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  3. 藍花さんのレビュー一覧

藍花さんのレビュー一覧

投稿者:藍花

32 件中 1 件~ 15 件を表示

黒牢城

2022/05/15 08:06

世の常

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

荒木摂津守村重は、信長に叛旗を翻して有岡城に立て籠る。
秀吉の使者・官兵衛に翻意を促されるが、城内の土牢に閉じ込めてしまう。
毛利の援軍を待つ城内で奇怪な事件が起こり、家中の動揺が収まらなければ落城は免れない。村重は官兵衛の力を借りても謎を解かねばならない。

米澤穂信さんの直木賞受賞作です。
戦国の世の習いとミステリーを絡めて、村重が追い詰められていく様を存分に描いています。
史実を知っていても、この先どうなるかと手に汗握って読み進めました。
官兵衛が示唆するとおり、自分が思っているのとは、実は逆というのが世の常ということでしょうか。

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泣き娘

2022/11/23 22:34

多民族国家中国の光と闇

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

唐時代、武則天が治める神都で泪飛は哭女―葬儀での慟哭を生業とする女―として随一の人気を誇る。しかし、それは両親を亡くして妹と弟を養う燕飛の女装した姿だった。
ある青年との出会いから、泪飛・燕飛は様々な事件に立ち向かい成長し、やがては夢を取り戻す青春ミステリー。

中国史上唯一の女帝・武則天(則天武后)の時代を舞台にした小説です。
主人公の燕飛は官吏を目指していましたが、生きるていくためにやむなく哭女となります。
哭女は人死に関わるため忌み嫌われる仕事ですが、葬儀に参列することで死者の家に深く入り込み、死の真相にたどり着く手がかりを得ることができます。

貴族の青蘭や官吏の黄偉と親交を深めつつ、当時の政治状況や多民族国家中国の光と闇に紛れた死の真相を突き止め、燕飛が成長していくという物語です。
燕飛が探偵役を務めるミステリーではありますが、そこがメインではなく、あくまで青春小説ですね。

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隆家卿のさがな姫

2022/11/06 23:06

Can't handle my daughters

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

太宰権帥の藤原隆家は、武士団を率いて刀伊の入寇を退ける。しかし、任期を終えて帰京しても、道長の入道に睨まれて恩賞にも昇進にも与れない。その上、長女の姫には婿取りの世話をしないクソ親父と罵られる。
道長を敵に回して、さがな者が宮中を舞台に暴れ回る。

中納言の隆家といえば、枕草子や大鏡のエピソードが有名です。中宮定子は姉、藤原道長は叔父にあたります。
道長と対立したほか、花山院に矢を射る事件を起こすなど、天皇家に対しても容赦がなく、「さがな者」と呼ばれた荒くれ者です。
その一方で、娘たち(と妻)にはめっぽう弱い父親(夫)です。

物語は、隆家が道長ととことん対立していくのですが、それには訳があります。これは是非読んで確かめてください。
また、本作は裏から見ると、出家してもなお政治の表舞台から降りられない道長の物語で、その苦悩は深いものがあります。ここも読みどころだと思います。

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籬の菊

2022/05/15 15:46

ノブレス・オブリージュ

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

兵部の君は高貴な生まれだが、父を亡くして後ろ盾がなく、東宮の長女に出仕する。
不遇の乳姉妹が摂関家継嗣の子を身籠ったと聞き、一時は嫉妬に駆られるが、これを助けたいと思う。
その頃、摂関家と不仲の東宮が皇位に就く。乳姉妹に関わるのは帝の意向に背くことになるが……

平安時代の貴族社会が舞台です。
実在の人物をモデルに史実の間を埋める物語なので、史実を知っていると結末は分かってしまいますが、わたしは興味深く読みました。
本作の特徴として、会話は古文調ですので、ちょっと戸惑うかもしれません。内容は地の文で説明されるので、古文が苦手でも大丈夫です。
半分くらいまでは舞台を調えるに費やされるので、ちょっと単調に感じるかもしれません。その後は兵部の君がどんどん動いていくので、一気に読めます。
余談ですが、高貴な人たちも家族間では関西弁で話すんですね。本当のところは分かりませんが。
あと、表紙が劇画調でちょっと怖いのが残念です。

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春や春

2022/05/03 08:23

青春俳句エンターテインメント

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

国語教師に俳句の価値を否定された須崎茜は、同好会を立ち上げて「俳句甲子園」への出場を目指す。
個性豊かな会員とともに作句や鑑賞(批評)の練習に励み、ついには全国大会出場へ。
かつて茜が句会で出会った少年との再会、勝負の行方は。

この作品のちょっとだけ残念なところは、展開を急ぎすぎる場面があることです。
俳句を用意するのが大変という理由もあると思いますが、試合の場面が少し端折りぎみですね。

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五代目同士の友情物語

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

源頼政は、鬼退治の英雄・頼光の玄孫。時の関白から宇治の治安を守るよう命じられる。時を同じく、陰陽師安倍晴明の玄孫・泰親は平等院の経蔵にこもっていた。
人魚、鵺、浦島子、妖狐……宇治で生じる怪異に頼政・泰親の凸凹コンビが論理と武芸で立ち向かう!

平安時代の伝説的人物の五代目同士の友情物語です。
タイトルのとおり、いろいろな怪異が出てきますが、泰親の明晰な頭脳が論理的に解き明かします。その視点から、数々の怪異は現代の目で見れば、こういうことだったのかと思わされます。ただ、それだけで終わらないのも、この作品の良いところです。

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栞と嘘の季節

2023/03/26 11:16

栞の配り手を追う

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

図書委員の堀川次郎と松倉詩門は、返却本の中にトリカブトの花の栞を見つける。二人が持ち主を探す中、コンクール入賞の写真にトリカブトが写り、校舎裏で栽培されていた。
毒の栞は使われ、教師の一人が中毒で救急搬送されてしまう。二人と瀬野麗が栞の配り手を追う。

図書委員シリーズの第2弾です。
今回は毒性植物トリカブトを押し花にした栞を巡る物語です。
堀川と松倉を含め、登場人物のそれぞれに思惑があり、言っていることが全てではないので、相当注意深く読まないと、読者が先に真相に辿り着くのは難しいです。
堀川と松倉の関係は、本作でもある種の緊張関係にあって、これが本シリーズの独特の雰囲気につながっていますね。
米澤先生も人気があれば続編もあると言っているそうなので、今後も期待したいと思います。

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天狗と付喪神の正体は?

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

宇治の源頼政は、物の怪に憑かれた貴族の少年に出会う。安倍泰親が平等院で調伏の儀式を行う中、「天狗」が現れて宝蔵から『源氏物語』幻の巻「雲隠」を奪う。
10年を経て僧の前に現れる大海蛇、朱雀門跡の器物の怪異、播磨の山神。再び現れた天狗の正体は?

陰陽師と鬼退治の英雄の五代目コンビの平安ミステリー第2弾です。
平安期末の世にあっても、泰親はあくまで論理的に怪異を捉えます。今回は姿を変化(へんげ)させる天狗の存在をどう解決するかが問題になりましたが、これもきちんと説明されました。
2作目になり、人間関係も少しずつ動いてきました。1作目は完結のつもりで書かれたそうですが、続編が書かれたので、このままシリーズ化するのではないかと思います。
次回に期待です。

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MR

2022/11/06 23:13

製薬業界版「半沢直樹」

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

天保薬品の堺営業所長・紀尾中正樹は、病院向けの薬の営業を担当するMR(医薬情報担当者)を率いて、高脂血症の新薬「バスター5」の診療ガイドライン収載を目指すが、ライバル社による数々の妨害工作に遭う。
新薬の研究開発を巡る会社内部の対立。
真の「患者ファースト」とは?

本作は一言でいってしまえば、製薬業界版の「半沢直樹」です。
目的のためには不正も厭わない外資系企業のライバル社員や新薬の研究開発で対立する会社上層部に、紀尾中が優秀な部下とともに、あくまで正論を貫いて立ち向かうというお話です。

エンタメ小説なので、誇張やフィクションが多分に含まれると思いますが、製薬業界・医療現場での現実の一端が垣間見れて、それだけでも興味深いです。わたしは楽しく読みました。
個人的には、かつての上司に製薬会社で営業をしていた人がいて、話を聞いたことがあったというのもあります。

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パリピ孔明(11)

2022/10/23 06:14

天下泰平の計Vol.2

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

EIKOのデビューアルバムも完成し、ついに始まったサマーソニア2020。
前園ケイジはEIKOを徹底的に潰すため、KABE太人の引き抜きを図る。
ケイジの妨害工作でEIKOの会場に人が集まらない。孔明は東南の風を吹かせることはできるのかは。「天下泰平の計Vol.2」始動!

ついに最新巻まで追いついてしまいました…
孔明は東南の風を吹かせ、赤壁での火計を再現させようとしています。やはり、あれは苦肉の計なのでしょうか?
偽りの水魚の交わりは、真実に勝ってしまうのか。続きが気になります。
12巻が出る来年の1月が待ち遠しいです。

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恋の行方は前途多難

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

水尾爽太は毒島花織に思いを寄せるが、関係は進展していない。
勤務するホテルで宿泊料金を踏み倒した客は大量の睡眠薬を処方されていた。
認知症の薬がなくなる同僚の家、筋トレに励む同級生、病院で再検査を受けない先輩。
薬剤師としてのあり方に悩む花織に爽太は?

薬剤師・毒島花織の名推理の第二弾。
一般の人はなかなか薬に関心を持ってくれないのに、爽太は毒島さんが目当てとはいえ、薬に関心を持っています。そういうギャップに毒島さんは悩み抱えます。
それだけ爽太は毒島さんに影響を与えているのに、お互いに鈍いから相変わらず気づかないというお話です。

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毒はいたるところに

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

新型コロナウイルスが猛威を振るう中、水尾爽太が勤めるホテルで従業員の高熱が続出。果たして新型コロナ感染症なのか。自主隔離した爽太は心当たりを調べる。話を聞いた薬剤師の毒島花織はある可能性に辿り着く。酒乱を止めた魔法、頻繁に薬局を訪れる母親の謎は?

薬剤師・毒島花織の名推理の第三弾。
新型コロナが蔓延する中で、PCR検査も受けられず不安に陥る爽太たちを毒島さんの考察と推理が救います。ヒントはたくさんあって、たぶんこの方向のことだろうと思いました。
今は検査ですぐに分かると思いますが、この当時に突き止めた毒島さんはすごいです。
しかし、新型コロナのせいで会えなかったりで、爽太と毒島さんの関係は進展せずです。
今回は原木くるみが大活躍でした。
馬場さんは、相変わらず健康を省みない態度だったのですが、今回のことはさすがに応えたようですね。

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斧琴菊

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

信州随一の実業家・犬神佐兵衛翁は、奇妙な遺言状を遺して亡くなった。翁の3人の孫である佐清・佐武・佐智は、恩人の孫である野々宮珠世との結婚を条件に犬神家の事業と財産を手に入れるという。
金田一耕助は予期される事件の調査のため、招かれて那須市を訪れるが、翁の孫たちは次々と殺されてしまう……

本作は、おそらく横溝正史の一番有名な作品でしょう。原作である本作より映画、特に佐清のマスクのイメージ強いと思います。
ストーリー、トリックとしては、実はそれほど複雑なものではないのですが、死してなお影響力を行使し続ける佐兵衛の周到さに畏怖を禁じ得ません。

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夏休みの空欄探し

2022/07/16 22:57

青春のきらめきとはかなさ

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

高2の成田頼伸(ライ)は、クラスの人気者成田清春(キヨ)「じゃない方」と呼ばれていた。
ある日、暗号について話していた姉妹に出会い、暗号の解読に乗り出す。その途中でキヨも加わり、4人で暗号を追う旅をする。
暗号も最終段階となるが、突然の別れが訪れる。

似鳥先生の新刊で、夏休みを舞台に暗号を追う4人の男女の物語です。
「オタク」タイプのライと、その対極のキヨは、これまであまり接点はありませんでしたが、この旅を通して影響を与え合います。
雨音、七輝の立原姉妹との恋の行方、暗号の意味が分かった時、青春のきらめきとはかなさがあふれます。

この季節にぴったりの作品で、今まさに四人と同じ世代の人も、かつてそうだった人も読んでほしいです。
これを読んで、何もなくてもきらめいていた夏の日を思い出しました。
もうひとつのテーマ、ミステリーとしてのメインの暗号ですが、これはとても難しいです。
これを解けた人は本当にすごいです。

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惑星カロン

2022/06/05 07:27

文化祭後

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

文化祭が終わり、3年生が引退して気持ちの入れ替えが大変な頃、吹奏楽部の穂村千夏は自分のフルートに物足りなさを感じていた。そんな時、楽器店で出会った総銀製のフルートは呪われているという。暗号、全開事件、都市伝説を詰め込んで、表題作を含む4編の連作短編集。

このシリーズをここまで読んできてよかったと思える1冊です。
連作短編として、この巻が素晴らしいのはもちろん、このシリーズを通しての穂村チカの成長と全体の謎への接近が見られて、この先がもっと楽しみになりました。

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