっかり登場するが、現代の寓話として きっぱり描かれている。
惜しむらくは 智也のくだりが 長い。長いというか説明的すぎて煩雑。
でも平成生まれの男性の群像が見事に表現されている。偉そうな言葉遣いをしちゃうと、腕上げたなぁ!朝井さん!
ところでこれ、あと10年?20年?
その後を読みたいよ。
白井さんも 亜矢奈も 弓削さんも どう生きて行くのだろう .......!?
ある男
2019/02/10 10:28
ああかかる日のひととき
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
#生まれ変わるなら そう問われて思い浮かぶのは 凡庸な自分の持ち得ない美貌や才能のカケラでも持てたら、とう程度。ありがたいことであろう。
そうではない、もっと切実に 自分を縛るアイデンティティを棄て 生まれ変わりたいと願う人をモチーフにした作品。
弁護士の城戸は、以前 離婚調停を手伝った里枝から奇妙な依頼を受ける。再婚した夫・谷口大祐が事故で死んだのだが、彼の実家に連絡したところ、夫は谷口大祐ではないらしいと言う。
この谷口大祐探しの過程に、さまざまな要素が盛り込まれている。震災のこと、在日韓国人のこと、ヘイト問題、死刑制度 --- いずれも人権の根幹に関係することであり、それぞれが ”なにを以って 個人はその人と同定されるのか”という アイデンティティの問題を多角的に考えさせてくれる。
谷口大祐をめぐるアイデンティティは、それは哀しく ドラマ的で、物語に推進力をもたらしている。同時に探求者である城戸が自らについて考える --- 自身に迷い 悩み そこからあらためて自分を掴み取っていく過程がとても興味深い。
その城戸と対照的ともいえる人物も登場している。
里枝の前夫だ。
自信があり自己の視点に固着している、ああいるいるこういう”立派な”人! なぜ里枝が離婚したかったか、わかるような気がしたと城戸は感じるのだが、その感覚は読者にもじわりと伝わってくる。
さて、では、人は 外部から纏わされるアイデンティティ --- 身体的特徴、 DNA、家庭や地域・学校といった生育環境 --- から決定づけられてしまうのか?
”ある男”はそこから逃げ切れなかったのか?
それだけではない、と。
最後に里枝と中学生になった息子・悠人 --- 父親は離婚した前夫 --- とのやりとりに描かれている。
悠人に手を差し伸べたのは、”文学”。
その力が悠人の自己形成に大きく力を与えている。
彼の血の繋がった父親、里枝の前夫とはまるで違う人格に育とうとしているのだ。
その姿は一条の強い光を発している。
そして、その光は周囲をも照らす。
城戸もまた、自身の親としての愛情を再確認し前にすすむ力を得る。探し続けた者だけが得る力を。
かがみの孤城
2018/09/17 11:52
成長すること
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
"嫌なことは嫌っていうんだよ。
それが言えないときは、みんながびっくりするくらい大きな声で泣くんだよ "
私の子たちは、幼い頃にそんなふうに教わった。
”思春期のこどもは、親の言うことや、ましてや教師のいうことなどきかない。 友達が強く影響を与える"
本人たちはそんなことをわかりはしまいが、彼らに手をやく身には拠りどころになる言葉。。
かがみの狐城
主人公の こころ は、中学に進学してすぐに、 クラスメイトから激しいいじめと脅迫行為を受け、学校に行かれなくなってしまう。
親しくなりかけた子も味方してくれず、何が起こったのか理解してもらえないのではないか....という躊躇いが大きく、親にも言えない。
そんなとき、部屋の姿見が虹色に輝く。。。
ミステリー&ファンタジー仕立ての いじめをテーマにした話か?と思ったが、それだけではない。
行きたくないわけじゃないのに学校に行けなくなる子たち。
それぞれの事情は異なるが、 ふしぎな城に招かれた7人は、願いを叶える鍵があること、1人しかそれを使えないこと、願いが叶えられた時点で全ての記憶はなくなること、叶えられなければ記憶は残ることを言い渡される。
思いがけず人生につまづいてしまった その事情の解決が主題ではなく、本人たちがジタバタして出口を探していく、そういう話なのだ。
自分の不快のでどころがハッキリしないハッキリさせたくない10代のもやもやした時期。
そこを通り抜ける 周りにはみえない時間が描かれている。
他人に対して恐怖感をもつ こころ が、次第に城の仲間と連帯感を持っていく。
嫌だと意思表示することも、本当のことを話して助けを求めるのも大事な力。
じわじわとそういう力をつけていく。
”こころ”の成長。
軽やかで読みやすくふんわりした感触を残しながら同時に濃い充実感も備える。
教育学を学び、SFが好きな辻村さんらしい作品。
2018年本屋大賞受賞作
久しぶりにブッチぎりでトップの作品だった。
LDK防災の便利帖 永久保存版
2018/09/17 11:50
防災袋の考察が秀逸
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この前、防災袋を詰め直した。
家族の年齢も変わったので、現状に合わせてセットし直したのだ。
何をどこまで入れるか?やってみると、これがなかなか悩ましかった。
で、 LDKの このムック本、防災袋の考察が秀逸。
比較的安価な必需品揃いの袋を買って、いるものを足し算しカスタマイズするという発想で構成されている。
オススメです。
くちなし
2018/08/03 17:07
くちなし
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だいぶ前に session22 で取り上げていた作品。
不倫相手との別れ際に、彼の腕をもらう女。
自分にしか見えない花を咲かせる運命の相手。
片思いのデザイナーの変人男を、支える女。
好きな相手を食べてしまう変化する生き物たち。
難民の子をおもちゃにする夫人。
不倫相手と夫との事故死から立ち直りつつある未亡人。
自分のもつ遺伝子に忠実に、社会のために役割を果たそうとする女 ......
どれも孤独で、でもその寂しさと共生する強さを持つ女たち。 その地味で目立たない深い愛にはぐっとくる。
くるけど ......こんなのわからない男がほとんどだよな
もうわからない連中は絶滅すればいいのにと思ったりもして(笑)
綾瀬まる、読んでる人を見つけたら、唇の端でニンマリしてしまいそう。
そして、バトンは渡された
2019/06/05 14:11
本屋大賞おめでとうございます
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瀬尾まいこ氏の作品は ファンタジー領域にある。
さりげない日常を切り取ったようでありながら、登場人物はいい人で いい人と巡り合って 平凡だが幸福な時間がそこにある。
『そして、バトンは渡された』
これなんて その際たるもの。
幼い頃に病気で母を失った優子だが、さまざまな事情で次々に交替していくどの親にも大事にされ、芯が強くモノに動じない現代的で生き生きとした女性に育っていく。
もうカンペキすぎ、ありえない(笑)
でも、道徳本のカンペキとはちょっと違う。
このふんわりと優しいお話の向こうには 強い願いと信念が くっきりと見える。
一人の子供がちゃんと成人するまでには それだけの育てる者の覚悟とエネルギーが必要なんだよ。
それは地味な毎日の積み重ねだけれども なかなか大したことなんだよ、と。
我慢も必要、努力も必要。
でも、それを唱えちゃうのは全体主義者のやること。どうすればたくさんの人に "やってみせるように”伝えられるか。
その手法が小説なんだろう。
よかったのはピアノ関連のところ。
優子は合唱祭のピアノ伴奏をする。
恒常的にピアノをさらっているわけではない彼女でも 練習すれば弾けそうな曲が選択されている。
森宮さんにプレゼントする曲も(え?ムリでしょ?)とは思わせない曲。
そういう地に足がついたディテイルが良い。
早瀬くんがピアノについて迷う時間も良い。
アートとしての演奏と、聴衆を楽しませるための演奏と、くっきり分けることはできない。
それでも、自分はなんのためにピアノを弾くのか?という問いと向き合うことは、将来にいきづまるピアノ・サイボーグをつくらないための課題。
動機を掘り下げることを厭う傾向が強い日本の教育への問題提起とも言えるかもしれない。
2019/02/15 10:28
もしパリに行くなら ...
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2日ほどしか行ったことがない。
美術館巡りをする予定で、アクセスが良くて比較的安価な宿に泊まった。
チェックインでいきなりべらべらとフランス語でしゃべられて「次に来ることがあったら、フランス語を勉強してから来るように」となかなかに流暢な英語で言われた。
20世紀に戻ったか?と思ったw
ミシガンの田舎者ヘミングウェイは、こんなイケズな街でどうしてたんでしょうね?
彼の足跡を訪ねながらパリを楽しむ書。
写真もいっぱい。
もし、万が一、まかりまちがって、あのイケズな街を再訪することがあるならば、この本を熟読していこうと思いました。
さざなみのよる
2019/02/10 10:33
寂しいよね
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木皿泉氏は ”昨夜のカレー、明日のパン”以来。
あれは だいぶ前に亡くなった夫を抱えるようにして暮らす 妻とギフがメインだった。
ドラマもよかった。 すごくゆっくりだけど ひにち薬が効いていく感じが沁みた。
本作は、現在進行形で ナスミが亡くなっていく。
40代、癌。
そんな知り合いが幾人かいた。
ナスミはなかなかに自由に意志的に生きた人で、あちらの世界に行くのもわりとさっぱりと。
彼女に近い人たちも、割合に準備がでてきているというか。
もうちょっと彼女とは遠い人たちの話は、だいぶ寓話的なイイ話。ちょっと定型的かと感じたけれど、日常的には会っていない過去の人の訃報に、突然今の自分の姿を映してみる。
なんだかやっぱりむしょうに寂しくなる話だった。
あの映画みた?
2018/09/17 11:51
全体的に古めの作品多数
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
手元にあったので、映画関連ね〜と軽い気持ちで手にとってはいけんかった。
夏の疲れをひきずった身には少々ツカレマシタ
井上荒野と江國香織だもんね。
濃いよね、そりゃ。。
ひねるよね、そりゃ。。。
もうなんかさ、気楽にハッピーエンディングとかダメなわけよ、たぶん。 いや、わかるけどさw
食べ物のところはしゅしゅしゅっと喉をとおりましたが .... めんどくさい女やダメンズがドラマを作るんだろうね。
あと全体的に登場する映画が古いです。
ようわからん ...
2018/08/03 17:06
超動く家にて
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発売と同時に買ったんだけれど、えらい時間がかかってしまった ...... というのも電子書籍に初挑戦してみたのだけれども、どうにも合わなくて、ついに観念して紙本で読んだ。
さてボツにするには惜しい作品を集めたという短編集。
素材はバラエティに富むものの、やはり IT系や宇宙モノ多く、そのあたりが科学に縁遠い身としては、緊張感あっていい。
いささか柔らかいというか、途中でくじけて流れた?というか、検索したくなる欲が通常よりは低めモード。
軽く楽しめました。
なのに、電子書籍だと進まなかったのよね。。
気が散っちゃって。
慣れだろうけどね。
2019/02/10 10:30
電子書籍チャレンジ
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千夜一夜物語をモチーフにした、パラレルワールドもの。
先に行っちゃった人を追いかけていくスタイルは、夜は短し以来、森見さんの定番スタイルですね。
で .........
いずれ老いて視力も落ちる。
元気なうちに電子書籍に慣れておきたい。
熱帯、厚みもありそうだし チャレンジにはちょうどよかろう。
と、思ったけど、ダメだったわ。。
なんだろう、話のどの辺まで自分が潜ってきたのか?という実感みたいなものが、皆目わからず、ただただ、つるりとした字面を追わされてしまった感。
辛かった。
やっぱり、紙本かなぁ........... しくしく
地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団
2019/02/15 10:34
積水ハウス詐欺
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積水ハウスが55億円だまし取られた事件の話。
犯人グループは捕まったのだが、肝心の金はどこかに消えてしまっているらしい。
契約書などの物証を精査していると、積水ハウスはもっと取られているんじゃないか?という疑惑が残るらしい。。犯人グループだけの話ではなさそうです。やだやだ。。。
