腐女子のフー子さんのレビュー一覧
投稿者:腐女子のフー子
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2021/07/04 20:40
アルバムに込められた想い
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会って話し合って謝れば弓は許してしまうから会えないし会わないと決めているかんちゃん。心に他の人の影を抱え、暴力を振るわれ、恋人として好きという気持ちが消えてしまってもかんちゃんの隣にいたいと願った弓。
ふたりには、辛くて苦しい時間よりも誰よりも幸せだったころの記憶が大きくて、大きいからこそ、忘れられなくて、忘れたくなくて、忘れちゃいけなくて、そんなどうしようもない後悔の記憶に囚われて進まなくて、自分を許せなくて、悲しくて、お互いが愛しくて、そうやって複雑に絡まりすぎた感情の糸が秀那をきっかけに少しだけ解けたような気がします。
壁に写真が貼られていることを知った弓が秀那に預けたかんちゃんへの最後のプレゼント。
辛い記憶も、後悔も、幸せだったあの頃の思い出も、その全てを大切に保管して、過去の記憶に、懐かしい思い出に変えて、前に進もうと、そう伝えたくて、弓はアルバムを選んだんだろうな…
お互いを深く理解しあっているからこそ、弓は壁の写真を納めるためのアルバムを渡してかんちゃんにとっての「過去」にしてもらうことで、かんちゃんは弓の意図を読み取ってアルバムを完成させることで、ちゃんと前に進めたのではないかと思います。
ふたりがそれぞれ幸せだった頃の記憶を辿り、涙を浮かべて切なく愛おしそうな表情を浮かべたとき、やっとふたりは「呪い」になってしまった過去を精算し浄化できたように思います。
きっとこのふたりはもう会うことはないだろうけれど、いつまでもお互いが幸せであることを願いあっているだろうし、歪な形でもそれは紛れもない「愛」なんだと思います。
重厚で、しんどい場面もあって、胸が痛くなることも多かったですが、どうしようもない現実と困難に負けて壊れて、それでも新しい愛に進みつつ、違う形の愛で繋がれたふたりの海の底より深い絆が見えて幸せな気持ちになりました。
これからもふたりにはそれぞれ乗りこえなければいけない辛いことや苦しいことがたくさんあるかもしれないけれど、どうか幸せになってほしいと願います。
この漫画に出会えてよかったと、心からそう思います。
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