Sherfit Bakerさんのレビュー一覧
投稿者:Sherfit Baker
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室町は今日もハードボイルド 日本中世のアナーキーな世界
2021/11/23 15:10
よくわからない中世こそ面白い
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著者の本はすべて読んでいるが、すべて面白い。
やや読みにくい中公新書や岩波新書でさえも面白い。
ましてや今回の本は一般向けの度合いが高いのだから、面白くないはずがない。
読んでみて改めてわかったのは、著者はとにかく中世の様々な事例を知っていて、
知っているからこそ興味深い事例をいくつも挙げることができ、
中世の人々の思考方法を推測して解釈することができるのだろう。
歴史の面白さは、「今も昔も人間のやることは同じだということに気づかされること」だという考え方があるが、
著者の本を読むと、現代の人間と中世の人間は、根本的に考え方が異なり、
それこそが歴史の面白さだと気づかされる。
そういう意味では、著者は歴史に対する見方自体を変えさせてくれた。
そんな著者が中世の様々なエピソードを紹介し、中世の人々の考え方を分析するのだから、本書が面白いのも当然だろう。
2022/09/19 23:45
夫婦の在り方について考えさせられる傑作
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すばらしい作品です。ぐいぐい引き込まれ、2日間で一気読みしました。
・2組の夫婦の描写を通じて、夫婦の在り方について考えさせられる。
・人間の怖さ・優しさが描かれている。
・絵が美しい。男性も女性も非常に魅力的に描かれている。
・ちょっとした会話がウィットに富んでいる。愉快。
・主人公の女性の深層心理を表現する手法も楽しい。
作者の他の本も絶対おもしろいだろうと思えるので、読んでみたい。
2021/11/03 23:27
保守VS革新ではない、平成の政治史
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55年体制崩壊以後の日本政治の諸現象を、「改革」を軸に解き明かす。
一般の有権者には見えにくい、政党の支持基盤を背景とした戦略、
移民とポピュリズムなど、海外の事例との比較、
国内の様々な政治家の手法の違い、など非常に興味深い。
著者と同じ世代で政治には興味を持ち続けているので、この30年の動きの解釈は納得できたし、普段の報道を見ているだけでは気づけないことが多い。
頻出する「オルタナティブ」の意味はなかなか分からなかったが。
2021/10/02 23:27
日本人の投票行動と与党の政策戦略を解明
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アメリカなどと比較しての日本人の投票行動の在り方、その背景にある日本社会の特質などを解き明かし、不思議とも思っていた自民党の政策の背景が解き明かされた。
自民党の政治家の社会的な価値観は時代遅れにも思えるが、日本人は安保・同盟政策の価値観で投票し続け、社会的・経済的政策は主要な論点になっていない現状が、これからも続くのかが日本政治の焦点と分かった。
自分の価値観を診断できるテストは面白いし、諸外国の社会思想の分布図などの図も紹介されていて、興味深い。
あとは、アメリカ以外の諸外国ではどうなのかとか、戦後の日本でどう変遷しているかとかに興味があるが、アンケートを取れないと難しいですかね?
氏名の誕生 江戸時代の名前はなぜ消えたのか
2021/08/15 16:03
人名に関する疑問が解消
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これまでの、江戸・明治の人物名に関するさまざま疑問が解消した。
自分の名をどう認識していたのか、他人をどう呼んでいたのか、「~守」の国名は何の意味があるのか、「~右衛門」とは何なのか・なぜ消えたのか、など。
現在の(男性の)名前が、どう分類でき、江戸以来のどの流れに位置づけられるかなどもわかり、まさに目からウロコであった。
身近な事象について説明する歴史書で、ここまで読みやすく面白いというのはすばらしい。
江戸から明治にかけて、名前の概念が変更していくさまが、ストーリー仕立てのように語られ、このあとどうなっていくか、引き込まれるように読んだ。
紙幅があれば、西郷隆盛・後藤象二郎など、維新期の著名人がどのように自分の氏名を選択したかについても書いてほしかった。
また、中世の人名はどうであったかなども今後書いて欲しい。
日本大空襲「実行犯」の告白 なぜ46万人は殺されたのか
2022/03/28 21:25
残虐な焼夷弾爆撃の背景とは
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太平洋戦争時の米軍による日本空襲は,焼夷弾で一般市民が多く住む日本の都市を焼き尽くすという,今のロシア軍どころではない,信じられないほど残虐なものだった。
その背景には,様々な事情が重なっていたことが,元米軍関係者の証言によって語られる。
米空軍の自立への野望,ヨーロッパ戦線での失敗,巨額の開発費を無駄にできないという事情,精密爆撃の難しさなど。
戦争のむごさの一側面を解き明かす,貴重な書。
「昔はよかった」と言うけれど 戦前のマナー・モラルから考える
2022/01/26 18:14
道徳悪化論への警鐘の書
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政治家などによる,「日本人の道徳心が乱れている」という安易な考え方を徹底的に否定する,価値のある書。
海外で目にする,ゴミの散乱や,空港での荷物の抜き取りにはあきれることがあるが,この本を読んで,日本も昔はそうであり,それとて歴史的にみると価値観の相違に背景があるとわかった。
「むしろ昔のマナー・モラルの方が悪い」と断定するばかりではなく,歴史的背景まで掘り下げて書いていただけるともっと良かったと思う。
が,戦前の新聞などから,これだけの証言を集めただけでも頭が下がる。
歴史のIF
2022/01/15 23:40
「もしも」をテーマに中世を大観する
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歴史の「IF」の本だが、作者が言いたいのは、いずれにしても歴史の大きな流れは変わらないということだろう。
ただ、「○○が長生きしていたら」という仮定はいいとしても、「○○が慎重であったら」「○○が男としての自信にあふれていたら」という仮定は、そもそもの前提事実自体が曖昧であるような気がする。
それにしても、忙しいはずの作者が、多くの一般向けの興味深い歴史書を著していることには頭が下がるが、どれだけ本人が関わっているのだろうか。
「高師直」を「高師」と書いている箇所があった。1か所なら誤植であろうが、2か所あると、それが姓だと思っているのではないかと思えてくる。本人の名前で出す以上、せめて最終チェックはしていると思いたいが。
2021/11/14 14:54
旅行作家の時事本
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作者さくら剛さんの本もネットラジオも、すべて面白い。
この本は、作者が前書きで書いているように、
もともと知識があり、さらに深く学びたい人には向いていない、
というのは、その通りではあります。
しかし、ところどころにで出てくる海外旅行エピソードは、やはり本当に面白いので、
作者には、旅行の本をもっともっと書いて欲しいですね。
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