hontyさんのレビュー一覧
投稿者:honty
チャヴ 弱者を敵視する社会
2020/11/14 11:04
新自由主義の結末?
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ヨーロッパに幻想を抱いていた感が否めない自分には現実を知るいい勉強になった。どの社会でも良い面(進んだ面)と悪い面(遅れた面)があるものだ。イギリスの労働党の混乱、貧困層への敵視、分断に示されるイギリスの到達点はうらやむものでもなくむしろ残念だ。そして、これは日本の未来を考えたとき、同じ轍を踏まないよう心しておく必要のある現実だ。
悪童日記
2024/06/01 11:32
不思議に迫真的
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何故この本を手に取ったのか、覚えていない。ただ読み始めて一気に引き込まれ、人生の不条理とその渦中である意味上手く生き抜く人間の逞しさを、独特の文体で淡々と描いていく。映画を観ているような、一場面一場面が目に浮かんできて不思議に真に迫ってくる。子どもの明るいような恐ろしいような無邪気さがこの作品に独特の雰囲気を醸し出している。読後も色んな感情や思いが湧いてくる忘れることのできない一冊になった。『悪童日記』の続編も2冊あり、そちらもオススメだが、私の中では初めに読んだこの作品が一番心に残った。
すべての見えない光
2020/11/14 11:13
まるで映画のよう
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まるで映画を見ているような錯覚に陥る描写とリズム。空気の動きや感触、においまで感じそうな描写。それぞれの登場人物の心の動きが生々しく迫ってくる。日常が戦争にとりこまれ闇の網に絡み取られていく息苦しさと不安感。読んでいる自分もその中に入っていく。なぜかとても生々しい不安。
兄と妹、親と子、友と仲間との関係から葛藤が生まれ切ない思い出の結晶となり心の中にとどまる。そんな気持ちの描写もとても素晴らしく実感をもって読み進めた。ヴェルナーが叢の中へ風に呼ばれるように消えてしまう場面では涙があふれる自分がいた。色んなところに自分がいた。
2024/06/26 21:11
魂の叫び
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とても考えさせられる。ホロコースト生存者の体験記といえば、残酷な恐怖体験が綴られているのが主な内容となるのが当然だけど、本書はさらにもっと深く哲学的な人間の考察というのか、人間の行動、精神力の考察といった想像以上に深く広い内容に感銘を受け、また著者の魂を感じた。あのような状況で記憶し伝えることを目的にある種冷静に耐える精神力。この本の感想は、一言ではまとめられない。ただ、全ての人に読んで欲しいと思う。著者の本当に命を掛けて書き上げた一冊であり、書かずには生きてはいけなかったあの時代を生きのびた一人の人間の心の叫びであり遺言であり警鐘なんだと思う。
”だが、いったんこの思いこみが姿を現し、今まで陰に隠れていた独断が三段論法の大前提になり、外国人はすべて殺さねばならないという結論が導き出されると、その行きつく先にはラーゲルが姿を現わす。つまりこのラーゲルとは、ある世界観の論理的展開の帰結なのだ。だからその世界観が生き残る限り、帰結としてのラーゲルは、私たちをおびやかし続ける。であるから、抹殺収容所の歴史は、危険を知らせる不吉な警鐘として理解されるべきなのだ”
「序」より
天使の蝶
2024/06/18 22:09
プリーモ・レーヴィのSF
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これまでの記録小説とは違って星新一を思い起こさせるSF短編集。
彼のバックグランドを知っているだけに言葉の一つ一つ、比喩の一つ一つを考えさせられ味わい深かった。
「天使の蝶」「人間の友」「美の尺度」「ケンタウロス論」「創世記第六日」は特に。
「ミメーシン」は今の3Dプリンターのような話で興味深かったし、「記憶喚起剤」は自分の体験からも、匂いと記憶の密接な繋がりについて頷けるおもしろい話だった。これも彼のバックグランドを思えば、きっと色んな臭いに記憶がよみがえってくるんだろうなと想像すれば、心穏やかでいられないところではあるのだけど。
周期律 元素追想 新装版
2024/06/18 22:00
プリーモ・レーヴィ・ワールド
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面白い短編集だった。化学記号にちなみつつ、フィクションがあり、作家の体験に根差した話など色んな話がありながら、全体の形やトーンがうまくまとまってレーヴィの世界観が伝わってくる。まさに、この作品は彼自身そのものかもしれない。
過酷な体験を語りながらも、切ないながらも何かそこには明るさというか爽やかな透明感がある。ユーモアとは違う何か独特の明るさ。絶対読むだろうなという一冊。
リリス アウシュヴィッツで見た幻想
2024/06/18 21:48
時間と創造
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過去、未来、現在というテーマ別に分けられ、過去の記録やSF的なフィクションだったりとこれも色んなタイプの話が集められ面白かった。また絶対読みたくなるなと思った。
この3つのテーマはイタリア語の時制に関連しているらしい。来るべき過去、過ぎ去りし未来、示唆的現在、と矛盾した言葉の組み合わせを持つ時制に着想を得たらしい。面白いけど、なんだかイタリア語は難しそうだな。
プリーモ・レーヴィの作品はどれもどこかひっそりと静かであるのに、寂しさばかりを感じさせるわけでもなく透明で光やあたたかさを感じる。そこが一番この作家の好きなところ。まずは彼が創造する作品世界の表面的な部分かもしれないけれど、まずは感性でしっくりくるから心地よいし、またそこへ再び帰りたくなる。
スローターハウス5
2024/06/05 17:17
人生を生きるとは
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知人推薦本の一冊。ようやく読んだ。というのも、なぜか図書館には無いしで、どうも後回しに…。
なんとも言い難い独特の作品世界。表面的には、小難しい言葉もなく軽い感じでとっつきやすく、読みやすいSFではある。しかし、直接的にすべてがすんなり分かった!同感!とかそういうものでもなく、ひとつひとつじわじわと考えさせられる。軽く読んでしまえば、「なんだったんだ?!」で終わってしまえるはずのに、なぜかそうはならない。心に引っかかり、どんどん湧いてくる「この世、今現在とは?死とは?時間とは?実在とは?記憶とは?経験とは?etc.」の深い疑問。ドライに書かれるから余計に感情を乗り越えてじっと考えることになる。もう一度読みたくなるだろうなと思う。
「そういうものだ」
第三の噓
2024/06/01 13:16
真実+嘘=
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『悪童日記』三部作の最後。一冊目で子どもの生き抜く本能に衝撃を受け、二冊目でどんでん返しをくらい、三冊目の本作品で更にもう一度。真実と嘘がごっちゃになり、現実と虚構の境界が曖昧に…。一体本当のこととは何だろう。目に見える現実からわかることとはどれだけあるのか。私たちは何を信じていいのだろう。作者が三作を通じて意図したこととは、そういう思考を我々に促すことなんだろうか。こう書いてくるととても哲学的な内容のように見えるかもしれないけれども、どれもサスペンス作品を読むかのように先の展開が気になってぐいぐい読み進んでいけます。『悪童日記』三部作は、是非三作通して読むことをオススメします。
ふたりの証拠
2024/06/01 11:47
地殻変動
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『悪童日記』が面白く早速その続編である本作品を読んだ。その続編であるということで読んでいたら、最後にこれまで読んできた読者の前提を覆す展開にハッとさせられた。真実とは何?私とはなんだ?世界の認識方法を揺るがす不穏な地殻変動がやってきた。何が真実で何が虚構なのか?どこまでが真実で、どこまでが創造なのか?記憶は常に書き換えられるものとすれば、何が本当なのだろうか?不可知論に陥りそうだけれど、そういう頭の反応は生きていく上でのある意味防衛本能であるかもしれない。
動物たちは何をしゃべっているのか?
2024/03/16 10:44
ヒトってなんだ?
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われわれヒトを一つの動物種と思うとなんとも、特殊で厄介な動物だろうか…。この本を読んで、まだまだヒトが分かっていないことは多く、完全に知ることができるなんて思うこと自体が傲りかもしれない。であれば、われわれヒトの身勝手な振る舞いを考え直し、この自然環境を守って一緒に共生していかなければならないのではないかと改めて強く思った。
ききがき大阪北摂すいたの民話
2024/02/20 20:46
おじいちゃん、おばあちゃんの声がきこえてきそうな
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地元のこんな話知らなかった!その辺のおじぃ、おばぁが話しているような懐かしい語り口で楽しく読みました。話についての説明や簡単な地図なんかもついてて、地元の人なら訪ねてみたくなるかも。
ロシア語習字ノート
2024/02/20 20:28
ロシア語筆記体練習に
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ロシア語を少し始めて文字の書き方がわからず困ってました。特に筆記体の書き方。印刷やパソコンで出てくる文字を見たまま真似て書いたらダメで実際は筆記体で書く人がほとんどだと聞き、何かないものかと思ったら本屋で目に入って即購入。ブロック体?と筆記体、全然違う!頑張って練習します。
月刊 たくさんのふしぎ 2022年 04月号 [雑誌]
2024/02/20 20:17
家って色々!
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民博好きだった(今も好きだけど)自分には垂涎もの。表紙の家なんか、特に!こんなところに滞在出来たら、いいだろうな。緑と動物と風と匂いと感じながら。家ってこんなに違ってるんだな。その生きる環境によって色んな工夫がなされ面白い!
