Koh_Nさんのレビュー一覧
投稿者:Koh_N
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遠巷説百物語
2021/09/11 04:00
この本から読み始めてもいいかもしれない
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
久しぶりの巷説シリーズ。
新たに導入された、一編ごとの構成は、整理されていてわかりやすい。相変わらず厚いが、一晩でサラッと読める。
どうにもならないやりきれないことを、妖怪の形を借りて昇華するこのシリーズ。初期の物悲しさから、今作はわりとカラッとした一話完結モノに仕上がっている。
もしかしたら万人向けに読みやすいのはこちらの方かもしれない。
長期シリーズの最新刊だからとビビらずに、今作をいきなり読んでも結構楽しめるんじゃないかしらと思う。
戦争の中国古代史
2021/04/20 18:17
これぞ古代中国史ファンが求めていた戦争史!
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
この本は、いわゆるエピソード集とは方向性を異にする。
これまで具体的に言及する資料も少なく、時期や地域によってあり方が違ってなかなか手に負えなかった、社会や政治の仕組みといった側面から中国古代史の戦争を紐解いた本だ。
そのむかし、中国古代史といえば、だいたい資料は史記か竹書紀年がメインで、発掘物は数多くあるものの、まだまだ整理が進んでおらず、一般人からのアクセスは難しい状況で、魅力的ながらあまりの資料に少なさに心の折れる者多数、という修羅の道であった。
私もいつしか心の折れた一人であった。
そこに流星のごとく現れたこの新書。
タイトルに惹かれて購入してみれば、整理された発掘資料に基づいた近年の研究成果を大いに踏まえて綴られており、これだよ!俺たちが欲しかったのはこれだったんだよ!という、待ちかねた一冊であった。
その内容の豊潤さときたら、砂漠で水滴を求めて彷徨っていたら、瀑布に遭遇したようなもんである。
軍事的な機構の変遷、政治と軍事の関わり、王権のあり方と、領域の認識のうつりかわり。
後代の資料からは読み取ることが難しかった部分が多いに補完される。
これだよ?こういうことが知りたかったんだよ、という内容のオンパレード。
何度見ても信じられないのだが、これは新書なのである。
この内容が!情報量が!新書サイズで!千円前後で!読めるのである。
ちょうど過去一年以内に入手していた岩波新書の中国の歴史シリーズや、講談社学術文庫の中国の歴史シリーズの頭巻と相互に読み比べることができて、一層おもしろかったです、というダイレクトマーケティングもどさくさに紛れてくっつけておこうと思う。
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