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林濤さんのレビュー一覧

投稿者:林濤

9 件中 1 件~ 9 件を表示

石原吉郎セレクション

2021/11/30 18:17

「抑留」が死後にならないように

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

今から7年ほど前、ある翻訳の教室でのこと。ある若い受講生が「拘留」と「抑留」とは同じだと語った。それは間違いである。「抑留」とは第二次世界大戦中のシベリアでの出来事だけに使われる用語である。そのことを忘れないために再販されていると思う一冊。貴重な歴史資料として読み継がれることを祈っている。
 強制収容所での体験、語ってはならなかったこと、語りえないことをどう伝えるか、考えさせられる。

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引き出しに夕方をしまっておいた

2022/10/22 16:35

間(あわい)の時間

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

私もやはり若いころ、葡萄色の夕暮れを心の引き出しにしまった記憶がある。
夕方、それは学校や職場から解放されて自分だけでいられる時間だ。それに家庭での
役割も果たさなくてよい自由な時間。ぽっかり空いた時間。
 そうした間の時間帯に日常生活では表現し尽せない本当の自分が現れる。それは
おどろおどろした血みどろの世界かもしれず、切ない思いかもしれない。
 この詩集は、多くの隠された自分を発見しようとしている読者自身の夕方を思い出させてくれる、大切な一冊。できれば同じ著者の『採食主義者』も併せて読むと、もっと
理解が深まるだろう。

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ギーターンジャリ

2022/05/28 20:32

とても素朴で優雅な詩集

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

タゴールは有名だけど、名前を知っているだけで、もう読んだ気になっていた。イギリス統治時代のインドで、最上級のバラモンの家庭に生まれた人だ。父親も祖父の立派な業績を残している。しかしその詩は難解ではなく、平易な言葉で敬虔な祈りを捧げている。
 裕福で何一つ不自由の無い生活の中でも生老病死の憂いはあって、だけれどもそこを乗り越えて書かれた長編詩である。
 ちなみに、この詩の旧訳はhontoの電子書籍(無料)で読むことが出来る。青空文庫に収録されている。また、英語版も何種類かのeーbook(無料、オンライン)でも読むことができる。
 無駄に乱雑な言葉が増産される昨今に、是非味わってみたい素朴で豊かな詩である。

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文語訳舊新約聖書(小型 JL44)

2021/12/27 22:45

老眼に優しい新版

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

今から40年前に購入した同じものが古びて草臥れてしまったので、これを購入。やはり同じく二段組っだった。格調ある訳文もさることながら、文字が旧版より大きく読みやすい。高齢者に有難い一冊です。

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天女銭湯

2021/08/18 23:33

銭湯文化

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

この絵本を購入したのは、まず韓国語を学習しようと原文版を手に入れたから。
 以前に別の訳者による「長寿堂の仙女さま」が出版されている。この題の方が原文に忠実。長寿堂という銭湯のお話。銭湯があるのは、日本と中国と韓国くらいだろうか。それぞれ少しづつ違いはあるけれど、本質は同じ。今は古いタイプの銭湯はいずれも高齢者の交流の場である。すこしボケかけたおばあちゃんが、みず風呂で遊んでくれる。新しいタイプのスーパー銭湯には無い風情がそこにはある。
 ある程度年配の日本人にとって、懐かしくて不思議なものがたりだ。絵も少し不気味でリアル。こんな作家がいたのかあ、と感心した。

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旅したい!おいしい浮世絵 アンコール放送

2019/05/31 14:20

十分堪能できる入門書

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

所謂「和食」がユネスコの向け異文化遺産に登録されたことを受けて番組が作成され、今年また再放送されたもののテキストである。
 わざわざ美術館や博物館に足を運ばなくても、美味しくて美しい浮世絵が鑑賞できる。それだけでも十分価値があると思う。勿論テレビも視聴すればシナジー効果も期待できる。普段浮世絵に触れる機会の無い人にとっては、格好の入門書だと言えるだろう。
 しかしそれだけではなく、浮世絵をはじめとして、江戸時代の文化や食生活、女性の風俗に関心のある方にとってはうってつけの素材である。また趣味を超えて、美術史や江戸文化を学ぶ学生さんのレポート作成にも役立つのではないだろうか。巻末に参考文献が挙げられていればもっと貢献度が高くなるだろう。

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遠い山なみの光

2019/04/30 15:57

翻訳の問題

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

決して誤訳ではない。しかし何かが違う。
 以前購入したこの本を原文片手に読み返している。のっけから仰天した。
訳文では、「ニキ、」で始まる冒頭の一文を読むと、これはニキという人物に語りかけているのだと錯覚してしまう可能性がある。勿論そうっではなく、読み進めれば、語り手の下に娘の名前がニキなのだとはっきり分かる。しかし原文では、”Niki,the name we fainally gave my younger daughter, is not an abbreviation.”となっており、Niki = 下の娘の名前、ということが最初から明白で誤解の余地がない。
 訳者が「私たちが最終的に私の下の娘に付けた名前は…」と書かなかったのは、日本語の文章としてはくどくてもたついてしまい、読者の読む気を削ぐだろうと懸念したからに違いない。
 ノーベル賞作家の作品で、今なら何か国語かのテキストが手に入るだろう。10連休等でたっぷり時間があるのなら、比較対照しながら読むというのも、贅沢な楽しみかもしれない。

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作家たちの愚かしくも愛すべき中国 なぜ、彼らは世界に発信するのか?

2018/11/30 13:38

極めて真摯

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

小説では得てして「愚かしくも愛すべき」人間像が描かれるが、書いている党の作家たちは決して愚かしくない。この本に取り上げられている高行健たちは、きわめてま真面目に、素面で「今この時代に文学はどうあるべきか」を語っている。古来より政治と文学が不可分である中国では当然のことかもしれない。かつて「文学は飢えている子供を前にして有効か」と問うたフランス人を思い出してしまった。高氏はフランス生活が長い。作家が亡命しなければならない時代や国が今でもあるのだ。
 やや硬派かと思われる書籍だが、今が旬の中国人作家たちの日本文学に対する評価も伺えて興味深い。彼らが三島由紀夫や川端康成、村上春樹をどう読んでいるのかよく解り、日本の小説に対する新たな視点を提供してくれる。
 中国現代文学アジアの文学に関心のある方、日本と中国の文化を比較研究を試みたい方には必読の書であろう。

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CNN ENGLISH EXPRESS (イングリッシュ・エクスプレス) 2023年 05月号 [雑誌]

2023/04/15 18:41

英語学習雑誌とは

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

この雑誌は、自分に刺激になるよう、年に一冊か二冊購入している。今回購入したのは、表紙を飾る女優さん(インタビューの紹介ではactressではなくactorとなっていることに注目)が大好きで昔からファンで、彼女の声を聴きたいと思ったから。
 英語学習月刊誌はこのCNN English Expressだけになっているようで、読者離れなんだと思う。出版社が勧めるように定期購読しても消化しきれない内に雑誌が溜まってしまう。
 でも、或る程度学力のある人には刺激になるので、自分の都合や興味に合わせて時折利用するのがいいと思う。

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