もりしおさんのレビュー一覧
投稿者:もりしお
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2018/09/02 12:15
不器用だが豊かな心情とともに
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平成最後の夏に全巻を通読。
本作が流行していた当時、私は中学生だった。当時は何が起こってるのかわからず(エッチなシーン以外)面白く読めなかった。
今読んでみると、その理由がわかる。
世界で起こっていることやキャラクターの心理について、説明を省いている。
田舎の高校生活と世界全体の争いのギャップ。好きだという気持ちと、好きだからこそ生じる恐れ、迷い、自信のなさ。それらが全編を通じて、ちせやシュウジの主観を通して表現されるため、状況全体を俯瞰した説明的描写がない。説明をしないことによって彼らの不器用さや無力さ、懸命さが際立ち独特のエモさが生まれる。その点こそが本作の特徴のひとつだろう。
(あえて言うが)人生経験の少ない中学生の自分では理解できないはずだった。
今だからこそ、全編を通じるやるせなさを感じることができた。刹那を懸命に生きる高校生たちを読みながら、来年私はどうしているのだろうと漠然と思った。ちせやシュウジのように私も不器用かもしれないが、世界は不条理かもしれないが、多分生きているのだろう。ゼロ年代を代表する作品のひとつに、グッドバイ。
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