Buchiさんのレビュー一覧
投稿者:Buchi
日日是好日 「お茶」が教えてくれた15のしあわせ
2018/09/06 19:20
毎日毎日を好日だと捉え感じることの大切さ
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茶道について書かれているのに、現代社会でよりよく生きるためのヒントが散りばめられている本でした。
四季のなかで、私たちは生かされている。お茶を通して、いや本当はお茶を通してでなくても自然を体感することができる。
どんな日であろうと、毎日毎日を好日だと捉え感じることの大切さをこの本で教わりました。
しゃばけ
2018/09/13 12:01
ミステリ要素たっぷりで、妖の世界が覗ける時代小説。
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ミステリ要素たっぷりの時代小説。
舞台は江戸日本橋の大店。しかも数多の妖(あやかし)が登場してくるのですから、普段の江戸の生活を描いたものとは違います。妖しい世界も見せてくれるので、面白くないわけがありません。
虚弱な若旦那一太郎が主人公。妖である手代二人に育てられ、守られています。しかも、妖が見える一太郎には数多の妖や付喪神が周りに集まってきます。そして、一太郎を慕い大切に思っています。当の一太郎は体は弱いが人として芯の通った気概の持ち主で、問題や下手人に立ち向かっていく姿にとても好感が持てます。
夜哭烏 長編時代小説書下ろし
2018/09/07 08:21
火消しとしての矜持に胸を熱くする
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一作目よりもさらに面白さが増しています!。
火消し本来の火事場での活躍もさることながら、本作では悪人を追及していくミステリ要素も加わって、さらに面白い作品となっています。悪の手口を解き明かし、悪と対峙していく展開はハリウッドの映画を観るような疾走感にあふれています。
そして登場人物たちの火消しとしての矜持に胸を熱くし、仲間との絆、家族愛にホロリとさせられます。
源吾と深雪との間に子供ができて、今後の源吾の活躍がさらに楽しみになりました。
時代物の枠を超えて誰でもが楽しめる作品です。
泣き童子 三島屋変調百物語参之続
2018/09/06 19:39
ただ怖ろしく恐いだけではありません
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ただ怖ろしく恐いだけではありません。 さすがの宮部みゆきさんです。
"小雪舞う日の怪談語り"ではホロリとさせられ、"まぐる笛"では お国訛りで語られて怪獣話が趣のある話になっていました。 "節季顔"では彼岸と此岸を行き来する商人が、単なる死の商人ではなく 人々の未練をつないで思いを成就していく良き商人と描かれています。
浮世絵に見る江戸の食卓
2018/09/06 19:07
"1粒で2度"どころか3度も4度も美味しい本
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広重、北斎、国芳、豊国らの浮世絵で江戸の味を紹介してくれています。
"1粒で2度"どころか3度も4度も美味しい本です。
1. 江戸庶民の暮らしぶりを色鮮やかな浮世絵で活き活きと見ることができる
2. 季節と強く結びついた江戸の食が伝わり、季節感あふれる食習慣の魅力にあらためて気づける
3. 江戸時代の味を現代に受け継ぐ名店のガイドにもなっている
4. レシピも載っているので自分で江戸時代の味に挑戦できる
5. トリビアな薀蓄もたくさん
ネコヅメのよる
2018/09/06 19:01
たくさんのネコが見惚れる様子がなんとも素敵
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多くの友人が奨めてくれる絵本。これだけ多いのは、素晴らしい絵本であること証明みたいなものですね。ネコヅメが現れたとき、すべてのネコがおもわず2本足で立ちあがってしまって、うっとりとネコヅメに見惚れる様子はなんとも可愛らしく、こんな素敵な夜を過ごせるネコたちが羨ましくなってきます。
ところで、部屋の絨毯の上にときどき発見するミニチュアのネコヅメは、いったい何なのでしょう?気まぐれな本物のネコヅメが現れるのが待ち遠しくて、そんな気持ちを慰めるためのネコたちのオモチャだったのかしら???
タルト・タタンの夢
2018/09/13 11:57
ミステリも料理の美味しそうな描写も、どちらも楽しめる美味しい小説
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住宅街にある小さなフレンチビストロで起こる小さな事件を寡黙なシェフがさらりと解決します。
登場する料理がどれもすごーく美味しそう。 殺人事件のような重いものではなく自分の身近にもありそうなミステリも、料理の美味しそうな描写も、どちらも味わえる美味しい小説。 シェフご自慢のヴァン・ショー(ホットワイン)は絶対に飲んでみたい!
火星に住むつもりかい?
2018/09/10 19:39
"平和警察"に象徴される監視社会への警鐘
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"平和警察"は現代の魔女狩りを繰り広げ、読んでいて気持ちが暗くなってきます。
しかしそこは伊坂の作品、ハラハラドキドキの展開も用意されていて最後まで読ませてくれます。
ラストはスッキリとハッピーエンドというわけではありません。「振り子が行ったり来たりするように、いつだって前の時代の反動が起きて、あっちへ行ったり、こっちへ来たりを繰り返すだけだよ」と作中にあるように、平和警察もあちら側からこちら側へと行ったり来たりするだけなのでしょうか?これからどうなるのでしょう、平和警察....
火喰鳥 長編時代小説書下ろし
2018/09/07 08:18
夢中になる時代物のシリーズの登場
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面白い!またもや夢中になる時代物のシリーズができました。 勢いのある描写で火消し鳶の面々を描いていて、こちらの胸を熱くし、そしてホロリともさせてくれます。
いつの時代も火災と闘うファイヤーファイターという男達は真の勇者です。
武芸物などにありがちなクセもなく、時代物が苦手という人にもお勧めです楽しく読めます。
バッタを倒しにアフリカへ
2018/09/07 08:14
予想をはるかに上回るめちゃくちゃな面白さ
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バッタのコスプレ写真の表紙を見れば、単なる科学書ではないことは明白ですが、予想をはるかに上回るめちゃくちゃな面白さでした。
バッタの研究で食べていくんだという強い決意を持ったバッタ博士は、研究所の仲間にヤギの賄賂を贈ったり、ニコニコ動画フェスタに出演したり、なかなかの策士でもあります。
バッタの大発生による被害をくいとめるための研究への熱意のあらわれはこちらも泣けそうになります。 そして、どんな分野の学者でも象牙の塔に引きこもっていてはダメなんだということを再認識。活きた研究は現場に出ることなんですね。
クマよ
2018/09/07 08:07
あの大きなクマさえも小さくみえてしまう雄大な景色
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「いつかおまえに会いたかった」 本を開くと最初に出会うこの言葉に深く心を打たれました。
町の雑踏の中や電車の中にいる時、その同じ時に遠い遠い山を歩いている熊の姿が思い浮かび、会いたくてたまらなくなった星野さんがたどりついたのがアラスカでした。
あの大きなクマさえも小さくみえてしまう雄大な景色。この大自然の中で、堂々と生きているクマの姿。四季折々の移ろい。アラスカってすごいなぁと思う。
星野さんはもういないけれど、星野さんが残してくれたたくさんの写真と文章はいつまでも私たちに自然の尊さを語りかけてくれています。
三鬼 三島屋変調百物語四之続
2018/09/06 19:43
主人公の心境の変化が....
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このシリーズ、おどろおどろしい怪談話というよりも人情噺なのだと、読んでいていつも思うのです。宮部みゆきの心情そのまんまなんでしょうね。
そして、最初の頃と比べておちかが元気になったと感じ、嬉しくなりました。
最後の章の「おくらさま」では、"聞き捨て"の掟を破り、語り手のお婆さんを探し出して会いに行くなど、三島屋の奥に引きこもらない積極性も見え、今後おちかがどのような心境で生きていくのか楽しみとなりました。前向きな気持ちですごしていって欲しいと切に願います。
あんじゅう 三島屋変調百物語事続
2018/09/06 19:37
日本漫画昔話みたいな怪談話
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前の巻では人の情の怖さが際立っていましたが、この巻は少し趣が異なっています。
TVアニメの日本漫画昔話みたいな雰囲気なんです。
登場する物の怪に可愛らしさを覚えてしまうほどです。 それに著者一流の人情にあふれた描き方には あいもかわらず泣かされました。
新たな脇役達も増え、次作でも活躍してくれるかと思うと楽しみもひとしおです。
おそろし 三島屋変調百物語事始
2018/09/06 19:34
人情小説のような百物語
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題に百物語とありますが、蝋燭を百本立てて一本ずつ消していって最後に....なんておどろおどろしいものではなく、どちらかというと人情物のようなお話。
結末では、登場してきた人達(恐ろしいあるいは哀しい最後をとげて物の怪となった人達)が団結し、主人公助ける姿には心がほっとし、またホロリともさせられました。
続編があるということなので楽しいです。
猫の傀儡
2018/09/06 19:23
設定が素敵で奇抜...猫好きはニンマリ
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人間が猫を傀儡として操るのではなく、猫が人間を操るなんて...設定が素敵で奇抜。
傀儡師のミスジ"(猫)も傀儡の時雨(人間)も推理力抜群で次々と難問を解決していきます。痛快、痛快! 登場してくる猫たちも多彩で、たいへん面白いです。
私はユキの可愛らしさにやられてしまいました。 猫好きにはお薦めの一冊です。 猫を飼ったことがある人ならだれでも、"自分も傀儡になっていたかも...”と思わずニンマリしちゃいます。
