HRさんのレビュー一覧
投稿者:HR
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少女庭国
2022/02/07 04:45
奇想不条理デスゲーム
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自分の予想を完全に超えて展開していく物語っつうのは楽しいものです。
極度に不条理な状況で極度に想像力を暴走させたような小説。仮に似たようなアイデを思いついても、こうした形で結晶化することは今後二度とないのではないでしょうか。それぐらい独特の読みごこちで、大変おもしろかったです。
最初はちょっと読みづらいかなと思った文体が終わりのほうではすっかり癖になっていたのも不思議でした。
さらば、シェヘラザード
2022/02/04 06:37
生みの苦しみ
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内容については他のレビュアーの方々が書いてくださってる通りです。あくどいユーモアに満ちたメタフィクション小説の傑作で、ゲラゲラ笑いながら読みました。言葉を選ばず言いますと、自分でもクソだと分かっている小説を生活のために書き続けなければならない大衆作家の苦しみを、エッセイ的なものではなく小説そのものとして書いているところが画期的で、最高でした。ぜひお試しあれ。
漱石書簡集
2022/02/02 07:36
率直な人柄
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最初のほうは候文が読みづらくて唸りながら読み進めたが、漱石が中年になるころの手紙からグッと面白くなった。
他人の日記や手紙を読むのは、基本的には下品な楽しみだと思うのだが、個人的な文章ゆえに思ったことを率直に書いてるものが多く、結局公けの文章よりも面白く感じてしまう。優しい面でも手厳しい面でもとにかく率直な書簡が多かった(言い方を変えると歯に衣着せぬ)。
エッセイとしてすごくよかった『硝子戸の中』以上に書き手の人柄が強く出ていて、特に中年になってからある意味開きなおった漱石が、自分より若い人たちに送った励ましの手紙がとてもよかった。他人が他人に向けて書いた「真心」を盗み読みできるというのは、反則っぽいけどありがたいことだと思ったりした。
日本SFの臨界点 怪奇篇 ちまみれ家族
2021/07/09 07:10
広義のSFアンソロジー
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個人的にアンソロジーは、けっこう面白い作品が2つ入ってたらアタリ、という気持ちで読むのですが、その点ではこの本は大当たりでした。
収録作の大半が面白いし、あまり好みに合わないものでも何かしらの発見というかヒントのようなものが得られる作品ばかりだったように思います。
あと自分はSF読者という感じではないので、SFの定義がゆるいアンソロジーほど好ましいというのもありました。
それと編者である伴名練氏の詳細すぎる解説が素晴らしい。
個人的に特に面白かったのは「DECO-CHIN」、「ぎゅうぎゅう」、「笑う宇宙」。
「DECO」はあけすけな物言いが面白く、その後の演奏描写の迫力に圧倒されました。自分のなかで中島らものイメージがかなり変わりました。他の作品も読んでみよう。
「ぎゅうぎゅう」はいわゆるワンアイデア的な世界観を固める、細かな描写やエピソードがすごい楽しかったです。
「笑う宇宙」についてはあまり詳しくは言えないのですが、年に一回こういう雰囲気の話を読めると精神衛生上たいへんよろしいように思います。
これからも面白い作品を続々発掘?していただければ大変ありがたいものです。
日本SFの臨界点 恋愛篇 死んだ恋人からの手紙
2021/07/09 07:06
広義のSFアンソロジー
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
個人的にアンソロジーは、けっこう面白い作品が2つ入ってたらアタリ、という気持ちで読むのですが、その点ではこの本は大当たりでした。
収録作の大半が面白いし、あまり好みに合わないものでも何かしらの発見というかヒントのようなものが得られる作品ばかりだったように思います。
あと自分はSF読者という感じではないので、SFの定義がゆるいアンソロジーほど好ましいというのもありました。
それと編者である伴名練氏の詳細すぎる解説が素晴らしい。
個人的に特に面白かったのは「劇画・セカイ系」と「人生、信号待ち」。
前者は「劇画・オバQ」よろしく、ボーイミーツガールなセカイ系の世界観(へんな言い回しだけど)を大人の視点から眺める話。ピュアな少年期と様々なものに押しまくられる大人との隔たりを象徴するある行為のディティールがすごくて参りました。
後者は、この物語を「信号待ち」という形で描くところから来るリリシズムが素晴らしかったです。
これからも面白い作品を続々発掘?していただければ大変ありがたいものです。
世界で一番すばらしい俺 工藤吉生歌集
2022/02/02 07:53
自虐の笑い
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読む前に作者のプロフィールを見たら2018年に車にはねられてて、何だろうと思ったら歌集の中に「車にはねられました」という連作があった。
みじめさに打ちのめされるたびに、捻った笑いですり抜けながら生きてるような歌集。おどけとシリアスの配分がちょうどいい感じ。笑える歌が多くて面白かった。
特にこころに残った歌を4首。
3個入りプリンを一人で食べきった強い気持ちが叶えた夢だ
戦えばオレをぶちのめせるだろう中学生の低い挨拶
触れられて倒れのたうち回ってるサッカー選手を見下ろす主審
眠るため消した電気だ。悲しみを思い返して泣くためじゃない
月岡草飛の謎
2022/02/02 08:24
朦朧老人による黒い笑い
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俳句の世界ではちょっとした有名人である俳人・月岡草飛翁を主人公にした連作短編集。歳を重ねて朦朧たる意識の中で暮らしているこの老人がとにかくやりたい放題すぎて笑ってしまう。幻想味もあり、奇妙な味感もあり、何ともジャンル分けしづらい作品。明らかに投げてしまっていると思われる話が入っていたのがちょっと残念でしたが、それを差し引いてもすごく面白い小説でした。個人的にはこういうブラックユーモア小説を年に一冊読めるとしあわせ。
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