kirikoさんのレビュー一覧
投稿者：kiriko
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紙の本
紙の本ハコヅメ〜交番女子の逆襲〜別章アンボックス （モーニング）
2021/07/02 23:45
涙が止まらない
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
２巻無料で魅せられて以来、独特の絵柄はパッと見は取っつきにくいところもあるが、業界の裏を知る作者の毒のあるギャグがクセになり、家族にも読ませたくて敢えて紙でほとんど初版本で購入し続けての今回のスピンオフ。
同期のサクラ編の片鱗が見え始めたあたりからストーリーに深みが出始め、一話完結のギャグを挟みつつ、若手それぞれの、乗り越えるにはあまりにハードな過去が明らかにされていく。まさかあんなはじめの方のエピソードが、あの時のちょっとした１シーンが、今、ここにつながる？ということが何度あっただろうか？はじめの１～２巻の頃のノリや絵柄では、こんなに泣かされることになるとは誰が予想しただろうか？モーニング編集部の勇気に拍手。
同じ公務員として、警察官ほどではないが当たる逆風は他人事でなくよくわかる。報われない多くの日常にその身を削り尽くしてもその仕事をやり続けられる理由は、それぞれあるんだ。
係長や課長、その上の幹部にまで溢れる愛も忘れずに。いぶし銀の刑事課長嫌いじゃない。なにげに特捜本部の絶妙な掛け合いも捨てがたい。
なお、今回は警官以外にももがく若者が。地元紙の駆け出し記者と、それを導くデスクにも、報道の良心が見られて良かった。
若き警察官たちの青春群像に心を熱くさせられ、カナとその仲間たちの未来に幸あれと願わずにはいられない。
紙の本
2022/02/27 19:20
伏線回収が壮大過ぎる
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
買ったその日に一気に読み上げ、その後14、5巻から読み直し、また本巻を2周ほどした。この間『アンボックス』で3巻から読み返したのに…
ずっと前の何気ない1シーンがこの重要局面に繋がるの？とか、え～そういうこと？とかいうことが多くて。この作者はホントにこんな前から意識して伏線をちりばめているのか？緻密か…
終盤、それぞれの大事な人が明らかになり、その思いが交錯するクライマックス。ついに明らかになった伊賀崎所長の"変態"な過去、源の天才ゆえの葛藤と犯人逮捕にかける冷徹さとの対比、一方藤の大局での意外な脆さ、山田の軽口の裏の優しさが鮮明に描かれ。その中で川合がすごく揺れながらも強かに成長している姿が際立つ。
伊賀崎と源父との"別件"とは？人質から戻った川合への如月と藤の反応は？水族館デートの行方は？東岩係長のサングラスの下のストーリーもいつか読みたい！早くも次巻が待ちきれない。
電子書籍
2022/11/23 19:13
女性誌で弁護士もの
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
主人公らっこちゃんのキャラと"弁護士"というギャップがスゴい。あえて弁護士ものと言いますが、法廷ものではなく、弁護士というお仕事って裁判以外にいろいろあるんだな～ということがよくわかります。法律って本来日常生活の中に根差したものなんだなあと。
小さな事務所でフツーの相談者に生活者の視点で寄り添える彼女は、アニベンの背中を追いかけて少しずつ成長し、最後には大手事務所を相手に弁護団を仕切るような大きな事案を手がけるまでに。それと平行した恋模様も、焦れったくもまたかわいいんだな、みんな。
NHK-BSでドラマ化もされましたが、あれはあれ、かな。原作とは別物だと思いますが本仮屋ユイカと市川猿之介コンビ、悪くなかったです。
弁護士というところを抜きにして、女性が食うために稼ぐという以外の働く意味を投げ続ける麻生みことという作者の真骨頂で、名作です。
ちなみに現在連載中の刑事もの『下足痕(ゲソコン)踏んじゃいました』でも、女性刑事が超いい味出してます。おすすめ。
電子書籍
2024/02/25 01:19
kiriko
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
えーっっ終わっちゃったんですけど！毎巻スッゴく待ち遠しく楽しみにしてました～ジークとリツのはじめは不器用だったけど、少しずつ愛情を深めて素敵な家庭を作っていく様に、読者として寄り添い立ち会えて感動です…アイナちゃんカップルの幸せも見届けられただけでなく、ミルポロンとルカの素敵な未来を想像できそうな流れまで見せていただけるとは！テオポルンの妻への深い愛も知れて嬉しい限りです。
ジークの母国での、おじいさんやジークの実家の皆さんとの交流も尊かった…たくさんの美味しそうなものやかわいい動物たち、そして極北の国の美しい大自然も、何もかも素晴らしかった…本当に最後までありがとうございました！
紙の本
紙の本ぼくのおじいちゃんのかお
2023/06/10 07:08
俳優 加藤嘉の表現力
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学生時代、絵本の読み聞かせサークルで読む本を探していた時に、小さな図書館の分館で出会った絵本です。
俳優 加藤嘉の様々な顔をアップで捕らえ、その一枚一枚に付けられた絶妙な一言。白い背景とマオカラーの白シャツとにより、顔以外の視覚情報を極力排除することで、名優の表情を際立たせています。何より加藤嘉の表現力にうならせられ、何10年たった今でも忘れられない名作です。
図書館で手に取ることは可能ですが、福音館さんには、ぜひ再版をお願いしたい…
電子書籍
電子書籍【全1-4セット】プラネテス
2022/01/29 12:30
アニメ再放送で原作も読み返したくなった
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
今月からアニメの再放送が始まり、ついまた見始めてしまって、この面白さを再確認。原作も連載誌上で読んでたんだけど、久しぶりに読み返して見比べたくなりました。
今や民間人も宇宙に行くことが不可能ではなくなりましたが、宇宙が生活の場になるなんて、まだ現実味が全くなかった20年以上前に考えられたとは思えないこの設定。当時は目から鱗などというレベルではなく、すごくドキドキしながら読み進めた記憶があります。
ニュースとかでスペースデブリの話が出ると、絶対「『プラネテス』だね…」と思ってしまう。幸村誠という底知れないクリエーターの名とともに、心に刻み込まれている作品です。
ぜひ描かれた時代を踏まえた上で、若い方にもそのスゴさを味わっていただきたい名作です。
ちなみに私は、タナベもハチマキも原作のキャラの方が好き。
電子書籍
電子書籍伽羅の家
2020/09/02 18:58
少女や女の哀しみと美しさ
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
上杉可南子氏は1990年前後のプチフラワー時代大好きでした。大正浪から昭和初期の女や少女の淡い想いや哀しみや情念のようなものをしっとりねっとりかつ涼やかに美しく描くのです。登場人物たちの背後の情景の美しさがまた素晴らしい。すごく絵画的な美しい画風です。
今回の短編集は、ほとんど読んでいないもので、久しぶりに酔いしれてしまいました…
でも最近のレディースコメディも、線にムダがなくてきれいで、しかもあっけらかんとして明るくて好きです。
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