あずきさんのレビュー一覧
投稿者:あずき
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2020/06/02 20:32
韓国だけの話をしているのではない
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読み進める中で、時にはジヨンとして、時には私自身として、怒りで頭が沸騰しそうになった。そしてその度に、「女性差別なんてしないよ。今の世の中、男も女もみんな平等であるべきだよ。実際、私は女性を男性と平等に扱っている。」なんて軽く言ってのける男性たちにこの本を押し付けたくなった。
でも、その度に頭をよぎるのは、「よほど気心が知れており、納得いくまで議論がてきると確信している男性にしか、私はこの本を勧めることができない。」という考えだ。
この中で語られる差別の経験を、韓国のものと捉えてしまう人、男女共同参画が語られる前の昔の話と捉えてしまう人かいるのではないか?そう思うと、この問題を自分のものとして捉えて互いに議論ができるような関係の人以外に勧めることができなかった。
物語の舞台は韓国だ。キム・ジヨンも韓国人女性。実際、韓国の女性差別の状況は厳しいものなのだろう。だけど、この本を読んで考えなければいけないのは、まずは自分のことだ。それなしにいきなり韓国の女性差別を考えるというのは、ただ問題を遠いところから眺めているどころか、助長しているということを理解できなければお話にならない。
自分が発している言葉や言動は、「女性」という言葉や立場を「人間」に置き換えたときに違和感がないか?
加害者を透明化し、被害者に対処・対策を求めていないか?
差別に不満を感じながらも迎合してやり過ごし、問題の解決に近づく1歩を未来の他者に押しつけていないか?
自らの意識と言動について考え、意思を表明し、知識を広め、議論しより深く考える。
この循環なしに、差別問題を解消することはできない。この問題は、法律や会社・学校のルールを整備しただけで解決できるものではない。
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