げんくろうさんのレビュー一覧
投稿者:げんくろう
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幸福と人生の意味の哲学 なぜ私たちは生きていかねばならないのか
2020/01/29 22:00
言葉にならない…
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
はじめは、中島岳志さんの推薦、とあり手に取ったのがきっかけでした。本書は、著者の熱い想いに貫かれた、そして、著者の生に裏打ちされた、机上の哲学とは異にする世界へ誘う、素晴らしい一冊だと思います。同世代ということもあるのでしょう、末尾で書いておられる内容に頷くものが沢山ありました。また、本書で引用されている著書に興味が引かれ、数冊購入しました。要所要所では、哲学書ではなく、文学作品や短歌を取り上げているところ、語り得ないことへの敬意は、愛読している若松英輔さんとも親いものを感じました。何よりも専門用語で煙に巻くことをせず、読者との対話を重視されていることに心撃たれました。一人でも多くの方に読んで頂きたいと思います。
哲学の先生と人生の話をしよう
2020/04/26 00:16
後悔しません。
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
スピノザの解説をTVでしておられるのを拝見してから、『暇と退屈の倫理学』を読み、付箋を貼りすぎて最早どこに心打たれたのか分からないほど没頭したことがある。
本書の最も面白いところは、相談者が『何を語っていないか』を丹念に解き起こし、時には厳しく、時には優しく、あくまでも誠実に回答しておられるところにある。巻末の解説にあるようにアクセルの踏み込みが予測出来ない。一見、同じような相談内容に見えるのだが、相談者の置かれている環境や気質を踏まえて、それぞれ回答が異なるところは、圧巻である。哲学を実践的に紹介しつつ、『違和感』を大切にするところは自らの生活にも取り入れたいと思った。
天冥の標 2 救世群
2020/04/25 02:31
げんくろう
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2020年4月20日読了。新型コロナウイルスの感染拡大で日本全国に緊急事態宣言が出された中読み進めた。愕然としたのは、本書において日本が感染症対策で先駆的な役割を果たすのに比して、現実の極めて切迫した医療危機と行政の混迷が際立っている点だ。本書が発行されて10年、一体何がこの国を蝕んだのか、そんな事を考えさせられた。著者の先見の明が伺えるのは、日々目にする『分断』。それをも上回るものを見聞きする現実に、いつか希望の灯火が見えることを心から願っている。いくつもの謎と布石が随所に伺え、しかし本書だけを読んでも十分満足の出来る一冊である。
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