びずんさんのレビュー一覧
投稿者:びずん

センス・オブ・ワンダー
2022/07/10 02:18
確か国語の授業で「沈黙の春」を読んで、
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人間の身勝手な行動に憤りを感じたのと同時に、でもどうすればいいのかわからなかった記憶がある。この本は、自分が子どもに戻れるような感覚にしてくれた。私の中のセンスオブワンダーは幸いなことにまだ、生きている。苔という植物の不思議も、昆虫の美しさも、海が少し怖いことも感じているからだ。研究者の人が改めてレイチェルの話に対して心配していることは、なんとなく実感してきた。何故かって、地球の不思議を話すと、大抵の人はどうでも良さそうに私を見るんだ。気づいていないなんて勿体無いなあ

この世にたやすい仕事はない
2021/07/10 17:19
さすがわお仕事小説の津村さん
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主人公がMSWだというところにまで、何らかの意味を受け取ってしまう。短期間で転職しようとも、決して仕事ができない人でないことは、1話目を読めばすぐにわかる。働くにあたって、こなさなければならないことは仕事だけではないのだ。少なくとも自分の生活、職場の人間関係、そして与えられた仕事を同時に処理しなければならない。転職をしやすくなった世の流れは間違っていないと思う。ただ、軽い気持ちで乗り切れるお仕事はそうそうないことは肝に銘じておく必要がある。

どうしても嫌いな人 すーちゃんの決心
2020/08/15 11:28
嫌いな人と折り合いのつけ方を知りたくて
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思わず買ってしまった。嫌いな人がいる場所で文句は言えないし、言わないみんなを見ていると私だけが嫌いだと思っているだけなのかもと考えてやっぱり言えない。家に帰って家族がいれば愚痴のひとつやふたつ話すだろうけど、一人暮らしだったら喋る相手がいない。それでもすーちゃんはきちんと考えて、決めた。嫌いから逃げること。最後のお母さんの言葉、お母さんはみんなああ言う風に応援してくれているんだと思う。

たゆたえども沈まず
2020/07/12 18:12
見るともなしに見て、
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美術の授業で習ったようなゴッホの絵たち。こんな風に、歴史を教えてくれたなら、勉強も楽しいだろう。印象派がどんなものかや、浮世絵の影響力について、日本人として知っておくべき知識な気がする。そしてその素晴らしさを世界に広めてくれた一人に日本人の活躍があったことも。ゴッホ兄弟が一生をかけて生み出したもの、パリへの憧れ、臨場感たっぷりで一気に読みました。

成瀬は天下を取りにいく
2024/03/17 16:22
初めまして成瀬さん、私はびずんと申します。
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ぐるりんワイド見てファンになりました。そのまっすぐ生きている感じ、苦境にも立ち向かっていく姿に、なんだか背中を押されました。都合の悪い部分を切り捨てて、誤魔化しながら生きている大人たちの社会とその一部分として働いている自分が恥ずかしく思えて、ほら吹きでもいいから(友だちさんから聞きましたけれど)一瞬でも本気で取り組む気持ちを、今この瞬間から日本社会が持つべきだと訴えたくなりました。是非とも成瀬さんには、天下を治めていただきたいと思います。応援しています。

街とその不確かな壁
2023/07/05 12:06
後書まで読んで、しばらく経っても
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『街とその不確かな壁』を読み終わったことが、読む前の自分に何か変化をもたらしたかを考えてみたり、感想を考えてみたけれど、なかなか言葉にならない。それくらい自然に、私の中に、この物語があるんだと思う。出版された当時はまだ生きていないのに、今読んでも全然違和感がないのは不思議なことかもしれない。ただ、過去があって今があるから、別に不思議なことでもないのだけれど、時代に影響されない自分の空気を持ち続けていることが、村上春樹なんだと思う。

ライオンのおやつ
2021/03/29 20:01
末期の病気を抱える患者を看取る場所。
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とても重たくて、いうなれば人生の全て、ここで終えるというひとときのお話なのに、マドンナや六花やおやつがなんとも言い難い大切な雰囲気を出してくれている。こうやってまた、私も自分の最期を考える機会をもらう。日本中をひとり旅して、ただ漠然と、おばあちゃんになったら長野か四国のどこかに住みたいと思っている。海は怖いけど瀬戸内は本当に違う海なのを知っている。小川糸さんのサイン付きのこの本は、私の大切な本の一つになった。

よつばと! 15 (電撃コミックス)
2021/03/02 00:33
大好きだ。よつば。もうすぐ1年生だね。
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コロナが終わったら石を拾いに行こうと思う。それから、今を生きる大人たちが、みーんなよつばの周りの大人みたいに、子どもに付き合うちょっとふざける余裕を持てるようになったらいいと思う。とーちゃん、ジャンボを筆頭に本当に素敵な見本。

サロメ
2020/12/13 22:55
『サロメ』が誕生するまでのもうひとつの物語。
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これそのものが、7つのヴェールの踊りのような狂気に満ちた禍々しい雰囲気を出していた。同性愛、兄弟愛、家族愛、尊敬、絆、共依存、愛の形は変幻自在で止まることはない。サロメは高校の時にコントラバスで演奏したことがあるのだけど、とても強烈だったから良く覚えている。あのいやらしいグリッサンド、鬼気迫った踊りの音。まず銀の大皿に生首という衝撃。それを唯一無二の表現で描いたオーブリー・ビアズリーのことは今回初めて知った。今でさえこんな絵を見せられたら多くの人がまず驚くだろう

ぼくたちが選べなかったことを、選びなおすために。
2020/04/18 10:11
人生は自分で選ぶべきもの
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神戸の古本屋さんで出会った本でした。中身も見ずに直感でゲットしたので、幡野さんのことは何も知らなかった。私の祖父2人もがんでなくなった。50〜60だった。そう思い出し始めて、そういえば父がもう直ぐ60歳になることに気がついた。突然不安になったので、読むのをやめようかと思ったけれど、がんに関わらず何か病気になった時には、ただ事実を教えて欲しいと思った。幸いにも私と私の親の関係は良好だ。小学〜高校までは「いい子」だったかもしない。読書は自分の経験しないことを教えてくれる。頭でっかちにならないよう気をつけて。

永遠のおでかけ
2022/12/24 21:55
永遠。それはとても尊くて、恐ろしい言葉。
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「おでかけ」とくっつけるとちょっと身近に感じる。それくらい身近にあるけれど、なかなか考えたくないもの、死。だけど絶対にくる。大切なあの人にもくる。一緒におでかけできないことは、なんとも言葉にできない。ただ悲しいだけじゃなくて、つい思い出し笑いもしたりする。生きていない現実っていうのはある。生きていくことでもある。ミリさんがあまりに自然に伝えてくれる。

氷菓
2022/09/19 23:20
人生薔薇色。高校生活薔薇色。
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薔薇色ってそんないいこと?薔薇色って最初から薔薇色なの?じゃない方があったとしたら。別にそっちでもいいし。でもちょっと薔薇色を味わってみたい。お、いいところにきっかけがあったな。ラッキーかアンラッキーか。たまには試してみようかな。やってみるってのもなかなかいいもんだな。だけど、やっぱり薔薇色は最初からじゃないかもしれない。だから我武者羅に今を生きてみるのもいいかもしれない。

すみれの花の砂糖づけ
2020/11/16 22:25
女同士が好きなとき。
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男の人に隣にいて欲しいとき。夫さんのことを想うとき。自分だけになりたいとき。こんな詩が生まれると思う。「時間」消えない傷が欲しくて時間のことを書くその感覚が本当に繊細で素敵。

キラキラ共和国
2020/09/26 17:54
世界が少し膨らんで、微笑みが増えた。
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人が悲しみや苦しみに出会った時、神様からその人に与えられた使命みたいななんだと思う時がある。私の場合、だから頑張ろうと思う。だけど、それは決して1人きりで乗り越えるべきではなくて、誰かを頼ってもいいし、分けっこしてもいいのじゃないかしら。そうやって広がる世界があれば、キラキラ地球になるんじゃないかしら。

神様のいる街
2020/05/16 21:32
わたしの神様はいるだろうか。
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友だちがきっかけで吉田さんの本と出会うことができた。まだまだ文学や本のことについて詳しくないけれど、私にとって吉田さんの本は手元に残しておきたい一冊に入っている。ゆっくり一人の時間を過ごせた人特有の空気感がたまらなく心地いい。神戸には縁もゆかりもないけれど、旅した時に好きになった場所だから、なんとなく嬉しかった。海側と山側という表現に私もにっこりしてしまう。神戸の元町ケーキのザクロはとても美味しくて可愛い。去年は生田神社の御守りを持っていた。