Yoさんのレビュー一覧
投稿者:Yo
共産主婦 東側諸国のレトロ家庭用品と女性たちの一日
2019/07/25 00:50
主婦の一日
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旧共産圏の主婦の一日を、その国にちなんだ人形と当時の雑貨で再現するという、一風変わった本。
ただの雑貨本と違って、雑貨を生活のなかにきちんと位置づけていて、その来歴がわかるのがよい。
旧共産圏のモノの色づかいとかデザインは、今、一周回ってよい感じがする。
離陸
2019/07/24 22:16
醍醐味
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絲山秋子さんは『ばかもの』を読んで以来好きな作家ですが、今回の長編も傑作でした。
「heureuse,malheureuse」(幸せ、不幸せ) とつぶやくヒロインのイメージが美しいです。 読後、もやもやと残る説明できない何かを、いつまでも胸の中で転がして愉しむという、小説の醍醐味を味わわせてくれる作品です。
写訳春と修羅
2019/07/24 08:34
言葉でできている世界のそれ以外
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宮沢賢治の『春と修羅』(他三編)を,写真に「訳す」という試みの本です。
何か名状しがたいものを言葉にするのが文学ならば,逆に言葉を他の何かにすることだってありなわけです。
病床にある妹を静かに見つめる,あるいは愛する者に花を贈る,落胆する友人に,かける言葉もなく肩をポンと叩く,生まれたての赤ん坊を母親が抱く,「世界は言葉でできている」のかもしれないけれど,無言のうちに,言葉以上に雄弁に語られるものもあります。
表現について,見えるものと見えないものについて,対象と空間の切り取り方について,この本から深く感じることがありました。
聊斎志異 上
2019/07/19 20:38
毎晩ちびちび読みました
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中国の百物語?アラビアンナイト?マジックリアリズム?カフカ的でもある。めちゃ面白い。
基本は怪異譚なのだけど、がちホラーもあれば、一大スペクタクルや恋愛物もある。けど、そのどれもが今の感覚からするとどこかズレた展開をするので、一編一編に驚いたり「それでいいんかい!」というツッコミを入れたくなったり。
「席方平」という話で、二郎神(封神演義の楊ぜん)が、あの世で職権濫用しまくってる閻魔大王をこらしめる話がよかった。あと「しん后」で、しん夫人が出てきて曹操をあまん呼びするのも笑った。もっと中国史を知っていたらより楽しいんだろうなあ。
※「レビュー内容に使用できない文字が含まれています。」とのことで,一部ひらがなにしています。
地獄
2019/07/25 09:16
癌のしぼり汁
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小説には「のぞき文学」というジャンルがあるのではないかと思っているのですが、本書はその筆頭。そして読書という行為自体が、実は「のぞき」であるということだよな。メタ文学の先駆けでもあるのかな。
後半の呪詛の塊のような主人公の吐露もおもしろいけど、前半が秀逸だなあ。癌のしぼり汁から上質のシャンパンが作れる、というのは本当かな?
さわるめいろ 1
2019/07/25 09:14
素晴らしいデザイン
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点字が迷路になっていて、視覚障害のある子もそうでない子も触って楽しめる本。
何気に、色盲の人への配慮も。
遠目にはわからないけど、すてきなデザイン。
百物語
2019/07/25 09:09
ベスト
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江戸を舞台にした掌編怪談集。この作者の漫画を初めて読みましたが、傑作すぎますね!これまで読んだ漫画の中でもベストかも。小説でいうなら行間のような、描かないで描く余白の活用が凄いと思いました。
「地獄に呑まれる話」や「他人の顔の話」など心底ぞっとするものもあれば、齢を重ねた猫が人間の言葉を一言しゃべるだけという、のほほんとした話もあります。理由もない解決されることもない、理不尽で不可解で、ちょっと怖かったりおかしかったり哀しかったりする怪談の世界にすっかり引き込まれました。
行人 改版
2019/07/25 09:07
深読みできる
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弟を使って妻の心を知ろうとした兄。弟はそんな兄を批判しつつ、知人を使って兄の心を知ろうとする、という構成に見るように、実はこの小説で一番信用ならないのは、他人のこと以上に自分のことをわかってない、語り手である弟なんだと思いました。
最後の恋人
2019/07/25 00:47
不思議な力
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この小説を読んでいる間、幸せでした。物語的なカタルシスを求める人には向きませんが……。
読みふけっていて、ふと顔をあげると今まで見ていた現実がすっかり変わってしまっているような、そんな力のある小説でした。
虞美人草 改版
2019/07/25 00:40
絢爛
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技巧的で美辞麗句の散りばめられた華やかな文章が、はじめは読みにくかったけど、だんだん楽しくなってくる。漱石はこんな作品も書いていたんだなあ。人物造形も割にシンプルで、前期・後期三部作とはだいぶ雰囲気が違うけど、これはこれで素晴らしい。
門
2019/07/25 00:36
前期三部作のなかで一番いい
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確かに地味でくすんだ色調の、まるで正気を消していくような作品ですが、好きなものは好きなんです。
それにしても、「時がすべてを解決する」っていうのは嘘っぱちで、時とともに重くのしかかってくるものも多いよな、などと思います。
それから 改版
2019/07/24 22:18
いつから?
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自由を謳歌しているようで自縄自縛。自分に誠実でないものは、決して他人に誠実であり得ない、とはいうものの、主人公は本当に「自分に誠実」だったといえるのかな。
新13歳のハローワーク
2019/07/24 08:42
作家
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いろいろとおもしろくて、話題になったのもなっとくの良書だと思いました。とくに興味深かったのは「作家」の項目。引用します。
「作家は人に残された最後の職業で、本当になろうと思えばいつでもなれる(…)服役囚でも、入院患者でも、死刑囚でも、亡命者でも、犯罪者でも、引きこもりでも、ホームレスでもできる仕事は作家しかない。作家の条件はただ一つ、社会に対し、あるいは特定の誰かに対し、伝える必要と価値のある情報を持っているかどうかだ」
というのを読んで、少年Aのことを考えるなど。『絶歌』読んでないですけどね。彼はもう作家くらいにしかなれないのか。
沖縄彫刻都市
2019/07/24 08:32
名護市庁舎すごいよね
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コンクリートブロックをキーワードに,沖縄の歴史,建築,都市,芸術を概観する本です。あるいは,沖縄におけるコンクリートブロックというモノに纏わる,ほどきようもない因果の糸についての本とも言えます。
こういう,1つのモノを突き詰めることで,いろんなことを見いだす本は大好きです。
