おじゃもんくんさんのレビュー一覧
投稿者:おじゃもんくん

モスラ対ゴジラコンプリーション
2022/11/04 10:55
昭和の大作「モスラ対ゴジラ」。
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
子供の頃から、特撮の映画やドラマが好きで。
特に怪獣映画が好きで、定年退職後のジジィになっても特撮モノは好きで。
そんなジジィが、本屋さんで出会って・悩んで・購入した一冊です。
昭和39年春に公開された、怪獣映画「モスラ対ゴジラ」(併映は仲代達矢主演の「蟻地獄作戦」)。
東宝特撮機の黄金時代の作品ですが、公開当時は5歳チョイの私は観ていなくて。
再上映時から観てハマってしまいまして、東方チャンピオンまつりの短縮版含めて26回も劇場で観た作品です。
今でも年80本程度劇場で映画を観ていますが、その中でもこんだけ観た作品はありません。
その作品の、写真も含めて内容ギッシリな本に出会ってしまいました。
作品の本編撮影と特撮部分の、モノクロスチール満載で大きめの写真掲載。
当然、メイン部分のカラースチールも有り。
ゴジラの造形過程の、メイキングスチール写真と解説。
当時の新聞広告の掲載は、時代背景も含めて構成等貴重な資料ですね。
「モスゴジ」のシナリオ掲載も全文で、準備稿(第一稿)から第二稿・決定稿が載っていて。
前作「キングコング対ゴジラ」の後、どういう経緯を経て「モスラ対ゴジラ」になったのかの解説。
作品に関わった方々の、(故人も含めた)インタビュー記事もあり。
とても満足な一冊でした。
(若い頃は、この金額をパッと出せないよなぁ)
蔵書として保管致します。

映画編集の教科書プロが教えるポストプロダクション 構成・演出・効果・音
2023/09/05 07:51
映像関係の実践教科書。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
映像というか動画業界は、専門用語の分厚い本で勉強しているが。
カメラや音声・美術・照明等々、複雑に絡み合っているがサクッと説明した本が少ない。
映像を教える立場の筆者は、実践を交えたソフトな本を刊行。
本書「映像編集・ポストプロダクション」は、その第三弾です。
第一弾では「映画製作の60のコツ」を。
第二弾では、「映像の脚本・シナリオのコツ」を。
そして本書では、編集についてのコツを。
実際に監督の取られた作品の写真や、わかりやすいイラストを多数掲載。
実践に基づいて書かれているので、分かりやすいかと。
ちなみに、私の撮影写真も少し使われています。
この秋公開の最新映画「あはらまどかの静かな怒り」に、メインのキャストとして出演しております。
ラストの協力の「俳優」で西出明が。
映像業界が、フィルムからデジタルに移行した事で。
参加する壁は低くなりましたが。
観客に見ていただく作品となると、一定のルールらしきモノが出来て。
(時代とともに配信媒体も変わりますが)
そこら辺りをしっかり押さえて。
個人で楽しむのも良し。
映像の仕事に就くのも良し。
趣味で、空き時間に没頭するのも良し。
実践のノウハウを獲得して。
次に進む為の一冊ですね。

日本の高山植物 どうやって生きているの?
2022/11/23 10:03
高山に生きる植物について、わかりやすく解説された一冊。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
山登りが好きで、高山の植物も何と無く見ていたのですが。
カラー写真が満載で、面白そうなので手に取った一冊です。
筆者は、高山植物について長年研究を続け。
北海道の大雪山に魅了され、現地に長年野営を行い観察を続けておられます。
(現在進行形)
専門用語も使いつつ、一般読者にも分かりやすく解説されています。
ホンマに、山が好きで高山の植物が好きなのだなぁ。
と、思われる箇所が多々見られ。
読んでいて、好感が持てました。
第1章では、高山植物について細かく書かれ。
山の上の、一年の半分以上が雪に閉ざされる場所での高山植物の生き方について。
第2章では、高山植物は何故キレイな花を咲かせるのかを。
受粉に貢献する、ハチやハエの気を引く為の花の色について。
特に、高山の過酷な環境に生きるマルハナバチとの関係から詳しく解説。
第3章では、高山の雪溜まりと風が強い場所の植物分布と。
短期間に出来るお花畑の話しを。
第4章では、氷河期の繰り返しの中で高山植物の移動について。
寒暖の長い歴史の中で、北極圏から少しずつ移動して現在の場所へ。
辿った道筋の関係で、地方地方での固有種が多い訳を。
第5章は、消えゆくお花畑と題して。
実際に、高山植物のお花畑が消えた事に端を発し。
その根本の原因が、人の創り出した「地球温暖化」。
気温が変わり、雪の状況や温度等環境の変化が起こり。
他の植物や動物が、山の上に移動する事となり。
テッペンから逃げられない、高山植物群の今後の行方について。
各章の後のコラムも面白く。
また、人間の関わる生態系についても考えさせられ。
とても充実した一冊でした。

働かないアリに意義がある
2022/06/04 21:40
「反応閾値」と「利他行動」とアリさん。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
進化生物学者の筆者が、研究の成果を面白くまとめた一冊。
「働かないアリに意義がある」と言う題名に惹かれましたね。
アリの高度な集団行動が、何故行えるのかの疑問から出発。
アリの巣を観察すると、働きアリが忙しく働き。
研究で、アリの巣ごと観察して行くと。
一定数働かないアリがいる事を突き止め。
巣の中のアリを、個体識別して継続的に観察。
7割のアリは、休んでいるんですね。
コロニーを維持する為の行動を、ほとんど行わないアリ。
そこに着目して、話が進んで行きます。
序章では、人間社会とアリ・ハチ等「真社会性生物」について。
第一章では、働いていないアリは予想外の事態の余力としてある事を。
第二章では、「反応閾値」について。
「腰が軽いものから重いものまで満遍なく居て」。
「しかし、サボろうとするものが居ない」。
仕事に対する個体差の反応が、有事には総力で対処できる事。
だから、アリ社会には上司という存在が無くても回っている。
すごい集団のシステムですね。
第三章以降は、他人のために働く「利他行動」について。
コロニーの利益になる事をしない、裏切りワーカーについて。
「チーター」と呼ばれるコレらは、やがてコロニーを滅ぼすが。
人頼りの自分達も滅び。
その後に、別の集団が誕生し。
まさに「破壊」と「再生」を行い。
そこにも、38億年かけて受け継がれてきた。
生き物の歴史があるのですねぇ。
筆者の続編が楽しみですね。

ユリイカ 詩と批評 第53巻第12号 特集*円谷英二
2021/11/21 08:36
特集・円谷英二のトリック撮影。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
特撮映画の円谷英二についての、インタビューや寄稿を中心にまとめた一冊。
幅広い方々の、今思う円谷英二の声をまとめている。
特集トップの、中野昭慶監督のインタビュー記事が良い。
「驚き」を創造する円谷英二の感覚と技法。
助監督時代に、ナマで円谷英二の下で働いていたお話は貴重ですね。
プロ意識が高く、特殊技術ではなくて「トリック」の撮影。
映画時代から、円谷プロによるテレビ進出。
「妖星ゴラス」から、「ウルトラQ」「ウルトラマン」までのお話し。
子供向け作品の子供視線と、大人向け作品の大人視線と。
等々・・・・。
第三者から見た、円谷英二の生き方が良かったですね。
その他、現在活躍中の方々の寄稿色々。
映画監督や特撮監督や脚本の方々。
特撮研究家から、比較文学や近代文学の視点から。
戦前戦中研究の方から、博物館学・近代美術史の方から。
東映プロデューサーから、ポピュラーカルチャー研究の方・沖縄文学の方から。
円谷特撮の遺伝子を継ぐ方も、ほとんど接点のない方も。
ほんまに多方面からの切り口、面白かったですね。
特集の最後には、円谷英二主要作品解題があり。
作品の総説と各作品の解題があり。
楽しめる一冊でした。
特撮盛んなころ当時の本と、見比べて楽しみたいと思います。

セクシー・ダイナマイト猛爆撃
2021/07/18 12:19
特撮映画のヒロインが好きです。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
表紙と言い題名と言い。
なかなか・・・買いにくい本であるが。
結局買っちゃって、何度も読み返しています。
007シリーズはあんまり興味が無かったのですが。
本書のカラーページ等で、特集を組まれていたので。
いつの間にか公開時に、劇場鑑賞する様になっちゃいましたね。
バーバレラ等の、外国のSFと言うか特撮作品のヒロイン記事が最高でした。
美女と野獣なのか、「キングコング」でもヒロインが居て。
作品に、華を添える位置からメインの位置まで。
過去の作品には、和洋を問わず沢山の美女が。
米国から欧州まで、知っている作品知らない作品盛り沢山。
日本の特撮作品や怪談もの。
はたまた、スケ番映画やアイドル映画まで。
ホラーは、映画館で怖過ぎて見る勇気が要りますが。
色々な方の色々な視点から、面白楽しく読まさせて頂きました。
後半の東南アジア映画ヒロイン特集も、メチャ楽しめましたね。
時々、本棚から出してハッピーになる本ですね。

特技監督中野昭慶
2021/05/02 23:44
特技監督中野昭慶。500ページ超え本。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
東宝の、特技監督中野昭慶の本である。
中野昭慶は、なかのてるよしと読む。
円谷英二を知っている人は多いが、中野昭慶を知る人は少ない。
満州誕生から、終戦・日本に引き揚げ。
青春時代から東宝入社、映画作りにかかわり・・・。
インタビュー形式の、500ページ超え本。
たっぷりのボリュームで、読みごたえがありましたね。
特技監督として関わった作品は、「日本沈没」「ゴジラ対メカゴジラ」「」「惑星大戦争」「連合艦隊」等々。
怪獣映画で、円谷作品を観ていて中野色に変わった時拒否反応が出たのですが。
「ゴジラ対メカゴジラ」を観て、自分の中で受け入れた気がします。
円谷特撮の明るい色から、中野特撮の暗い色に。
特撮部分も、喜怒哀楽の表現に。
プロの完成ですが、好き嫌いが分かれるところ。
私は好きな監督の本ですね。

あの人はなぜ定年後も会社に来るのか
2021/01/31 20:26
認知行動療法からの視点。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
表題からすると、定年後の老後本かと思いきや。
内容は、そうでも有り・そうでも無いのがポイントかと。
特に会社勤めが長い男性向けだが、女性でも充分に当てはまるかな。
会社勤めはタテ社会。
定年後の付き合いはヨコ社会。
仕事中心で数十年生きて来て、突然の変化について行けない。
そこら辺の生き方を、認知行動療法の視点から生きやすい方向に導いてくれる本ですね。
自分の奥底にある「自分」から、考え方や行動があり。
それを知り・自分をいたわり受容して行く。
これを、定年後にいきなり始めるのでは無く。
若いうちから行って行くと、老後の生活も少し幸せになるんですね。
自分が変われば、周りも少しずつ変わる。
孤独を受け入れるのも、良いですねぇ。
定年後の長い人生も、ハッピーに生きたいですね。

年収443万円 安すぎる国の絶望的な生活
2022/12/05 08:22
平均年収443万円の日本社会。
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
新型コロナウイルスが広がってから、色々な社会問題が目に付く様になった。
と、思っている時に書店でこの本が目に入り購入しました。
題名の「年収443万円 安すぎる国の絶望的な生活」は、厳しい現実ですね。
筆者は、2021年の国の調査に基づき話しに入って行く。
国税庁の「民間給与実態統計調査」では、給与所得者の平均年収が443万円。
平均年齢は46.9歳で、ちょうど就職氷河期世代と重なると指摘。
正社員の平均年収は508万円で、正社員以外の平均年収は198万円になり。
就職氷河期世代を中心に非正規雇用が進み、「中間層」の崩壊が起こっていると指摘。
第1部では、平均年収世代の方々の取材を。
第2部では、平均年収以下の方々の取材を。
それぞれ一人称で、本人の語り口を出来るだけ再現。
第3部では、就職氷河期世代の当事者の筆者が。
非正規雇用を経験して、同世代を追って20年かけての取材で分かった。
現状と問題点を含めた全体像を、丁寧に解説して雇用問題の悪化を懸念。
さて、「平均年収でも、生活が崩れて行く」と言う現実の社会構成。
「経済対策」や「雇用対策」を先送りにして行く、この国の政策の問題。
「コロナショック」と「失われた30年」が引き起こす、この国の未来は明るいのでしょうか??。
色々考えさせられる一冊でした。

敗軍の名将 インパール・沖縄・特攻
2021/11/01 19:45
太平洋戦争での、敗軍の名将とは。
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
太平洋戦争の本は色々出ているのですが。
本書を手に取ったのは、筆者が現地まで行き見てるからです。
「バンザイ突撃」「玉砕」「餓死」「神風特攻」「空襲」「原爆投下」しかし、人に優しく無い国ですな。
敗軍の名将4名を中心に、当時の時代背景も細かく分析されている。
インパール作戦にあって、上官に逆らって撤退行動を取った佐藤中将。
同作戦の撤退時に、一人の飢餓者も出さなかった宮崎少将。
沖縄戦で、米軍と五分五分の戦いを立案した八原大佐。
特攻作戦を拒否し続けた美濃部少佐。
筆者は、インパールの旅で現地の雨季や地形を体験。
沖縄本島に行き、島の南北移動と東西移動の地形を見て。
鹿児島の岩川飛行場跡を見て。
それぞれ名将の当時の動きを記している。
先の読めない現地で、全体を見て信念を持った行動。
味方の上層部に振り回されながら。
それでもやり通したのは、大変な事だったでしょうね。
プラス、太平洋戦争はなぜ始まったか。
第二次世界大戦の、ドイツ・イタリア等欧州の動向。
中国戦線や満州の動き。
ソ連の動き。
真珠湾攻撃から日本海軍の最後。
そして、敗戦国ドイツ・イタリア・日本の敗戦処理について。
戦後処理をきちんとせずに来た、現在の日本について。
なんか筆者が、怒っている様な悲しんでいる様な。
過去じゃなくて、現在のこの国の事を書いた本ですね。

腎臓が寿命を決める 老化加速物質リンを最速で排出する
2022/08/08 15:03
骨には大事なリンも、その他では老化を加速するのね。
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
帯を見て、中を少しパラパラとめくって。
面白そうなので買った一冊。
帯には、「45歳以上の1/4はすでに危険な状態」とか。
「不老医学の第一人者が教える、たったひとつの長寿の方法」。
「沈黙の臓器が今、語り出す」等々、ジジィにはびっくりの文字が並ぶ。
筆者は、腎臓とリンの関係から老化を研究されていての一冊。
人体の腎臓のメカニズムの説明から入り。
腎臓内の、ろ過機能の主役ネフロンについて。
そのネフロンは、血液をろ過しているのですが。
加齢と共に減少する、消耗品なので減る一方。
人類が進化の過程で、海から陸上に上がった時点で骨格を獲得し。
骨格形成にリンが必要なのだが、リンは他の臓器には負担になる。
そこで、腎臓は休まず余分なリンを輩出している。
体内のリンが多いと、ネフロンが減る量が早くなる。
すると、腎臓の動きが加齢と共に落ちて行き。
その為、人体の老化が進むとの事。
現代人は、リンの必要量の3倍程度を毎日取り入れていて。
食品と、食品の添加物から入って来ていて。
自然の食品よりも、添加物からのリンが吸収されやすいとの事。
現代社会の食事では、リンの摂取過多は仕方が無く。
食べるときに意識して、少しでも少なくすることが大切と締めくくっている。
生活バランスが大切ですね。

大人のいじめ
2021/12/16 08:50
「大人のいじめ」とは、忙しさから来るのか??。
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
「大人のいじめ」とは、ストレートな内容だなぁと。
「はじめに」を少し読んで、こりゃ面白そうと思い購入。
筆者は、職場でのいじめ嫌がらせ相談を受けて来て。
本書は、会社社会(職場)のいじめに話を搾っている。
家庭やその他の生活場面は、意図的に除外されている。
生活の糧での、大人からのいじめの話し。
その実例を元に、近年の動向から実例を交えて進めて行く。
読んでいて、自分の社会人生活の中でのアルアル事例もあり。
また、ここまで人を蔑むかと言う事例もあり。
暴力あり。
バワーハラスメント有り。
子供のまま大人になった人からの、イジメかと思う部分も多い。
筆者は、イジメは抑圧のはけ口と定義して。
企業からの、オーバーワークによる心の余裕が無くなり。
考える事が出来なくなり。
弱い人達・会社に楯突く人達に対し、イジメが向かうと書かれています。
実際に、労働条件が改善されてイジメが少なくなった事例も。
また、発達障害の方に対するイジメの事例を書かれていて。
ADHDと診断された途端、職場でのイジメが行われ出す。
現代の、この日本の縮図ですねぇ。
最後の方には、職場のいじめを無くす方法を書かれていますが。
いじめられた個人だけでは、なかなかしんどいですねぇ。
良き支援者・良き支援団体の件も書かれています。
私は、性善説は信じていない方ですが。
楽しく働ける社会が、来て欲しいと思いますね。

「人口ゼロ」の資本論 持続不可能になった資本主義
2023/11/14 09:07
そして、誰も居なくなる日本。
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
日本の、人口減少が進んでいる。
政府は、「少子化対策」を行なっているが。
良い方向に進んでいるとは思えない。
いったい、なぜ人口が減るのか?。
本書の著者は、資本主義のシステムがその原因と捉え。
分かりやすく順を追って、各章で説明して行く一冊。
大学で長く「マルクス経済学」の講義を担当していた著者が、本書では「マルクス的説明」で丁寧に解説。
ストンと腑に落ちる部分が多く、得る事が多かったですね。
「資本主義社会」と「少子化問題」は別物に思えていましたが。
「資本主義社会」が進むと、「少子化」しちゃうのですね。
「資本家」と「労働者」が存在し、資本家が収益を拡大すると労働者の賃金が下がり。
さらに賃金や時間の搾取が進むと、労働者は疲弊して結婚や子育てが行いにくくなり。
出生率が減り、今度は農村部から労働者を補充して。
それでも足りなくなると、今度は海外の「発展途上国からの労働者」を補充して。
「貧乏人の子沢山」って言葉は、資本主義では使えない言葉なのですね。
まさに日本の東京が、そのまま当てはまってますね。
ドンドン地方の人もカネも、吸い込んでいますが限界ですかね。
筆者はその解決策として、子供世代の格差を廃止を提言されています。
全ての子供が、ひとしく教育を受ける世界。
日本の少子化が進み、日本人ゼロの世界が来ない事を祈りつつ。
五年後に本書を、また読みたいと思います。

客観性の落とし穴
2023/07/16 19:44
客観性になると数字の管理になるのね。
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
数字のデーターが、全てに見える最近の世の中。
死者の数。
コロナ感染率の数字。
高齢化率や、過疎地域の人の数。
そして、「世の為人の為に生きる」「働く意思の無い者を税金で救済するのはおかしい」という社会。
ホンマ、弱者に優しく無い社会ですね。
この日本国の息苦しい社会についての一冊ですね。
第1章と2章で、個々の生きづらさの背景にある客観性への過度な辛辣について書かれて。
第3章と4章では、数値が過剰に力を持った世界で人々は競争に追いやられて行く過程を。
第5章では、個々人の語りを細かくする事で見えてくる経験について。
第6章では、生き生きとした経験の話のリズムについて。
第7章では、語りと経験を捉えるための方法としての現象学の提案を。
最後の第8章では、そこから見えてくる望ましい世界について。
筆者の関わっている、大阪市の西成地区の取り組みから我が国の問題解決の糸口を提案。
と言うか、すでに実践されていて国内に広がりつつあるとの事。
競争から脱却して。
「ケアのコミュニティー」社会を構築して。
抜け落ちた人の居場所を作り。
みんなが安心して暮らせる社会が、この国をより素晴らしい方向に進めて行く。
相互ケアの社会が実現して欲しいですね。

増税地獄 増負担時代を生き抜く経済学
2023/05/27 08:55
この国の未来は「真っ暗」やなぁ。
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
表題の「増税地獄」にひかれ、パラパラとめくり面白そうなので購入。
副題の「増負担時代を生き抜く経済学」に、納得の一冊でした。
私は、定年退職後に現職を退き雇用延長もせず。
趣味を活かして、アルバイト程度の仕事をしつつ過ごしています。
退職前に、将来の収入と支出を何度も何度も計算して。
「コレは行けるな」と思い、退職後はバリバリ働かない事を決めまして。
今年に年金受給ですが、何とかボチボチ夫婦で暮らしています。
何でかと言うと、ズバリ「税金の支出」が減るからです。
全くその通りで、この国は働く世代からの搾取が多いです。
本書では、その辺りにも色々触れられていて。
「重税国家ニッポン」の、諸外国との比較等を含めての税の実態。
またその税負担が、お金持ちほど負担が少なく出来ていて。
そのうち、「消費税」の増税が待ち受けていると解説。
庶民がモノを言う事が少なくなると、ますます増税に拍車がかかると解き。
そうすると働く人が疲弊して、日々を過ごすことしか出来ず。
また増税の繰り返しの、悪循環が未来に待っているとか。
その為にも、「住民税非課税世帯」と言う最強の武器を持つ事を推奨。
都会は、全てにおいてお金が掛かるので。
郊外での生活で、楽しんで行きて欲しいと締めくくっておられます。
「おわりに」の後の付録の童話、「お代官様と農民」は素晴らしいですね。