やしのみさんのレビュー一覧
投稿者:やしのみ
| 1 件中 1 件~ 1 件を表示 |
統合失調症
2020/01/13 13:06
今まであまり読んだことのない統合失調症の本。
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
統合失調症について,悲観しすぎることなく,楽観しすぎることなく,誤解を生む可能性のあることに蓋をすることなく,現時点で示し得る様々なデータに基づいて,淡々と説明がなされている。
一方,今まで読んだことのない統合失調症の本である。
まず,そのデータを示す切り口がユニークであること,さらに,歴史的,社会的,宗教的(ラプチャーの話や,じぶんが死に至る時のお迎えは,阿弥陀が何人の観音をひきつれてやってくるか,等)な背景と絡めて説明がなされていることも興味深い。また,著者が普段の診察において,どのように統合失調症をお持ちの方と向き合われているか,ということも容易に伝わってくる。これらのことが,今まで読んだことのない統合失調症についての著書だと感じる要因に思う。
精神科医療従事者(臨床心理士)ですが,恥ずかしながら,自分の理解が及んでいなかったことも多々あり,反省しました。この理解をせずして,援助に携わっていたことに,申し訳なさを感じました。統合失調症が辿ってきた歴史をしっかりと自覚しつつ,「統合失調症は普通の病気である」ことを,まだ解明されていない部分も含めて,正確に伝えられる専門職でありたいと思いました。
統合失調症の方に関わる対人援助職の方はもとより,ご家族の方にも,また,この病気をご存じない方にも,ひろく,多くの方に読んでいただきたいと願います。
統合失調症は,セイリエンス症候群(今回はじめて知った用語です)であるという理解に至ることは,社会から統合失調症へのスティグマをなくしていくことにつながります。そして,そのことが,統合失調症の予後にも大いに影響するといわれています。
現段階で,統合失調症を正確に理解するための最良の著書である気がします。
| 1 件中 1 件~ 1 件を表示 |
