えびしさんのレビュー一覧
投稿者：えびし
ワトソン・ザ・リッパー さる名探偵助手の誰にも話せない過去
2024/03/27 06:56
【神にも悪魔にも魅入られた贖罪を背負って、この闇を裁こう】
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大英帝国の首都、ロンドンにてカトリックの若き神父が、切り裂きジャックに狙われる少女を警護する中で、歴史と信念がぶつかり合う物語。
名探偵、シャーロックホームズの偉業は、市政に知れ渡る中で、その影で蠢く切り裂きジャックの伝説は、寡聞にして聞かない。
この物語はそこに焦点があたる。
身分の違い、宗教の違い、出自の違い。
この世界ではそういった差別の十字架を背負って生きる者達が描かれる。
霧と蒸気、悪魔と探偵が闊歩する街にて。
悲恋に至る結末を是非見届けて欲しい。
星を掬う
2023/02/07 21:06
【思い出の海に沈んだ美しい記憶をそっと掬い集めよう】
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夫から激しいDVを受ける千鶴は、かつて自分を捨てた母親が住まう住居に身を寄せ、そこで出逢う人々と共に、気付きや変化を齎していく物語。
母親に捨てられたせいで不幸になったのだと、世界を僻んでいた千鶴。
夫に人生を支配されて、身も心も傷だらけだった。
静かな絶望に身を窶す中、自分の母親が住む住居に転居出来る機会を手にする。
そして、そこで出逢う人々と幸せの形を模索する。
自分が下した人生の責任は自分だけの物。
認知症を患った母親と共に零れ落ちる記憶を掬い集めていくのだ。
2025/01/10 01:01
【神と人の心の架け橋となる、悠久の想いを次の世代に継いで行く】
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先代御用人の敏益は、切実な願いを抱く久久紀若室葛根神と共に食べ歩きしたり、良彦の前に三条小鍛冶宗近命が現れたり、カフェでバイトを始めた穂乃香の優しい日常を切り取った物語。
自らの拠り所となる居場所も時が移ろえば、変わっていく。
人々に愛された名店も、いつかは儚く廃れていく。寂しい事かもしれないが、それが人の世の理。
祀られない神がこの世を去るように、抗えない結末で。
それでも、素敵な思い出を後世に継いでいく事が出来る。
その役目が御用人の本懐なのだろう。
2024/12/20 00:07
【神の償いと決意を背負い、人だからこそ出来る事】
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地震が頻発する日本で、大建て替えの危機に瀕す荒脛巾神と田村麻呂の悲しき過去や黄金の深い後悔を知った良彦が立ち上がる物語。
黒龍と金龍、互いに大切な物を失った者同士。
二つで一つの支え合える関係の筈だった。
しかし、大建て替えによって決定的に袂を分かつ。坂上田村麻呂と阿弖流為の絆、蝦夷の神が追い求める理想郷。
更には事の元凶である荒脛巾神さえも。
様々な神の願いを知って皆を救いたいと思った良彦。
御用人である自分だからこそ、出来る事がある筈。
神と人の心の架け橋となるのだ。
2024/12/13 00:05
【神だって情を移せば、迷いが生じて後悔の残滓が残る】
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全国を飛び回る良彦に清掃会社から正社員の打診が入り、黒龍の親子愛を垣間見る中で謎に包まれた黄金の過去が明らかとなる物語。
この世は幾度と盛衰を繰り返す。
神に舵取りを任せられた者が、ある時は天変地異を招き、ある時は、子孫繁栄に影響を及ぼし、またある時は、兵器を開発し、世界を混乱に貶めた。
世界を良くしたい一心で、母性に満ち溢れた黒龍に世界を任せる。
ただただ、子に優しく在ることが親の責務では無い。
時には心を鬼にして叱りつける。
子が健やかに育つのを願うからこそだ。
未来から来た花嫁の姫城さんが、また愛の告白をしてとおねだりしてきます。２【電子特典付き】
2024/11/17 00:30
【変わらない過去に縛られないで、未来に宝物を残そう】
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未来から遡行してきた冬花の目的である、姉の夏美に対する後悔を白馬が全力で解決する物語。
太陽の様な存在の夏美を失った悔恨。
彼女との約束を守る為に家族一丸となって頑張ってきた。
そんな努力を嘲笑うかの様に世界は残酷でまさに呪いその物だった。
最悪な現実を変える為に、白馬に協力して貰う為に、冬花は全てを犠牲にしてタイムリープした。
人の行動を規定する記憶に縛られながらも。喧嘩して、正直にぶつかり合い、互いを理解して乗り越える。
未来に宝物を残せた幸福な結末だったのだ。
2024/11/12 23:52
【親愛なる家族を想う心、後悔と郷愁に彩られた故郷】
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孝太郎に同乗して東京へ訪れた良彦達は、大手町の怨霊と邂逅し、三女神の過去が千年の時を経て蘇る物語。
枝葉末節。
今の自分が在るのは、先祖の魂が代々と受け継がれているからである。
実は、藤原の末裔だった孝太郎に連れられ、辿り着いた東京で、復讐に燃える平将門。
その呪われし男とは、何と穂乃香を溺愛する怜司で、妹を愛するからこそ離れる過去を持っていた。そして、九州で知る飛鳥時代と現代を結ぶ宗像三姉妹の積年の想い。
神様にだって後悔はあり、故郷を想う複雑な気持ちがあるのだ。
「一緒に寝たいんですよね、せんぱい？」と甘くささやかれて今夜も眠れない
2024/09/11 01:08
【眠れぬ夜ほど孤独な物はない、でも君と過ごせるならば】
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ある理由で眠れない少年が、深夜の公園で後輩の少女と二人きりの夜更かしを始める物語。
現代病の一種である不眠症。
巷では様々な手法で、入眠へ誘う方法が試されるが、自分に合わない方法だとかえって入眠の妨げになる。
かといって、睡眠不足を放置すると、日中に様々な失敗を引き起こす。
獏也は、自らが不眠症になった原因を君鳥と共に向き合う事で克服しようとする。
恐らく、必要だったのは安心感。
眠れない自分を否定しないで認めてあげる事で。
その先で、君鳥の心の問題を解決するのだ。
2024/09/06 13:00
【あなたの味気ない青春を、電子的に彩ってあげる】
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陰キャな少年の誕生日に最新型、超高性能な美少女型スマートフォンが送られてくる事で、奥手な少年に代わって様々な機能で学園生活を彩る物語。
自分のスマホが擬人化して、生活を支援してくれたら。
現実でも既にAIが様々な面倒事を人間以上の精度でやってのけてくれてる。
青春を薔薇色に謳歌したいという野望を持つも、性格のせいで、頓挫している為明。
そんなうだつの上がらない彼の元へ、エクストラがやって来る事で。
コミュ力抜群の彼女が級友達の心を鷲掴みにして、青春を彩ってくれるのだ。
経験済みなキミと、 経験ゼロなオレが、 お付き合いする話。その５
2024/08/24 23:18
【伝えられない想いにやきもきしながらも大人の階段を踏み出す】
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修学旅行を迎えて三者三様の恋模様を送る龍斗達は悩みながらも大人の階段を駆け上がる物語。
恋人になる上で切っても切り離せない性の問題が浮上してギクシャクする龍斗と月愛。
相手を大切にしたいと思う程に恋に臆病になる。
そんな悩みを抱えているのは彼らだけでは無かった。
祐輔に複雑な想いが燻る朱璃。
柊吾への気持ちが蟠る笑流。
笑流に横恋慕する蓮。
各々が一筋縄では行かぬ恋の障壁に煩悶とする。
己の掲げる理想を目指しながら切磋琢磨する彼らは少しずつ大人へと成長するのだ。
経験済みなキミと、 経験ゼロなオレが、 お付き合いする話。その３
2024/08/17 23:47
【魅力的になる君に釣り合える人間になる為に必要な事】
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激動の夏休みを終えて、刺激的な二学期が始まり、文化祭に体育祭と様々な恋の花が芽吹く物語。
眩しい夏の中で、月愛と共に走り抜けた龍斗。
彼女と過ごす日々は様々な事を教えてくれた。
人を信じる事。
過去を受け入れる事。
人を愛するという事。
経験豊富な彼女に追い付く為に、今の自分に何が足りないか自問自答して。
そうやって足掻く軌跡を間近で見た、海愛、笑流、朱璃、柊吾達にも恋の刺激が良い意味で影響を及ぼす。
皆、それぞれが想い人に近付けるように不断の努力で己を高めて行くのだ。
2024/07/30 22:23
【離れ離れになったあなたの窮状を、今度は私が切り拓く】
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冤罪で投獄された清霞を救うべく、孤軍奮闘の美世は軍本部に向かう中、清霞の式と出逢い、作戦を練り、甘水との決戦を迎える物語。
不当な目的で投獄された清霞。
理不尽さに耐え忍ぶ中、思い浮かぶのは美世とのかけがえない日々だった。
闇の中で導く光を頼りに何とか正気を保つ。
一方で正真正銘の孤独となった美世。
甘水の企みにより、己の身代わりになった清霞を想い、無謀でも敵地に向かう事を決意する。
その袖を引く清霞の式。
博覧強記な彼の支援の元で、
美世は清霞の窮地を切り拓くのだ。
2024/07/27 21:56
【夢の中に在る過去が、あの人へ告げる想いを邪魔する】
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帝都では甘水率いる異能心教が悪辣な侵略を始め、理由は異なれど同じ様に標的にされた美世と皇太子の堯人が身を寄せる宮城に暗雲が影を落とす物語。
異能心教による帝の略奪。
それは、日本に大きな奔流を齎し、権威争いに終始する帝達に吉凶を施す。
一方で浅からぬ因縁を抱えた美世と堯人。
互いがまさに仇と呼べる存在で。
共に過ごす中で複雑な胸懐を呼び起こす。
夢見の能力を持つ美世を国家反覆の為に利用する異能心教の奸邪な影が迫る。
心に蓋をする美世に清霞が一世一代の想いを告げるのだ。
2024/07/11 00:16
【激動の祝祭が開幕し、過去に縛られる屍漁りは何を企むか?】
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決戦リーグが大々的に始まり、豪華な報酬と特殊なルールを設けて、一連の教師殺しを炙り出す中、屍漁りの魔人が暗躍する物語。
危険には相応の見返りがある。
だからこそ、キンバリー生は自らを苦境に置く。
ユーリィが追いかける骨抜き事件の犯人と目されるサイラスは、人骨を集め不穏を企む。
一方で特殊な環境渦巻く決戦リーグで、オリバー達は報酬を求める以上に、己の結実を試す。
研鑽と修練の日々を凌駕する強敵達と火花を散らし。
祝祭で各々の思惑が錯綜し、命賭けの闘争が滾るのだ。
2024/07/02 21:02
【虹色の青春で、灰色の世界を色鮮やかに変えよう】
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夏休みを経て、陽花里と詩に好意を寄せられる夏希は、芹香から文化祭で寄せ集めの余り者達で、バンドをしようと誘われ始まる物語。
誰かに好意を抱かれる事は素晴らしい事ばかりでない。
取捨選択を強いられるのは、苦悩と葛藤の連続だ。夏希は、その溜まりに溜まった鬱憤を解放出来る機会を芹香から貰った。
ハリボテだった己の想いにけじめをつけ、先に進む為の救済してくれる音楽を。
今の居心地の良い関係性を変えたとしても。
ちゃんと想いを形にしたい。
その決意が灰色の世界を虹色に変えるのだ。
