まりもさんのレビュー一覧
投稿者:まりも
暗夜鬼譚 1 春宵白梅花
2019/07/10 00:34
あやしあやかし平安怪奇青春譚
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
『ばけもの好む中将』を手がける瀬川貴次が、1994年から発表した暗夜奇譚シリーズの第1巻の新装版です。
元々はライトノベルとして発刊されたものですが、時代物にもかかわらず読みやすい文章に、個性あふれる魅力的なキャラクターたちと、瀬川貴次作品の醍醐味が詰まったシリーズだと思います。
舞台は、平安遷都から百五十年後の平安京。華麗なる王朝文化と闇にひそむ妖しが紙一重で存在する世界。
近衛府の新人・大江夏樹は、慣れない職場、同僚からのいじめ、上司のセクハラに悩まされながらも、仕事に慣れようと頑張っている最中。そんな時、宮中で殺人事件が起こります。その犯人は、なんと「鬼」。そして、馬の頭を持つ地獄の鬼や、絶世の美貌を持つ謎めいた陰陽生・一条との出会いをきっかけに、夏樹は次第におどろおどろしい怪奇に巻き込まれていくのです。
事件自体はとても凄惨なのですが、その根底にあるのは人間の悲しみと強い願い。とくにこの1巻の真相はとても心に響きました。
また、この物語は夏樹と一条の成長物語でもあります。シリーズを通してさまざまな怪異に出会い、人に出会い、理不尽な運命に打ちのめされ、戦いながら、夏樹と一条の二人も次第に成長し変化していくのです。
また、登場キャラも次第に個性豊かになっていき、特にこの後から大活躍することになるこの作品の「ヒロイン」や、自称・愛の狩人な「あのお方」など、強烈な人物が目白押し。彼らのコミカルなやりとりが物語の陰鬱さを救ってくれます。しかしこの1巻目では、キャラクターも全体的におとなしめです。なので、1巻を読んで物足りないと思った方はぜひ2巻目以降も読んで欲しいです。
さらに既刊ファンにも嬉しいことに、書き下ろしの新作ショートストーリーがあります。作品のファンとしては、新しい暗夜鬼譚の物語が読めたことがうれしかったです。
ぜひとも全巻復刊をお願いします。もう少し刊行ペースを早くしてほしいですね…。
応天の門 15 (BUNCH COMICS)
2021/12/31 06:53
嵐の前兆…
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前半はややコメディチックな薬にまつわるお話。久しぶりの登場となる宣来子ちゃんと白梅のやり取りが明るく楽しいです。平安時代の医療事情も興味深く面白いですね。今回登場した女医さん、再登場してくれるといいな。長谷雄についての掘り下げもあり、彼がより好きになりました。
そして後半、ここで承和の変が絡んでくるとは…。無念の死を遂げた父を思い複雑な業平と、橘逸勢の真筆に喜び唐に憧れる道真の対比が残酷です。
ですが、恒貞親王のことを必死に業平に頼む道真に、彼の変化と成長が現れていて、ぐっと胸に迫りました。話全体に緊迫感が漂っていて、いよいよ嵐が近づいてきたのかと身構えてしまいます。
出来るだけ長く、この道真と業平を見ていたいのですが…次巻も楽しみです。
東京エイリアンズ 3 (G FANTASY COMICS)
2021/12/31 06:19
手に汗握る熱血アクションコメディSF
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表紙は主人公・晃くん!彼にしては珍しい表情ですが、今巻の内容を読むとぐっときます。
相変わらずの美麗な絵とともに、内容もさらに面白くなっていますね。明かされる謎とスピーディな展開、初お披露目な晃くんのバトルシーンと、見ごたえたっぷりです。なにより、天空橋くんの秘密にはびっくりしました。
二人の仲が深まると同時に、さらに二人にまつわる謎も深まっていき……真相が気になります。雨宮さんも天空橋くんも、そして晃くんさえも、様々な秘密を抱えているようで、続きがとても楽しみです。
東京エイリアンズ 2 (G FANTASY COMICS)
2021/12/31 06:01
謎が深まるスタイリッシュアクションSF
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表紙の雨宮零士が美しい第2巻。相変わらず、絵が本当にきれいでカッコいい!
ストーリーも面白いです。主人公・郡司晃と天空橋翔の二人が警護の任務を引き受けたのですが…あまりに衝撃的な引きで終わります。本当にほんとうにびっくりしました。これから読まれる方は、ぜひ3巻も同時に購入されることをおススメします。
さらに大筋の物語の方も、主人公を取り巻く謎が一つ分かると、また一つ謎が増えるという展開です。じれったくもありますが、話の奥深さにぐいぐいと引き込まれていくのが心地いい。早く続きが読みたい!と思う作品です。
暗夜鬼譚 9 空蟬挽歌 後
2021/12/24 21:01
怒涛の展開・衝撃の終幕
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前巻から引き続き、激動の巻でした。大宰府から都、さらに冥府までをも巻き込んで、嵐のような展開が続きます。
注目すべきはやはり藤原久継でしょう。前・中巻では謎の多いキャラでしたが、後巻にて彼の過去が描かれたことで、彼の抱えてきた鬱屈や怒りがなんとなくわかるように思います。
どうにもならない現状や理不尽な出来事に対し、悔しさや怒りを抱きつつもなんとか飲み込んで生きていこうとしていたのに、焔王と出会い、力を手に入れ、大切な人を失ってしまったことで箍が外れてしまった。いわゆる「無敵の人」になってしまったその心情には共感できる部分もありますが、もっと良い選択はできなかったのかな。
夏樹と一条も終始振り回され続けましたが、最後に一矢報いましたね。ですが夏樹にとっては…。辛く悲しい物語でしたが、重苦しい内容を明るくしてくれたあおえに癒されました。
いろいろと謎が残る終わり方でしたので、次巻を待ちたいと思います。
暗夜鬼譚 8 空蟬挽歌 中
2021/11/07 06:15
一条と夏樹の想い
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前巻は、まさか「嘘でしょう…?!」と読み終わったときに声を出してしまうほど衝撃的な結末でした。
これからどうなるのか…と不安を覚えながら読んだのですが、一途に親友を想い、とんでもない行動をとる夏樹と、不器用ながらも無鉄砲な友を思いやる一条に心打たれました。二人の強い絆と友情は本当に素敵だと思います。
そして、重苦しい内容に、笑いと明るさを与えてくれたあおえの存在に癒されました。良くも悪くもムードブレイカーなので、あおえのコミカルな会話やしろきとの漫才みたいなやりとりが面白かったです。また冒頭の「あおえによる人物紹介」も、前巻とはちょっと違っていてよかった。おちゃらけているかと思いきや、意外と鋭い人物評なのが興味深いですね。
一方で、夏樹に大きな影響を与えている藤原久継。これは…魅力的で破滅的で、好きになっても近づいてはいけないという、ある種の危険な『良い男』ですね。彼の存在も次第に不気味になっていており、これからの展開が非常に気になります。
今巻もおまけに書き下ろしの短編小説、あおえを主役にした『閻魔堂詣で』が掲載されています。本編の重苦しいムードを軽くしてくれる楽しいお話でした。
次巻ではどう決着がつくのか……目が離せません。
破壊神マグちゃん 6 (ジャンプコミックス)
2021/11/05 21:36
神々の戦い、そして……
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邪神たちとニンゲンたちのハートフルコメディ、第6巻。
どのお話も相変わらずとても面白いのですが、この巻で注目すべき内容は第50話から第52話までのミュスカー戦でしょう。
対立するマグ=メヌエクに対し、ついに本格的な戦いを挑んできた第3柱『運命』のミュスカー。
新たなる邪神・第6柱『夢幻』のノス=コシュも加えた戦いに、第1柱『破壊』のマグ=メヌエクはどのように立ち向かうのか。
これまで丁寧に紡がれてきた物語や各キャラクターのエピソードが、ミュスカー戦のラストに向かってきれいに収束していく様は、あまりにも美しく見事でした。いったいどこまで計算してストーリーを考えているのか、作者の構成力の高さに感服します。
加えて、ミュスカーの過去についてもコミックスで加筆されており、彼の嘆きも想いもより深く伝わりました。
ですが、シリアスになりすぎないところがこの作品の魅力ですね。なんとも「らしい」結末に、最後はくすりと笑えます。『破壊神マグちゃん』を読むのであれば、ぜひこの巻までは読んで欲しい。緩い笑いとシリアスさ、楽しさと切なさのバランスが絶妙な、心がほんわりと暖まる素晴らしい作品です。
東京エイリアンズ 1 (G FANTASY COMICS)
2021/09/04 01:21
美麗なイラストとスリリングな内容のSFアクションコメディ
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エイリアンと人間が共生するという設定、謎多き組織と魅力的なキャラクター、一見平凡かと思われるが実は…な秘密のある主人公と、少年漫画ではありがちでどこか既視感のある内容ですが、スピード感のある展開とキャラの表情がとても良いです。
何より絵が美しい。タイプの異なるカッコいいイケメン達が登場するので目の保養になります。シリアスの中にもギャグシーンが効果的に挟まれ、緩急のつけ方も絶妙です。キャラが若干薄いように思えますが、まだ序盤なのでこれからに期待。
破壊神マグちゃん 5 (ジャンプコミックス)
2021/08/23 06:57
カワイイ邪神とニンゲンたちに次なる試練が?!
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すっかりニンゲン社会になじんできた邪神たち、愉快な仲間とともにいっそう楽しく、賑やかになっていきます。そして新キャラ・閼伽村先生が登場しました…が、このキャラがまた濃い。イズマ君と並ぶくらい強烈な個性で、「そういえばこの漫画、クトゥルフ神話がモチーフだったな…」と思い出させてくれるキャラクターです。
ですが邪神たちも負けてない!すっかりバイト生活に染まったナプタくんが家出をしちゃうお話や、ウネさんが企んだり戦ったりしちゃうお話など、ますます面白いですね。
これまで丁寧にキャラの描写やエピソードを積み重ねてきたからこそ、ファンの心に響く、読みごたえのある物語になっています。特に、今巻のラストエピソード『灯火の消える日』は、流々ちゃんにとっても読者にとっても印象に残る素晴らしい内容でした。
加えてコミックスだけの『オマケページ』が最高に良かったです!!描き下ろしイラストはもちろん、表紙裏のアレは、ナプタくん好きにはたまらないオマケとなっています。
次巻も楽しみです。
暗夜鬼譚 7 空蟬挽歌 前
2021/08/17 00:46
衝撃の……!!
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「えっ?!嘘でしょう?!」と、読み終わったときに思わず叫んでしまいました。新しいキャラや謎めく怪馬も、大変に魅力的なのですが、衝撃のエンディングにすべてを持っていかれた感じです。夏樹と一条、どうなってしまうのでしょうか。
未読の方は、次巻まで一気に読まれることをお勧めします。
あおえのコミカルな人物紹介と書き下ろし短編が嬉しい。夏樹と一条の穏やかな日常が癒しです。
破壊神マグちゃん 4 (ジャンプコミックス)
2021/08/17 00:24
キモカワ邪神とニンゲンたちのどたばたコメディー新展開!
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ニンゲンたちと邪神たちもすっかりなじんだハートフルコメディ、第4巻は波乱の回です。
新入りの邪神がなんと3柱も!個性的でカワイイ邪神2柱に加え、マグちゃん&流々コンビと対立する新たな邪神の登場です。
この異質なキャラが加わることで、日常ほのぼのコメディはそのままに、良い意味で緊張感が漂うようになりました。
さらに唯歌&桔梗の掘り下げもあり、よりキャラクターと物語に深みが増してますます面白くなってきています。
どのエピソードもきれいにまとまりつつ、細部にわたって丁寧につくられているため、一話ずつ読んでも全体で読んでも読みごたえがあります。
伏線もたくさんあるので、考察好きの方にもおススメです。この穏やかでたのしい世界が少しでも長く続いてほしいですね。
破壊神マグちゃん 3 (ジャンプコミックス)
2021/08/07 21:01
キモカワ邪神と少女の絆に胸を打たれる物語
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田舎町を舞台に邪神たちとニンゲンの心温まる交流を描いてきた本作。第3巻には、これまでの集大成ともいうべき、24・25話「北風と太陽」が収録されています。
ここまで明確に描かれていなかった主人公・流々のバックボーンが判明し、彼女の内なる想いに触れるとともに、丁寧に紡がれた破壊神・マグ=メヌエクとの交流があたたかく響いてきます。
「あたしのせい」と言い続け、どこか自罰的な流々に対し、「貴様はもっと望んでいい」と彼女の願いを全力で叶える破壊神。普段はかわいらしいマグちゃんの、神としての威厳と器の大きさにに感服しました。かっこいいよマグちゃん!一人と一柱の間に築かれた絆と親愛を感じる素晴らしいエピソードでした。
他にも、ナプタくんの眷属・ヤドカリたちが活躍する19話や、三邪神たちが飲み会をする21話、ナプタくんが破滅しかける23話など、コメディ部分もしっかり笑えて楽しめます。
すっかりギャグ担当なったナプタくんにイズマくん、常に話をひっかき回すウネさん、不憫&ツッコミ担当の錬くんなど、キャラクター達も固まってきて賑やかです。
彼らの穏やかで楽しい日常が愛おしくなります。
破壊神マグちゃん 2 (ジャンプコミックス)
2021/07/23 20:48
キモカワ邪神とおくる日常コメディ
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邪神と愉快なニンゲンたちのゆるふわ日常ギャグコメディ、第2巻もほっこり笑ってほのぼの癒されます。
見どころは何といっても新登場の第三の邪神・ウーネラス!クリオネモチーフの女性的な神様ですが、その中身はまさに邪神。なんとも強烈なキャラクターで、生真面目でファンタジー界に生きる聖騎士団の少年・イズマ君とのコンビが上手く嵌まっています。ウネさんが毎回魅せるコスプレも見所です。
ニンゲン側にも新しいキャラクターが増えて、ますます賑やかになりました。今巻にはちょっとひっかかる性格のキャラもいますが、話が進むと好感を持てるようになるので、ぜひ次巻も読んでみてください。
また、前巻では大変なことになっていたナプタークも、錬くんとコンビを組み新しい生活がスタート。彼がニンゲン社会に少しずつ馴染み、成長していく姿はじつにおもしろいですね。この作品の見どころの一つだと思います。
物語も相変わらずクオリティが高いです。どのお話も安心して読むことができます。2巻では特に、マグちゃんと子犬のチヌの第15話や流々ちゃんの看病をする第16話がよかったです。
一話一話の完成度が高く、笑って楽しめるギャグ回あり、じーんと感動するハートフルな回あり。かと思えば、作品全体にちりばめられた伏線や細かい部分へのこだわりなどが隅々まで行き届いていて、長編として読んでも大変面白い作品です。
破壊神マグちゃん 1 (ジャンプコミックス)
2021/07/17 18:48
キモカワ邪神に癒されるほのぼのコメディ
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復活した破壊神・マグ=メヌエクと、たまたま彼を拾った女子中学生・宮薙流々が、自然豊かな田舎を舞台に日常を送るコメディ作品。激しいバトルや重い展開はありませんが、現ジャンプに颯爽と現れた清涼剤です。
邪神たちがとにかくカワイイ!マグちゃんをはじめ、個性的でキモカワな邪神たちがすさんだ心を癒してくれます。人が死ぬマンガが苦手な方や、マンガをあまり読んだことのない初心者にもおススメです。
個人的にはナプタークが好き。1巻ではちょっとアレな感じですが(笑)あんなに魅力的なヒトデはいない!彼の成長と今後の活躍に注目です。
話の完成度が高く、構成や伏線回収も丁寧なので読みごたえがあります。寝る前に読みたい、ほっこりと心なごむ作品です。
ばけもの好む中将 10 因果はめぐる
2021/01/03 20:59
嵐のような展開
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今巻はばけもの探しの怪奇譚よりも、物語の根幹が動く重要な回でした。さまざまなキャラクターに変化が起き、情報の多さに振り回されます。さらに、多情丸・狗王といった闇側の人物にもスポットが当たり、物語の深みが増す回でもありました。
宗孝と宣能の間に変化が起きましたね。宗孝は今回が一番大変な目に合っているのかも。ですが、宣能を思いやる優しさと守ろうとする強さに、彼の成長を感じました。一方で宣能が不安です。彼の決意が悪い方へ行かなければよいのですが…。どうか幸せになってほしい…。
春若と初草も、それぞれに進展がありますし、切なさ十二人の姉君たちも、物語の要所でしっかりと活躍します。中でも十郎太の謎が!
これからも目が離せません。次巻も楽しみにしています。
