ivninさんのレビュー一覧
投稿者:ivnin
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2020/12/28 21:08
二重性に織り込まれた意味
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浮世離れした深窓の姫君である藤原郎女は、陵墓に眠る死者・大津皇子に魂を呼ばれてしまう。郎女は死者の供養の為、蓮の糸で編んだ布に夢で見た阿弥陀仏を描く。
……というあらすじにまとめれば、普通の歴史伝奇恋愛ものだが、本作が面白いのは郎女と大津皇子の間になんの交渉もなく、お互い相手を別人に見なしており、宗教、時代、世界観もまったく共有していない点だ。
そんな二人を救うのは郎女の無駄とも思えるひたむきな芸術活動であり、ある意味そこに作者と読者のあるべき関係が描きこまれているとも言える。
何かありがたい事が描かれているとも言えるし、思わせぶりで淡々として何も起こらないとも言える、そんなお話である。
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