ひろさんのレビュー一覧
投稿者:ひろ
| 8 件中 1 件~ 8 件を表示 |
2021/08/17 16:51
勘違いコメディの皮を被ったあたたかな物語
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
守銭奴と呼ばれる孤児の少年と貴族の少女が入れ替わってしまいます。
周囲の勘違いから守銭奴とはかけ離れた「無欲」の聖女と呼ばれ尊敬の念を集めてしまうーー
それだけを聞くとコメディなのかなと感じるかもしれません。
もちろんその要素はあるしその部分だけでも話が練られていて面白いのですが、
物語の舞台となる帝国は、レ・ミゼラブルを思い起こさせるような
上流階級・王族と平民、貧困層の対立から起こる様々な社会の問題が描かれています。
コメディのためだけに用意したとは思えない重厚な舞台の上で、孤児の少年の生い立ちや、
善意を受けたことのない、しかし純粋な心を持つ人間が、善意や悪意を受けたときに抱く感覚や感情、心の変化や成長が繊細に描かれており、
コメディという切り口のため口当たりは軽く読みやすいものの、にじみ出る悲惨さや、安堵に涙がこぼれそうになります。
周囲の人間たちが関わりを通して変化していく様も心地よく、
舞台と主人公の置かれた立場は悲惨ですが、その展開はコメディタッチなこともありあまり暗い気持ちにはなりません。
主人公に感情移入して、白熱した展開を楽しむという物語ではありませんが、
登場人物たちすべてが愛おしく、応援したくなるような感覚が生まれてきます。
笑って、あたたかい気持ちになって、少しだけ切ない気持ちになれる小説です。
男性向けライトノベルの中には18歳未満や女性にはおすすめし難いものも多いですが、この作品は性的描写、生々しい描写が存在せず
そういうものが苦手な方にも安心しておすすめできると思います。
この物語は小説家になろうでは4巻の後の物語が続きます。ぜひ書籍化してもらいたいと今でも願ってます。
あと、表紙のキャラクターイラストが内容と比較し少々可愛すぎるイラストで、物語の色をうまく表現できていない感じは少し残念です。
2023/07/05 20:04
ほのぼのとしつつも登場人物たちのドラマやシリアスな展開もあり楽しい
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ほのぼのとした冒険者と少女のドタバタな日常と言った感じですが、主人公の過去も含め、仲間や友達との絆の大切さと言ったものが描かれていて、少し切ない気持ちにもなります。
まったりスローライフ的な部分と、この先どうなってしまうのだろうというシリアス感のバランスも良く、読んでいて緩急のリズムが良いなと思いました。
とある村に住む冒険者と、彼が面倒を見ることになってしまった少女、村の住人や冒険者ギルドの人々との出会いと交流、それに伴って起きる事件の数々は、こじんまりとしているかもしれませんがゆったりと楽しめる魅力的な物語だと思いました。
2022/06/26 03:35
魅力的な登場人物たちが増えてドタバタ活劇&コメディもパワーアップ!
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妹ティムを魔法学園に通わせるために王都に引っ越す第二巻。
一巻ではちょっとしか出てこなかった邪神軍のキャラクターたちにも出番が回ってきて、さらに王都で出会う人々との勘違いのやりとりに笑わせてくれます。
起きていることはシリアスで、主人公ティレア自身も大ピンチなんですが、ティレアから見れば妹のティムと付き従う邪神軍は、「中二病」の困った人々という認識はそのままに、王都を襲った吸血鬼たちの野望を打ち砕きます。
前世の知識が役に立ってると勘違いしたり、知恵比べで勝っていると勘違いするティレアがおバカかわいい感じで良いです。
ウェブ版はより先のほうまで連載されており、今は作者様が多忙のため休止中となっていますが、連載再開に向けて今のうちに読んでおいて損はないです!
魔法の鍵
2022/06/05 03:33
魔法の鍵をめぐるオムニバスストーリー
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何でも願いを叶える魔法の鍵。
しかし願いを叶えるのは一度きり。願えば鍵は失われる。
あなたはその鍵に、何を願うだろう?
「魔法の鍵」を巡る短篇のオムニバスストーリーが、めるへんめーかーの挿絵を元にしてそれぞれの作家の手で紡がれる。ラブストーリーから青春劇、ファンタジー、SFちっくな展開のものまで様々で、鍵の形もそれぞれ。雨があがるような読後感の話もあれば、衝撃的なラストのものもある。
共通するのは、願いを一度だけ叶えることのできる魔法の鍵の存在と、それを巡る登場人物たちの行く末だ。と言っても、幸せになるだとか不幸になるだとかの、安直な結末は用意されていない。いずれも、時間はゆったりと流れていて、穏やかな世界、空気に満ちている。
半分夢の世界のような、霧がかった、暖かで穏やかな、少し寂しい感覚にもさせてくれる物語が詰まっていて、その感覚がとても好きだ。言葉ではうまく表現しようのない、自分にとっての特別な一冊になっている。
妹が入院中に仲良くなった人にもらった本で、たまたまそれを手にとる機会がなければ表紙からこれを自分が購入することはなかったように思う。妹から好きだったらあげると言われてもらってから、もう26年くらい経ったかもしれない。
ボロボロで、日に焼けて茶色になった本は、今でも特別な感覚にさせてくれる。
ペダルをふんでロンドンへ 中近東14,000キロケチ旅行
2022/06/05 03:13
まるで冒険小説のような自転車旅行記
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長い旅の苦難と楽しさ、喜びと達成感。当時の国々の光景が垣間見える。
20数年前に猿岩石のヒッチハイクの本を読んだり、深夜特急を読んでいた自分に父親が面白い本があると手渡してきたのがこの本だった。
自転車でユーラシア大陸を進む旅行記は、中学生で外国にいったことのない自分にとって、旅をしているような、未知の世界を冒険しているような感覚を与えてくれた。
アトムと名づけられた相棒の自転車の最後が、さりげなく切ない。
残念ながら本はどこかにいってしまいもう読むことはできない。電子化されることを願う。
2022/06/04 20:59
気楽に読める勘違いドタバタコメディ、笑えます
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中二病を拗らせて人生を終えた男が、ファンタジー世界に美少女として転生してしまうという導入ですが、あまり男女の差を意識するような描写もなく、異世界転生勘違いコメディとして気楽に楽しめます。
登場キャラクターが魅力的で、なにより妹を真人間に戻そうとしつついいように流されたりもしてしまう主人公ティレアが天然でかわいいです。
なろうのほうも読んでいて、表面上はコメディとバトル漫画のパロディネタも多い本作ですが、色々と気になる伏線も散りばめられており先が気になります。
日常のドタバタ騒動だったりシリアスな展開などもあったりするので、3巻以降も発売されないかなと願っています。
2021/01/20 12:59
突如現れた地下洞窟――迷宮に挑む人間たちが織り成す波乱万丈の群像劇
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この物語は、15年程前にはてなダイアリーで公開されていたウェブ小説「和風Wizardry純情派」を加筆修正し書籍化したものです。
オリジナルの題名の通り、古典的な名作ロールプレイングゲーム「Wizardry」の世界観を和風、つまりは現代の日本、京都を舞台にしたもので、一言で言えば、危険な迷宮に挑む探索者たちの物語です。
Wizardryはファンタジーの世界ですが、本作の舞台は現代日本です。
地震によって出現した迷宮に乗じて周りに建造された「迷宮街」にはコンビニなどの現代的な施設も存在し、登場人物もまた、多少運動能力に優れていたり、武道をたしなむ人もいるものの、総じて普通の日本人です。
突如現れた地下洞窟。
その調査を必要とし、そのために迷宮の探索を担う労働者を募る。
労働者が集まるのであれば、彼らが生活できるインフラ、街が必要になる。
Wizardryをプレイした経験がある人ならばわかることかもしれませんが、迷宮には未知のモンスターが生息しており、そこに一歩足を踏みこんだならば生還できるとは限りません。
舞台設定と迷宮街を運営する組織の存在、そして多くの巧みな理由付けにより、日本中から危険を知りつつも、迷宮街に集う人々が現れます。
彼らは未知の生物の被害を地上に広げないことを第一に、迷宮の調査を行います。迷宮内に潜む未知の生物の体組織を持ち帰れば金になるため、それ目当ての人間もいますが、一口に金のためと言っても、そこには人の数だけの理由があります。
自ら望んで死亡率の高い危険な場所で働く登場人物たちには、縛られている過去、これから目指す未来、背負っているものが存在し、それらの葛藤や苦悩、希望と言ったものが丁寧に描かれています。
舞台が日本で、登場人物たちの多くが普通の人々であるから余計に親近感を覚えるのかもしれません。彼らは物語の登場人物ですが、まるで共にいた仲間のような、親しい知人のような感覚があります。
副題の「生還まで何マイル?」というのは、本シリーズ1冊目に見事に当てはまったタイトルだと思います。ウェブ版の連載時に、確かこういう意味のことが書いてありました。
――迷宮に入った際の登場人物たちの生死は、ある程度死ににくい、死にやすいという係数はあるものの、サイコロ(確率)で決めている――
親しかった、共に生活した仲間が明日生きているかどうかわからない。迷宮は広く深く、危険に満ちており、ちょっとした勘違いやひとつのミスが絶望への入り口となります。
ここまで書くと、救いのない危険でハードな物語と思われるかもしれませんが、シリーズ最終巻を読んだあとにはあたたかな気持ちと、登場人物たちへの愛おしい気持ちが沸き起こってきます。
スリルと重厚な人間ドラマを味わえる珠玉の名作です。
2022/06/26 15:53
2巻目を読もうと思わない本は初めて
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死に戻りという構造自体は面白いものだと思いますが、どうしても主人公の発言や行動が気持ち悪く感じました。
なぜその発言が出てくるのか、なぜそういう行動をするのか、という部分が不明瞭なまま延々と続きます。言葉のひとつひとつが薄っぺらく感じ、主人公であるその人物を主軸に物語が進んでいくので読み進めるのは辛いです。
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