fukuさんのレビュー一覧
投稿者:fuku
だれのせい?
2023/05/08 17:53
他責思考を省みる
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繊細なタッチの絵で文字量も多く、示唆的に富む内容なので、大人にもとてもおすすめです。長年残りそうな読み応えのある絵本。
ヤマザキマリさん初の絵本翻訳ということですが、また新たな一面がみられて興味深いです。漫画のみならず、知的なエッセーに翻訳、お話も上手だし、本当に言葉の達人ですね。
とんでいったふうせんは
2023/03/01 18:18
とても優しく、とてもせつない
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薄れゆく記憶と渡されるバトン。
「ふうせん」という比喩が、認知症の寂しさを優しく包み込んでくれています。
大人が読んでも、いやむしろ、大人の心に響く一冊です。
もちろん、認知症の祖父母がいるお子さんにも。
運気を磨く 心を浄化する三つの技法
2022/11/21 14:01
心をポジティブな想念で満たす技法
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本書で書かれているのは、
・人生で起こることすべてに深い意味がある、解釈力大事
・与えられたものに対する深い感謝
などなど、他の本でも言われることではあります。
特筆すべきは、研究者として、整然とした構成・展開となっていることです。
工学の専門家である筆者がこういう本を出している点に意外性と
運や人生の奥深さを感じます。
感謝の気持ちは本当に大切なのだとこの本で再確認できました。
あとは自分自身が実践するのみ…
そして、ぼくは旅に出た。 はじまりの森ノースウッズ
2022/09/22 17:55
勇気と直感
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著者のことは、土門拳賞を受賞したとのニュースではじめて知りました。
そのニュースがとても印象的でこちらの本を購入。
スティーブジョブズが生前「勇気と直感を大事に」と言っていたのは有名ですが、
著者はまさにそれを体現した人物で、それを本書で見事に文章化しています。
勇気を持ち、直感に従った行動力に感服。
インスタの写真も素敵でした。これからの活躍にも注目したいです。
おすすめの一冊です。
庭仕事の真髄 老い・病・トラウマ・孤独を癒す庭
2022/03/22 18:28
園芸の効用と哲学
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庭仕事という主体的な営みがいかに心身に良いのかということを
(ただ単に自然とのふれあいが素晴らしいと言っているのではない)、
精神科医としての立場から論じた本。
犯罪者の更生プログラムの一環として園芸が活用されていることなど、
様々な事例が紹介されている。
同じようなことが何度も書いてあるのでややくどいが、読み応えがあった。
京大おどろきのウイルス学講義
2022/01/09 15:40
深遠なウイルスの世界
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コロナ禍の初期に、宮沢先生が提言されていた100分の1作戦がとても理に適っていると感じ、以来、注目していました。
本書は、時間と個体を超えてウイルスが果たしてきた役割が書かれています。
当方の知識不足で一読で頭に入ってこないところもありましたが、全体として勉強になりました。
特に後半の胎盤の話、レトロウイルスの役割など、興味深かったです。
2025/06/13 16:58
冷静で温かい
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筆者は「おわりに」で
「本書を読めば『人生が変わる』などと約束するつもりはない」 と言っている。
この謙虚さは本全体に表れていたように思う。
押しつけがましくなくて、でも突き放すでもなく、より前向きな方向に関係を導く。
それなりにボリュームもあるものの、総じて読みやすく、スッと頭に入る文章だった。
2025/05/15 10:54
読み応えあり
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テレ東の番組で紹介されていたので手に取ってみました。
番組の中でも言われていましたが、主人公を中心としたストーリーのみならず、労働者の日常も丁寧に描かれています。実際、著者自身が様々なバイト経験に基づき書いたと仰っていました。
緊迫感によるテンポの良さ、丁寧な描写、現実感、冤罪という壮大なテーマが折り重なって、とても印象に残る一冊となりました。
2025/02/17 15:28
心は心を通してしかみることができない
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東畑氏の著書が以前から気になっていて、こちらから読んでみた。
多くの人に重なるであろう相談事例、クスっと笑えるエピソードと色々な話が盛り込まれており、気取らない文章で読みやすかった。
(言われてみれば当たり前ですが)心は心を通してしかみることができない、という一節が印象的だった。
2024/09/11 23:05
正直で謙虚
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翻訳に生きて死んで、に続いて、こちらも読んでみた。
数々の面白エピソードや苦労話の中に透けて見える謙虚なお人柄に好感が持てる。
本書自体の翻訳も、機微や雰囲気が伝わるように工夫なさったのだろうと推察。
「人生はしゃぶしゃぶ」に、思わず吹いてしまいました。
2024/08/14 13:13
現実味と現代味
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事前知識なしに読んだが、宮沢賢治が変に美化されておらず、
清貧が強調されるはずもなく、でも現実味があってよかった。
作家や芸術家の中にはダメ人間だったり、どこか抜けている人は多い。
また、親がアレコレ手を焼いてしまうのはどこか現代に通じる。
ただ、永訣の朝の描写はやはり、グッとくるものがある。
2024/08/13 11:56
金、運、縁
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金の切れ目が縁の切れ目と言うが、
そう簡単に線引きできるものでもない。
だからストーリーに引き込まれる。
切ってしまう人が悪いわけではない。皆必死なのだから。
全然違うジャンルの本だが、『実力も運のうち』を思い出した。
主人公は1980、81年あたりの設定だろうか。
時折言及される社会情勢の話も懐かしかった。
2024/07/08 15:41
交錯
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早すぎる死と直面する人たち。
時間やお話が交錯し、重層的な構成となっています。
癌や事故は誰しも身近に起こり得るから、多くの人の心に響くのでしょう。
どのお話も、先に逝く人のことを悼む人がいて、その点に救われる思いがしました。
おとうさんの庭
2024/06/03 22:50
人生の厳しさとぬくもりと
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自然の厳しさ、動植物とのふれあい、仕事、巣立ち、親子愛など、多要素が込められていて、深みのある良質な絵本です。
また、時が流れれれば、状況が変わる、苦境は続かない、そんなメッセージも個人的には読み取れました。
とても素敵なお話と繊細な絵です。
大学教授こそこそ日記 当年62歳、学生諸君、そろそろ私語はやめてください
2024/05/16 19:13
安定の日記シリーズ
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私自身、(この教授と近い分野で)アカデミックな世界に片足を突っ込んでいたので、なんとなく想像でき、興味深かった。
公募、入試委員、学生対応、学内政治、奇抜な同僚、地方大の大変さ、牧歌的な時代の良さなどなど…盛りだくさんで読み応えあり。
金銭話や最終章の苦労話をはじめ、人間味が感じられ、軽く読める一冊。
科研費の話はあまりなかったような…(何か事情があったのか)。理系版がもし出たら読んでみたい。