隣でジントニックさんのレビュー一覧
投稿者:隣でジントニック
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パイド・パイパー 自由への越境
2019/09/21 08:50
年齢を重ねて身についた「忍耐力」が、子供たちを苦難から救う。
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第二次大戦下、傷心旅行でフランスを訪れた英国人の老主人公が、英国に帰国する道すがら出会った幼児たちを「人として当然のこととして」引き受けていく。予想外の戦況悪化により数々の困難に直面する老主人公に人並以上の勇気や洞察力はないが、危機に直面するたび「長い人生で辛苦を重ねたからこそ身についた忍耐力」を発揮する。そうすると人々の警戒心や敵対心の裏に隠された善意が引きずり出され、老主人公に進むべき道を示すのだ。この本は、老いることで獲得できる忍耐力こそが年寄りの強みでもあることを教えてくれる。いろいろな読み方はあろうが、この作品は冒険小説というよりも、(私のような)中高年者が老いに向かっていく上での参考書としてお勧めしたい。
ところで、一行が出会うフランス人は押しなべて初対面ではちょっと意地悪であり、ドイツ軍兵士はみな高慢ちきだ。しかし老主人公が忍耐力で接するとフランス人もドイツ人も同じように温かい心を覗かせる。誰もみな本当は優しい人間でありたいのだ。人間の本性に対する作者の信頼感が感じられる。一方で、フランス脱出の土壇場で一行を捕らえたドイツ軍将校は、兄が燃え上がる戦車から脱出し投降しようとしたところを英軍兵士に射殺されたことを老主人公に明かす。英国人作家による英国人主人公の物語でありながら、戦場での英軍の卑劣さを描くことを厭わないところに、英国文学の懐の深さを感じた。
バリュエーションの教科書 企業価値・M&Aの本質と実務
2019/07/13 10:54
なるほどそういうことだったのか、と納得。
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会計も税務もからきしダメな私が、企業財務評価のポイントを安直に理解したいと思い、ブックレビューを頼りに読んだ数冊の書籍の中で、本書がダントツに有益でした。なぜ債務超過でも超優良企業と言われることがあるのか、なぜ米国会計ではのれんの規則的償却に否定的なのか、この本を読んで自分なりの答えを見つけることができました。
無形資産が経済を支配する 資本のない資本主義の正体
2020/03/21 18:43
存在感を増しつつある無形資産の特徴を分かりやすく整理
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企業業績を左右する重要な資産なのに、貸借対照表などの開示資料には一部分しか姿を見せない無形資産に関する、入門編的概要書だと思います。実像を捕らえきれない相手だけに、この本の中で何らかの明確な答えが示されている訳ではありません。それでも、読者はこの本で示された無形資産の特徴を頭におくことで、無形資産に対する理解をさらに深めることができるのではないでしょうか。
ボートの三人男 改版
2019/09/21 08:48
美しいテムズ川のボート旅で展開される懲りない一行の珍道中
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憎めない程度の毒に恵まれた3人と1匹がテムズ川中流を遡っていくボート旅。イングランドらしい川面や岸辺の風景描写がとても美しく、一行の間抜けな魅力をとても際立たせている。
この本の登場人物と登場犬は、こだわりが強いくせに思い付きで行動し、自分の失敗はいち早く他人のせいにし、誰かがやらなければならない仕事は誰かに押し付けようとし、やみくもに吠え立てて存在感を誇示する。でも誰もがそういう部分を持っているのが我々の現実。
どこにでもいそうな反省の足りない一行の、どこにでもありそうなドジな話に、きっと読者は昨日の失敗を慰められる。雨のラストシーンも「人生こんなもの」と思わせて良い。
失敗の本質 日本軍の組織論的研究
2020/04/30 20:01
多くの人が必読書として挙げているので、いつか読もうと思っていました。
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膨大な実証研究による労作です。
そこから浮き上がる「失敗の本質」に十分納得しました。
なぜ日本人は今も同じ過ちを繰り返すのか。
そこを知りたいと思いました。
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