私の右手は左利きさんのレビュー一覧
投稿者:私の右手は左利き
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ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー The Real British Secondary School Days 2
2022/07/24 10:27
リアルタイムのイギリス庶民生活。
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#ブライトン#Brighton(ロンドン の真南、海浜都市)の元公営住宅地に、アイルランド系の夫と息子と三人で暮らす著者の日常の物語です。パートI はブレグジットを始めとした政治的な混乱が巷の人々に与える影響を中心に描いていた印象でした。その時、中学校に入学した息子は13歳、思春期に向けての日々の変化を忠実に生き生きと描いていて、ページをめくる手が止まらず一気に読めてしまいます。イギリス社会の変化も著しいです。多様な国(アフリカ、アジア、東欧など)の移民たちの庶民生活への流入。LGBTQ、ノンバイナリーについての教育の変化。著者自身が日本人という異文化性を纏って生活しているが故に、多様性について客観的に捉えて柔軟に対応できる素地がある家庭環境下、息子も素直に変化を捉えて話題を振りまきます。そのやり取りを読んでいると、新鮮な驚きを感じつつ、考え方を改めさせてくれるような感覚になるのです。安易に正論へと導かずに、それぞれの立場に立って考え感じてみるスタンスが、著者の軽妙な語り口に乗ってリズムよく感じられます。イギリスにおける社会環境の変化は日本でも同様に起こっているのか、と改めて気付く部分もありました。
社会の変化と呼応するように起こる息子の中での変化は、思春期を迎えて「そして息子はもうそのことをわたしには話してくれない」という語りに感慨深いものがありました。
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