きりさんのレビュー一覧
投稿者:きり
紙の本このミステリーがすごい! 2022年のミステリー&エンターテインメントベスト20 2023年版
2022/12/06 09:30
毎年楽しみなミステリーブックガイド
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
自分が読んだ作品、特に好きだった作品はランクインしているのだろうかと、今年も楽しみにしていました。
ひとくちにミステリーと言えど、自分の好みの傾向があるので全く気にとめていなかった本も上位に入っており、読書の幅も広がるきっかけになっています。
出版社や気になる作家の「隠し玉」もしっかりチェックし、来年に備えるのも楽しい。
今年は西村京太郎の追悼コーナーがあり嬉しかったです。担当編集者の座談会が特に興味深く、出版業界のみならず日本経済の勢いがあった時代の様子が感じ取れました。ミステリー分野のますますの発展を願い、自分もたくさん買ってたくさん読みたいです。
2022/01/11 12:38
クリスマスに限らず、冬の読書にぴったり
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
クリスマスに向かう寒い冬の夜、時々キャンドルの火(暖炉がないから)に目をやりつつ温かい飲み物片手にする読書の醍醐味を味わいました。
ポアロやマープルにクィン、既知のストーリーでも探偵たちの人を見抜く才能に何度でもしびれるし、古風なイギリスの雰囲気も堪能しました。
やっぱり「クリスマスにはクリスティーを(A Christie for Christmas)」ですね。
紙の本本屋の堀ちゃん
2022/02/01 11:14
本屋さん、存在してくれて、本を届けてくれて、本当にありがとうございます!
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
書店員さんのお仕事小説や漫画が好きなので買ってみました。
いつも同じような感想になってしまうのだけど、本屋さんはもとより接客業の方々に頭が下がります。こうしてお仕事の裏側を知れることで、客として注意すべきポイントがわかるし、訪れた書店の工夫とか力を入れている所にも気づけるし、何より本に関するお仕事をのぞき見できるのは本当に楽しい。
前作があるようなので、それも読んでみます。
紙の本ねないこはわたし
2021/11/23 22:43
せなけいこさん作品が好きな方にはおすすめ!
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
子供だってひねくれていたりちょっと怖かったりむしゃくしゃ気分を描いたお話が好きなのだ。そんな興味を肯定して包んでくれるようなせなけいこさんの絵本づくりへの思いがつまった本でした。やさしい世界を届けて見守ってくれるというより、横で同じものを見ててくれる感じ。全部カラーで貼り絵がたくさん見られてそれだけでも満足。
2022/12/20 22:09
歴史に「大王」と評価されるであろう偉大な女王
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
在位70年にわたり英国の君主として君臨し文字通り歴史の生き証人であったエリザベス2世。
自身の言葉どおり英国とコモンウェルス国家のために人生を捧げ、時代の変化に合わせて王室を変革して世界中で広く支持され尊敬されてきた存在の大きさに改めて敬意を感じました。君主の存在意義への理解も深まります。
同じ著者(君塚直隆教授)が監修された『英国王室とエリザベス女王の100年』には、本書に解説される女王の人生の節目を記録した写真がおさめられているので併読もおすすめ。
紙の本方舟
2022/12/16 19:51
好き好き好き!
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
かなり話題になっているので、うっかりネタばれ踏んでしまう前に(とは言いながらしばらく積んでしまっていた)読みたかった本作。
探偵役の登場人物の推理過程も、読みながら一緒に内容を整理しつつわかりやすく読めてよかったのですが、なんといっても犯人がすごいです。
あまり多くは語れませんが、とにかく「あっぱれ」でした。
紙の本猫の菊ちゃん 2
2022/12/06 09:18
めろめろ
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
元保護猫の菊ちゃんが、里親のおじいさんとおばあさんのもと3人で穏やかに暮らしているのを見る至福。
ちょっと臆病な菊ちゃんですが、おうちではちょっとしたわがままも許してもらって好きな場所を占領し、おじいさんおばあさんをむしろ監督・保護しているような様子で微笑ましい。
巻頭の写真もかわいすぎて、つい声をかけたくなってしまいます。
続刊も楽しみです。
紙の本女子校礼讃
2022/02/15 11:49
生まれ変わってもまた女子校に通いたい
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
一口に女子校と言っても色々な校風と特徴で聞けば聞くほど面白い。
私自身、生粋の女子校育ちで女性だらけの環境がなにより心地よくて楽しくて、生まれ変わったらどこの女子校に行きたいかなと想像しながら読みました。女子校ノリで暴走したりのびのびした感じも懐かしいなあ。女子校へのステレオタイプをもっている人ほど読んでみてほしいです。
著者の一歩ひいたちょっと皮肉でとぼけたコメントも炸裂していて声に出して何度も笑ってしまいました。
紙の本受難華
2022/01/11 12:40
昔の本とあなどるなかれ
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
書店でたまたま目にとまって買って大正解!
1920年代に書かれていながら、私の2021年のベスト3に入る最高のエンタメ小説でした。
当時の恋愛観や常識はもちろん現在と違うけれど、恋愛や結婚にまつわる駆け引きや気持ちの動きはたぶん同じ。それが古風にドラマチックに描かれていておかしいやらしんみりするやら、当事者のようにやきもきしながら一気読み。何より最後がニクい。菊池寛の偉大さを再認識しました。
大正レトロが好きな人にも強烈おすすめ。
2022/01/11 12:34
本屋さんが個人的に選書してくれる取組、広まってほしい!
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
北海道の小さな町にある書店主が始めた一万円選書。厳しい書店経営のなかでたどり着いた取組とのことで、一読者として興味津々。全ておまかせではなく自分も自分の気持ちに向き合って一緒に新しい本と出会うような感じが素敵。
本は消耗品ではなく体験であり人の中に残るものという著者の考えにも共感しました。その体験を、本を薦めることで他の人とも共有できたり教えあったりもできて更に広がる。読書の喜びや可能性を改めて認識することができました。
日本各地で色んな得意分野や好みの書店員さんがこのサービスをやってくれたらなあ。本の料金以外にサービス料だってもちろんお支払いします!
紙の本イクサガミ 天
2022/02/15 11:56
怒涛の三部作はまだ始まったばかり
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
明治時代、背景もわからぬままいきなり生き残りをかけて殺し合いの火蓋が切って落とされる。
京都から江戸へ、規定以上の人数を殺さないとたどりつけないロードノベルは読み始めると強烈な巻き込まれ感があって大興奮。三部作、この後何が待ち受けるのかどきどき。この殺し合いがたどり着く先と背後の目的は何なのか、早く続きを読んで知りたい!
登場人物の個性の強さと戦いの迫力はさすがの今村作品です。
マンガとか映画のような迫力とよく言われるけれど、むしろ小説だからこその力と表現性を感じます。
2022/12/08 20:32
読み逃しチェック!
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
この1年に発売されて気になっていたのに、ランキングを見て読み逃していた作品を思い出して読みたい本リストがどんどん長くなる季節がまたやってきました。
ランキングに入っている新刊をどれだけ読めたかも数えてみるのもまた楽しいです。文庫ランキングがあるのもありがたい。
出版業界を振り返る「文芸誌編集長座談会」が思いのほか良くて、もっと聞きたく(読みたく)なりました。
2022/11/28 11:09
精神疾患の扱いの難しさ
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
精神疾患の有無によって犯罪者の裁かれかたが変わることに釈然としないものを日頃から感じていたのですが、本書を読んでもそれは払拭されません。ただ、医療者の向き合い方と法的な扱いはしっかり分かれていることは理解できました。犯罪と医療にまつわる様々な課題について考えさせられられます。
紙の本聡乃学習
2021/10/27 14:20
ふきだしたり、ほろりとしたり
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
自分も身体の衰えを日常のなかでも少しずつ意識することが多くなるお年ごろ、今回も小林さんへの共感点が盛沢山。体力や運動能力を維持すること、断捨離と住空間、ITへの順応、などなど、あー色々直接お話ししたい!特に、外猫だったホイちゃんとの一遍は泣きながら笑ってしまう傑作でした。
紙の本プエルトリコ行き477便
2022/02/17 21:03
命がけで新たな人生を手にいれる勇気に胸うたれる
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
自分ではどうにもならない生い立ち、境遇、家族の状況や、思わぬきっかけで陥った窮地に陥った二人の女性の人生が空港で交差し展開する物語。
エヴァの過去とクレアの現在を交互に読みながら、自分だったらこの局面でどうするだろうと常に自問せずにはいられません。一度でも判断を間違えれば命が危うくなる緊迫感をびりびりと感じながら一気読みしました。
読んだ後、誰かと内容を語り合いたくなる作品です。