ホームズの弟子の弟子さんのレビュー一覧
投稿者:ホームズの弟子の弟子
| 1 件中 1 件~ 1 件を表示 |
2020/09/29 00:33
気軽にロジック
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
ダイイングメッセージ、首なし死体、密室、ロジックと推理小説の教科書みたいな4つが収録されています。どれも安定のクオリティで最高に面白いんです。表題作の「スイス時計の謎」はロジックもの。有栖川有栖先生のロジックものと言えば江神二郎シリーズですがどれも長編です。スイス時計の謎では短編でロジックを楽しむことができます。何故被害者の腕時計が消失していたのか?これだけで真相に辿り着く手腕はさすがとしか言いようがありませんでした。読み終わってから自分でもロジックを考えれば考えるほどロジックの素晴らしさが見えてくる作品です。
さらにもう一つ。作中ではアリスのとある過去が明かされます。この過去は後のシリーズでも度々登場する話ですが、火村でけでなくアリスの過去も垣間見えるという点でもこの話は火村英生シリーズのポイントの1つではないかと思います。今後さらにその過去が掘り下げられるのか、今後も注目です!
以下、他の3つの感想を
「あるYの悲劇」
ダイイングメッセージもの。被害者の遺したメッセージの意味はああなるほどといったところ。後書きを読むと有栖川先生のこだわりがよくわかります。犯人を示すとある事実はきっと誰もがビックリするはずです。
「女彫刻家の首」
何故被害者の首がないのか?ミステリではしばしば登場する謎がここにも登場します。何だろう?と想像しながら読んでいましたが全くわかりませんでした...。真相もさることながら火村が最後に放つ言葉が私には印象的でした。火村英生という人間の核が表われたように感じました。
「シャイロックの密室」
密室ものにして倒叙もの。倒叙ものでは犯人にとって火村が如何に厄介な相手であるかがよくわかります。犯人の心理も火村の推理も味わえるおいしい話です。名前をもじってあだ名がシャイロック、推理作家ってこういう言葉遊びが好きな人多い気がします(笑)
| 1 件中 1 件~ 1 件を表示 |
