レキオスタロウさんのレビュー一覧
投稿者:レキオスタロウ
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定本沖縄戦 地上戦の実相
2021/09/03 13:16
沖縄戦の全貌を伝える第一級の著作
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
沖縄戦に関する日本側・米国側の資料、県市町村史・手記・証言集(巻末に約五百点を掲載)を、二十年以上に渡り調査し完成された本書は、間違いなく沖縄戦の全体像を伝える定本として第一級の著作となった。
1. 沖縄まで 連合軍の反攻と沖縄の迎撃作戦
2. 上 陸 圧倒的な物量の差
3. 北部の戦い アメリカ軍の初戦制圧
4. 首里フロントの戦い 嘉数高地からシュガーローフへ
5. 首里撤退 最後の一兵まで
6. 摩文仁の丘 掃討戦と市民の犠牲
7. 自決と虐殺 軍が守ったもの
この目次にあるように、沖縄戦の全体像が時系列に沿って詳細に記述されており、日本軍にとって不都合な内容も、ありのままに記載されている。
第32軍司令官「統率の大綱」
第5[現地自活]…中国大陸や満州で戦ってきた外征軍部隊にとって、現地自活とは「略奪」と同義あるいは紙一重であったし、実際、満州事変以来外征軍はそのような「現地自活」をずっと続けてきた。また日本国内といっても、多くの兵士にとっては本土とは違う”沖縄人=土人”という抜きがたい偏見があったから、駐留以来、数々のトラブルが絶えることがなかった。そして食料が欠乏し始めた戦いの後半には、日本兵は銃を突きつけて県民から食料を奪い、そのために県民を殺害さえした。
第6項[県民徴用]…防衛隊や義勇隊・挺身隊・勤皇隊など名称はそれぞれだが、法規を超えた軍の勝手な召集、飛行場・壕・陣地造成への強制的徴集、救護班・炊事班などへの徴用の根拠となった。「郷土はおまえたちが守らなくて誰が守るのか」が、このような時の将兵たちの常用する言葉だった。そして、ついに夜間斬り込み、爆雷を背負っての対戦車特攻に、最初は道案内という名目で、最後は一般兵士より優先して選抜されるようになっていく。 P55
現代人が知りえない、75年前日本本土から遠い島で起きた国内唯一の地上戦の実像を理解し、その本質を考えるため、多くの人がこの著作を手にしていただきたいと思う。
本書は沖縄住民の証言を数多く記載しているが、著者は「あとがき」の中でさらにこう書いている。「その経験を決して話すことなく亡くなっていった人々がさらに多くいると
いう事実です。絶対に口外できなかった人々の深い悲しみ、あの世に持っていくことしかできなかった人々の激しい痛苦を思いやる想像力が必要だと思います。」
新説倭国史 古代日本の謎を解く
2021/09/02 13:19
日本古代の渡来人についての詳説
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呉系の弁辰人、越系の倭人、秦系の甕棺族の渡来にはじまる国津神・天津神の系譜を詳説
目次
倭人
稲作
甕棺と徐福
古野ヶ里と東〓(てい)人
倭国王帥升
倭国大乱
葦原中国
高天原と三貴子
筑紫平野の戦乱
戦争と青銅器〔ほか〕
沖縄から貧困がなくならない本当の理由
2021/08/31 13:22
基本的認識の欠落した沖縄批判本
4人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
この著書は、日本国が日本国内の圧倒的少数派である沖縄に対してどのような扱いをしてきたかという基本的認識が欠落している。
1.沖縄県は、薩摩支配時代以降も、明治・大正・昭和初期に渡って、全国一の貧乏県であり、所得は全国平均の3分の1以下、にもかかわらず国税は全国平均の2倍以上の比率という、とてつもない貧困な状況が続いていた。
2.太平洋戦争で日本の国民7000万人中350万人が亡くなったが、沖縄戦では県民50万人中15万人が亡くなった。これは日本の国民7000万人中2100万人が亡くなったのと同等の比率であり、戦後の沖縄県民は孤児、片親の子供の割合が全国平均の十倍近い割合で貧困状態だった。
3.戦後、奄美などから米軍相手の仕事に10万以上が移住して来たが、その人達も元々貧困だった。
4.戦後30年、米軍統治下で、日本政府によるインフラ支援などはなかった。
5.沖縄返還で、日本統治下になったが、「沖縄振興費」は他府県の地方交付税交付金と同じで、
上乗せされているわけでなく、他府県よりも特別多いというわけではない。
以上の理由で、「貧困の連鎖」が続き、沖縄の貧困が継続されているわけだが、この本にはそういった事情が一切書かれていないように思う。只々残念な著作だと思う。
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