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タマミさんのレビュー一覧

投稿者:タマミ

33 件中 1 件~ 15 件を表示

怪談専門誌で「きのこ」特集

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

怪談専門誌のはずのなのに、なぜか今号は「きのこ」の特集。
巻頭で様々なキノコを写真つきで紹介しているのが、まるで生物化学の雑誌のよう。
怪異の象徴としてのキノコや、文芸の中でのキノコの扱いなど、記事も興味深い。

もう一つの特集は英国怪談。
坂田靖子さんの漫画が、ジェントル・ゴーストストリーとして紹介されているのが嬉しい。

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幻想譚かくあるべし

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

紙のコミックスも持っているけど、半額セール中に電子版も購入。
 不思議な術で大富豪や政治家の依頼を解決する「無名師匠」と、複雑な生い立ちの故に彼の弟子となった「無天」の師弟の物語。
 魑魅魍魎やライバル術師と戦う話が多い。といっても、少年マンガ的なバトル要素は薄い、正統派の幻想譚になっているのが良い。
 高橋葉介は小学生のころから愛読している漫画家のひとり。独特のタッチの絵で、ストーリーも上手く、引き込まれる。これからも新作が楽しみ。

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鬼太郎のオリジン

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

説明不要の国民的妖怪マンガ、「ゲゲゲの鬼太郎」の原点。
墓場で生まれた幽霊の子の鬼太郎が、高度成長時代の社会を飄々と生き抜いていく.
一巻から三巻までは連続したストーリー。吸血木、水神、猫娘などのエピソードが交錯しながら展開する。
のちの正義のヒーローではなく、関わる人間を次々と破滅させる冷酷さと、何度も騙されてひどい目にあう間抜けさを併せ持つ鬼太郎。
目玉おやじ、ねずみ男もこのころから登場。
他には、かつては神として崇められながら、零落して困窮生活を送る「物の怪」のキャラが秀逸。

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現代版夢幻紳士

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

往年の名作夢幻紳士の、女性版とも言うべき主人公が登場。
個々のエピソードは、過去作のリメイクが多いけれど、時事問題を取り入れてより現代的になっている。
途中から、レギュラーの少年と少女が登場して、次の世代の物語を予感させたところで幕。
魔実子さんと、「影」との決着がどうなったのか、続きが読みたい。

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美加と境界の神/夢見村にて/悪魚の海 妖怪ハンター稗田の生徒たち

2021/11/01 16:40

待望の完全版

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

諸星大二郎の代表作、妖怪ハンターのスピンオフシリーズ。
単行本では収録されなかった(ページ数の都合だったらしい)エピソードを追加して文庫化。
ずっと読めるのを待っていた作品なので、非常にうれしい。
あとがきによると、続編の構想もありそうなので、ぜひシリーズを再開してほしいです。

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諸星大二郎異界への扉 デビュー50周年記念

2021/02/11 11:07

展覧会に行きたくなった

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

諸星大二郎展の公式図録。
デビュー50周年記念ということで、デビュー作から最新作まで網羅して紹介する、充実の内容。
作品の元になった絵画や資料も掲載されていて、興味深かった。
書き下ろしイラストはアマビエ姫。
展覧会、現物を見に行きたいけど、今の状況が落ち着くまでは、我慢するしかないかな。

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良質な映画ノベライズ

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

映画を観たので購入。

短編コミックの原作を、実写化という形で独自のストーリーにアレンジした映画版。さらにその小説版。
映画の不穏な雰囲気、派手ではないがゾッとする演出を上手く文章化した、良質なノベライズだと思う。

もともと「ジョジョの奇妙な冒険」第4部のスピンオフシリーズだが、実写版ドラマでは「ジョジョ」との関係は描かれない。
(ドラマでは岸部露伴の異能『ヘブンズ・ドアー』は『スタンド』ではなく『ギフト』。)
しかしこの小説版では、「ジョジョ」本編のあれやこれやのネタが登場。映画のこのシーンに絡めてこれを使うのか、とニヤリとさせられる。原作ファンにはうれしい目配せ。

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妖怪ハンターの真骨頂

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

稗田礼二郎シリーズ中の一編で、小説誌に連載された連作。
修験道の禁域で、モノと呼ばれる存在に出会った稗田と三人の男女。
モノに自分の望む名前をつけた三人は、それぞれの願望が叶うのだが…

モノに名前をつけなかった稗田先生も、巻き込まれて事態の収拾に奔走。
この世と幽世の境にあって、守るべき一線を示す姿勢が格好いい。

サブキャラで、モヒカン頭のパンクな宗教家が登場。飄々とした言動が良い。
この人が主役のスピンオフとかも読んでみたい。

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他者の物語を操る者

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ネタバレあり

自分の存在を認識させず、他人の願望や空想を利用する、厄介な能力者が登場。
海賊課のチーフ・バスターの考えた物語が現実化し、敵も味方もその筋書き通りに操られてしまう。

クライマックスは、アプロとヨウ冥の三度目の直接対決。
意識を食うアプロは、かなり最強に近い生物なのでは。

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今だからこそ読みたいSF

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中学生ぐらいのころに読んだシリーズを、電子書籍で再購入。
人類が宇宙に進出し、異星人とも交流する未来を舞台に、宇宙警察「海賊課」の刑事、地球人のラテルと、異星人(見た目は黒猫)アプロ、宇宙戦艦ラジェンドラが活躍するSFコメディ。
自由奔放で無敵なアプロと、振り回されがちなラテル、気位の高いAIラジェンドラの掛け合いが楽しい。彼らと対峙する宇宙海賊、ヨウ冥は、悪のヒーローとしてかっこいい。
キャラクターが中心で読みやすいけれど、シリーズを通して、「意識」と「現実」との関係や、「知性」や「自我」とは、何によってきたるのか、といった哲学的なテーマを扱っている。

以下、ややネタバレあり

この巻では、悪と不正の一掃を掲げる首長候補を巡り、火星の都市を舞台に一般市民(?)と軍隊、宇宙海賊の三つ巴の抗争が勃発する。
タイトルの通り、海賊たちが憂鬱になる。悩む。悪い奴にも心があり、人間性や愛があるんですよ、と言っているようで、実は?……

自分の感じている気持ちは、本当に自分のものなのか。

SNSなどによって、多くの人が感情や思想を容易に共有するようになった、今の時代にこそ読みたい作品と思った。

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山場を迎えた?

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長く続いたエピソードが、この巻でひとまず終幕。
不老不死の鍵となるウイルス「トザクラ」と、ヒロインの1人との関わりが概ね解明された。
「トザクラ」本体を取り込んだ「調香師」の生死は…?
このままクライマックス、とはならず、次巻からは新エピソード。
黒幕らしき人物「先生」と、「調香師」の掛け合いが面白い。

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狂気の描写が恐ろしい

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前巻までの敵が、毒香を操る不死身の魔人、といういかにも漫画的な存在だったのに対して、今回の殺人犯はごく普通の人間。
それだけに、身勝手な理由で、罪悪感もなく人を殺すその狂気が際立っている。
こんな人間が、現実の社会にも何人も存在しているのではと思わせる。
美少女キャラの色気だけの漫画ではないと思う。

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ド田舎の幻妖悲喜劇

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だいぶ昔のファンタジー・コメディ小説が、電子書籍で復刊していた。

舞台は村おこしの失敗で困窮した、とある田舎の村。
狐と猫又の主従と幽霊になった青年が、村を救おうと奔走するが、とんでもない大惨事を招いてしまう。

ド田舎というだけで、最後までいじめられる村人たちが少し気の毒。
妖怪たちも悲しい末路を迎えるが、幻想的なラストには一抹の救いも感じられる。
一般受けは難しいだろうけど、結構好きな作品。

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コミカライズ再開

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だいぶ昔にやっていたコミカライズが、令和の時代にまさかの再開。
今回のタイトルまでが、原作が本当に面白い時期だったと思う。
綺麗な絵で雰囲気が良く出ている。

三人の騎士が村人を脅す場面、典型的な「いい警官と悪い警官」だと、今になって思った。

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ヒト夜の永い夢

2024/12/30 16:38

南方熊楠+伝奇SF

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実在する博物学者、南方熊楠を主人公としたSF仮想歴史。

熊楠の主要な研究対象である、「粘菌」がキーとなって発明された「天皇機関」をめぐり、戦前昭和の偉人、怪人たちがドタバタ争奪戦を繰り広げる。
ちょっと「帝都物語」に似たテイストを感じた。

あの小説家が「探偵」として登場するのに驚き。終盤ではとんでもないゲストも登場する。

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