*****さんのレビュー一覧
投稿者:*****
ヴィオラ母さん 私を育てた破天荒な母・リョウコ
2019/05/01 06:13
愛することにかける一生
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リョウコさん。2度も「結婚」できたのは、世の中に風変わりな人はあなただけではない証拠。勘当同然で飛び出したご実家のご両親にも、困ったときには頼れて、虐待寸前で育てた娘さんにこの本を書いてもらえて、なんてお幸せなんでしょう。
人生は多く結果論ではありますが、世間の規範からずれていた親に育てられて気が楽だったと子どもに言ってもらえるのは本当にラッキー。
年齢とともに体調を崩しがちとのことですが、どうぞご自愛の上、人生を楽しみ続けてください。
ペリリュー 1 楽園のゲルニカ (YOUNG ANIMAL COMICS)
2018/11/09 07:52
「赤子」のことをどう思っていたのか
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
表紙の絵柄を見て「大丈夫かな?」と大分迷ってから購入しましたが、既刊の単行本を全部読んで続きを楽しみにしています。
配属されることがほとんど「死」を意味した太平洋戦争末期の南洋の日本兵たち。
作者のおじい様の話、ということで生還できるんだという安心感を持って読んでいますが、肉体的にも精神的にも極限に追い込まれ、死んでゆく若者たち。
彼ら「赤子」の悲惨をなぜ誰も思いやれなかったのか。
悲愴な場面をほのぼの絵柄が救います。主人公を始め、眼鏡を必要とする登場人物の中で、眼鏡の紛失・破損で困っている人がいないのがちょっと謎。
障害者の傷、介助者の痛み
2019/05/06 05:47
介助者の痛みに触れてもらって
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私も「青い芝」系の方に交通費だけ貰って介助に入ったのが「介助」のスタートだったので共感するところ多く読ませていただきました。現在は重度・重複の方が多いGHでパートで働いていますが、常勤だった頃、支援法が施行されて仕事量が急増。PCも携帯も持つようになって立ち向かいましたが1年後には不安発作で入院しました。共に戦い・生きる仲間とは限らない利用者との関係、夜勤勤務をしながら人員配置や書類作成に追われる毎日。男性介護者が多く登場していましたが、子どもが小さかったり、家族に介護が必要になったり更年期等で体調を崩せば働けなくなる女性夜勤スタッフ。身体介護ができて感情もコントロールし、PCも扱えないとなかなか勤まらない。服薬管理も重要で煩雑。暴言や介護拒否で次々と職員を辞めさせる利用者を排除したくなった自分を見返すためにもありがたい本でした。介護はなかなか苦しくもある。けれど世の中には絶対必要なことだ。
日本軍兵士 アジア・太平洋戦争の現実
2018/11/12 05:25
「お国」は兵士も労働者も使い捨て?
7人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
太平洋戦争末期の食糧難は全国民を襲った。
でも「兵隊さん」はそれなりに支給を受けていたかというと、
無謀な戦力で補給路の確保ができなかった
大陸、南洋の兵士たちの衣・食・住、
そして医療の貧困。
「赤子」たちは「お国」にネグレクトまたは遺棄された。
この本を読んでから「ペリリュー」を読み始めたので
「総論」を読んでから「ディテール」を読んでいる感じです。
期間で来た人たちは少数とはいえ、
各地で亡くなった方の遺族は相当数いらしたのに
なぜ日本人は「赤子」を捨てた天皇を裁けなかったのか不思議。
会いに行って 静流藤娘紀行
2020/12/30 20:04
私小説・師匠説・死生説
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大好きな著者の新作なので早速読みました。藤枝静男さんは「名前は知ってるけど…」ぐらいだったので、途中で原典に当たらねば話が見えん、と「田紳有楽・空気頭」を購入。大変楽しく読みました。自分が文学史に弱いことが残念ではありましたが、自分と、世界と向き合うために何にでもなって、潜り染み込み飛び回り、生きている間はペイーッと高鳴っていたいと思いました。ほとんど言葉を交わさなくても、生きる歴史時間が違っても、「師」と仰げる人に出会える幸せも感じました。「師」じゃなくて「友」と出会うのも幸せだ。
こんなに毎日やらかしてます。 トリプル発達障害漫画家がゆく
2018/11/09 08:24
×華ちゃんどこへ行く?
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もともとどこに行くのかわからないのが「発達障害」と云われるものでしょうが、炸裂しちゃったんですね。
マンガの新刊で作者の不調を感じましたが「やらかし」を読んでもいったいどの時期だったかはわからない。不調になって当たり前の状況が続いていたようですから。
薬についてのレビューを服用体験者から教えてもらえるのは貴重な機会。効き方や副作用は人や時期によって異なるでしょうが、続報にも期待しています。
そして面白い漫画を描き続けてほしい。
出世と恋愛 近代文学で読む男と女
2023/09/17 06:47
愉快痛快、でもいまだに生きてるロマンチックラブ幻想にちとヒヤリ
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斎藤美奈子さんが伐りまくる近代の名作文学に出てくる恋愛下手青年と死んじゃうしかない女たち。儒教縛りに家制度、立身出世に聞く耳持たず。何しろクニの初めから、女が先に声をかけたカップルからは障害のある子が生まれたなんて言う厳重な差別で縛り上げられているこの国。今からの私たちはどんな物語を生きて書いて読んでいけるのだろう。
ロマニ・コード 謎の民族「ロマ」をめぐる冒険
2023/04/27 04:27
謎多きお話
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未知の作者だったのですが、昔「立ったまま埋めろ」というような題名のロマについての本を読んで印象的だったので、新聞書評に載っていたこの本を買いました。
中学生で杖術とエスペラントを学んでいた、小さなおっさんと縁のある謎の著者。
ちょっと引っかかるところのある文章も「半分忘れかけている日本語で」と言い訳があるのでおまけする。
捉われないようにみえる生き方。不思議にして微妙な立場が著者とロマに共通するのかも知れない。著者の絶対持てないアピールと、ロマの少年の(自分たちは)みんな射殺されればいいという発言もどこか重なる気もする。
面白かったです。著者についても、ロマについても、少しは言語学についてももっと知りたくなりました。
当事者は噓をつく
2023/02/28 17:35
生き延びるためのジタバタ
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そう。仲間は生き延びるために必要なんだ。対面でも、読むことでも、「分かって」胸が熱くなったり涙が流れたり、苦しくなったり痛かったりする。私は意識を失ったことはないけれど。
ヒトが生きる中で行き会ってしまう様々な出来事と、一人ひとりが抱えるそれぞれの秘密。人らしく生きるためには繊細かつ大胆に自分の人生にぶつかっていくしかない。
田中三津さんの「いのちの女たちへ」は20才だった私を衝撃的に目覚めさせてくれた一冊だった。
水俣で長子を産んだ頃、何度かお会いした緒方正人さんとは会話もなかったけれど、会えるととてもうれしい方だった。
私の「今年の一冊」候補です。
う~ん。「トラウマと回復」は大好きな中井久夫さんの訳だし読まなくちゃかなあ。いいお値段だけど。デリダも大好きな笙野頼子さんの作にトゥールーズと並んで見かける名前だし読まなくちゃかなあ。小難しそうだけど。
「伝える」ことと「伝わる」こと
2022/12/31 06:16
入り込むこと、入り込まれること
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多くの人が生まれる前から誰かと行っている「伝える」「伝わる」。著者が患者に、外国語に触れる時、言葉や文章で何かを伝えようとするとき、普段の生活では使わない方法を制御しつつ駆使したり、技術を分析したりする。
対人関係で何とか相手の事を知ろうとするときに使う自分の体と心。
特定の人にチューニングしすぎていることへのアラーム事象。
精神科医としてのお仕事の素晴らしさを支えたのかもしれない言語や文学への造詣。
翻訳をするために工夫した新しい文体を使って1冊書き上げると、元の自分の文体には戻れなくなるという話は印象的でした。
岡本太郎の本 3 神秘日本
2022/07/21 05:59
岡本太郎は深い
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第2次岡本太郎マイブームです。第1次のときは芸術家としての太郎の事しか考えていませんでしたが、第2次は若き日に文化人類学も学び、徴兵も経た人としての太郎にグングン引き付けられています。日本にとらわれず世界人になりたかった、戦中に兵士として日本を否定しかできなかった、そして「本当の」日本を、「本当の」ニンゲンを探していた岡本太郎。
この本の表紙は太陽の塔を想起させる顔のオブジェですが、国家権力を背景に「人類の進歩と調和」なんちゅうフレーズを掲げたお祭りで仕事をした太郎にもっと迫ってみたい。
貘さんがゆく
2022/06/24 04:15
詩人のこころ
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私自身は極めて散文的な人間で、詩は読んでいても恥ずかしくなりがちなのですが、茨木のり子さんはそんなことがない詩人のお一人。彼女が沖縄出身の詩人の評伝を書いていると知ってさっそく注文しました。
沖縄差別が今よりもっと激しかった時代に、生活を立てることにあえぎながら、というよりもなんだか詩のように飄々と「底辺」を生きていった獏さんを感じました。素晴らしい連れ合いと出会い、貧乏自慢的にしろ社会的にも認められ、詩をこころの中心に置いて生きていけたのは、やはり獏さんの志の咲かせた花というものでしょう。
にごりえ 新装版
2022/06/20 05:31
一葉との出会い直し
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現代語訳者の皆さんも書いていることですが、もう私達にはよくわからない風俗習慣の中で、それでもそれぞれの人生を切り開く女たちの息吹が新鮮な言葉で響いてきました。ちゃきちゃき小気味が良かったです。当時の男性作家の作品を現代語訳したら、もっとうじうじなよなよしていそうな妄想がわきました。
ざんねんないきもの事典 セット
2021/02/03 05:45
大切すぎて子どもに渡せない
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今日3歳になる孫が大好きなETVの「残念ないきもの」。もともと生物は好きな私も楽しく見ていたのでセット買い。生き物は、世界は不思議に満ちている。紹介されている残念さにはもっと調べてみたいこともたくさん。とても良かったので、小さい人たちが本を破らなくなるまでは手渡せません。
たそがれてゆく子さん
2019/08/30 04:24
いつもお世話になります。これからもどうか。
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「良いおっぱい・悪いおっぱい」を読んだころ、私も若くて自分が子供と暮らすことなど想定外だった。伊藤比呂美の作品が私を出産・育児に立ち向かわせたのかもしれない。
人生のちょっと先輩が辿って書いてくれる私とは違う、私とも重なる人生。もう本当に赤裸々で正直で、愛しまずにいられない。ハグして慰めたい。素手でなでたり揉んだりしたい。著者のことも自分のことも。
年を取るとたいていのことはわかってくるけれど、起こってみればどのイベントも自分には特別だ。
喜びにも苦労にも震えるこの生を響かせ合いたい。
