みずた まりさんのレビュー一覧
投稿者:みずた まり
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心を操る寄生生物 感情から文化・社会まで
2021/10/12 05:52
疫病下にこそ
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おもしろかった!
寄生生物というと回虫みたいな内部寄生虫を連想する。あたしもそうで,ハリガネムシとかの寄主の行動をコントロールする寄生生物の紹介かなと思って買ってみたけど,とんでもない。前半ではそういう事例もいっぱい出ていておもしろかったし,うちの歴代ねこたちがこねこのうちだけやたらに草を食べたがった理由もわかって(引用文献がついていたので,元論文にも当たれる。まだ読んでないけど)すっきりしたわけだけど,すごいのは後半。ほんとに寄生生物が人の心を操っているくさい話に圧倒される。
天然痘やコレラ,チフスの例を出すまでもなく,感染症がヒトのコミュニティに壊滅的な打撃を与えること=ものすごく高い淘汰圧になることはよくわかっている。病原体側も,他に移りやすくする行動をとらせる(くしゃみとか。インフルエンザに感染すると社交的になるという話題も紹介されている)という。だからヒトは(未知の感染症をもっているかもしれない)よそ者や感染症の兆候に似た外見を持つ者を嫌う,というロジックは,心の進化という文脈でわかりやすい。それは本能的なもの,心の働きの基底にあるものということになる。
感染症が蔓延した状況でこういう知識を持っているということは,そこで発動する強い感情の根元を問うことになるのだと思う。それで本能的な反応を制御することができる。感染者や医療従事者をいたずらに恐れ排除するような行動を鎮める根拠となりえたはずではないのか。
この本で書かれていることが,学問的にどう評価されているのかはあたしには分からない。でも,あの状況でなぜ,進化心理学の研究者が何も言わなかったのだろう,とは思う。
アウトリーチって最近よく聞くけど,どうも発信側がいいたいことだけを発信しているような気がしてならない。受け手のことを忖度してくれというのは難しいのだろうけども。
すぐに忘れてしまう自分が怖くなったら読む本 認知症を予防・克服する新習慣!
2022/09/19 21:19
「こわくなる」まえに読んだほうがいい
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多少とも脳科学に関心のある人は知ってることばかりじゃないのかな。海馬頑張れと思いながら日々過ごしているわけですよ。
まあ,これまでヒューマンサイエンスにあんまりふれてこなくて,でも高齢の家族がいるなという人には役立つと思う。読みやすさとかも工夫してあるし。いよいよこまる前に読んでおくと,いざという時役立ちそう。
でも,そうじゃない人,すでに困っている人にとってはどうなのかなー。少なくとも自分には,有用な情報はほとんどなかった。
症状が出始めた人への対応については書かれているけど,じゃあ対応する人はどうすればいいのだろう。これじゃ,ただただストレスを溜めるだけじゃん! 症状が出ている人が感情のある人間だということは書かれているけど,それに対応する人だって同じだし,大抵は他に仕事があって,万全の対応ができる訳じゃない。と言って,アウトソーシングできるほど経済的に余裕があるわけでもない。そこは書かれていないんだな。絵に描いた餅!
「うまくできなことはさりげなくフォロー」? 予防するためのメソッド? できれば苦労しないんだよね。自分だって暇じゃあない。「もうやめて!」って言いたくなるシーンは毎日なのだ。自分でやったほうがよっぽど手っ取り早いのよ。冷蔵庫開けたらかびたかぼちゃがいっぱいあって,それを捨てる辛さがわかるだろうか? みんなで支えるって,みんなって誰よ。リスクを下げる習慣って,夏のクソ暑い時にお散歩だって外出だってできないし,嫌いなものを食べされることもできない。嫌なことなんかやらないよ,我儘になってんだから。いいってことがわかってても,やってもらえない。対応する側は無力感に苛まれるだけよ。そういうとこ,わかってないんだな。
あんまり優しくない本だと思う。
ハウツー本ってそんなものか。
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