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スマートクリエイティブさんのレビュー一覧

投稿者:スマートクリエイティブ

42 件中 1 件~ 15 件を表示

現代語訳 暗黒日記

2025/05/22 15:48

清沢の悲しみに咽ぶ

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

戦前活躍した外交評論家の清沢冽(きよし)氏が昭和17年5月から敗戦の年20年5月に亡くなるまで「戦争日記」として綴った日記である。1954年に発刊された清沢の書籍を、丹羽宇一郎が抜粋して現代語訳し、2021年12月に発刊した。清沢の言葉を借りた丹羽のいいたいことをまとめたものだ。
本書の最初のページから。(清沢の記述には「★」をつける。丹羽の記述は『』で囲む)
「★筆を持つものが、後世のために何らかの筆跡を残すことはその義務である(昭和18年10月)。蛮力が国家を偉大にするという考え方を捨て、叡智のみがこの国を救うものであることをこの国が覚るように(20年1月)」
これを受けて、丹羽は以下のようにつづっている。
『清沢の日記につづられている戦時下の日本人とその社会の姿は驚くほど現代と似ている。何かひとつきっかけがあれば、日本人はたちどころに戦前のような好戦的な国民になってしまいかねないという危惧さえ覚えずにはいられない。
 我々には、二重の安全装置が必要である。ひとつは強力な武器をもたない。もうひとつは戦争に近づかない。できるなら、自分の獣性、愚かさを自覚し、戒める力を心に宿す。我々自身がそんな危険で愚かな存在なのだという現実と、戒めの心を忘れてはならない』
 本書の構成は、清沢の書いていた日記のうち、一部を抽出して紹介し、そこに丹羽が解説を加えている部分と、それらを含む昭和19年1月から20年5月までの日記を、時系列に3部構成にして現代語訳して載せている部分から成る。

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潜熱

2024/03/24 20:51

同年代のこころをつかむ小説

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地方出身の畳屋の息子相良が、コピーライターを目指し、作詞家に転向し、最終的には作家を目指す大河物語。高校時代からの友人である母子家庭に生まれた大場、寺の跡取り保科とともに人生を格闘する。
いろんな場面での乙川の文章を紹介したい。
■親と家からの独立の場面。「家という強固な日常や親の一方的な保護から青春を守ることが子の望みであった。(中略)この小さな自切(説明:切り捨てて身を守ること)からはじまる本当の人生を思うとき、郷里の埒(らち)に守られた未熟な歳月は幻でしかなく、消えたところで惜しいとも思わなかった」
■40代でロッティとの子ジェニーができた場面。「男と女のなりゆきに思えていた夫婦の人生が他動的に遠い大海を目指して流れはじめているのを感じた」
■成人しアメリカで暮らすジェニーと再会した場面。「ここの生活が彼女には合っていると感じたときから、父親の役目が終わったような淋しさを覚えはじめたからであった」
■作詞家から晩年、小説家を目指した場面。「自分のような人間は書くことに生きて、実生活の汚れを言葉で洗い、紙の上になにがしかの真実を築いて死んでゆけたら上出来だろうとも思った。できるかどうか分わからない、それが希望になった」
■小説を書くのに苦労している場面。「人生最後の目標を間違えたかと沈んでいく暇はなく、朝な夕な一文を思いつめる日が続くとさすがに困憊した。(中略)これでいいというものを一つ書いて、ちっぽけな人間らしく、日がな一日原稿を眺めて生きることの面白さを噛みしめてみたかった。(中略)『書くことで自分を浄化するといったら綺麗事に聞こえるだろうが、人生を締め括る手段として考えている』」
■ただひとりの読者である陽子とのやりとり「『いろいろ語りあって暮らそう。晩年こそ有意義に過ごしたい』『たったそれだけのことを言うのにずいぶん時間をかけたものね。お蔭でおばあさんよ』この最後の幸運を逃すほど愚かなこともなく、彼は一度しか言えない言葉を持ち歩いてきたのだった」

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黛家の兄弟

2023/07/18 08:46

「ひとの心もちには応えよ」

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主人公は、小藩の代々筆頭家老の家の三兄弟の三男。若いころとその13年後を舞台として、兄弟の結束を著した作品。
 次兄は藩を二分する次席家老の家の息子を切った責任をとり、目付の主人公が切腹を命じた。藩主の二女を嫁にもらい家老を継ぐことになる長兄との約束で大目付の家に婿にはいり、次席家老に復讐を誓う。部下として大目付の家に入った子供のころからの友が、対立する次席家老側のスパイであることをうまく利用し、次席家老の信頼を得る。嵐の日に、長兄を襲う計画であった友を切り捨てる。
 「ひとの心もちには応えよ。応えんとしているうちに、多くを得る」「だれかの夢を見るのは、そのひとがおのれのことを思うているから」この2つは、主人公が若いころ父や母から聞いたことばであるが、13年後に息子や童に伝えている。

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高瀬庄左衛門御留書

2023/06/25 09:12

作家に出会えてうれしい

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著者の著作を初めて読みました。久しぶりの一気読み。文体と主人公と脇役の会話に引き込まれました。『人などと申すは、しょせん生きているだけで誰かのさまたげとなるもの』『されど、ときには助けとなることもできましょう...均して平らなら、それで上等』葉室麟さんの後継者であり、青山文平さんと共に読み続けていこうと思いました。「いのちがけ」、「藩邸差配役日日控」読みかけです。

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本売る日々

2023/03/30 18:03

青山文平の真骨頂

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前作「やっと訪れた春に」に続き、古き時代を背景にして人間を描いた作品。北重人が逝き、乙川優三郎が転向してしまい、最後の砦。

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複素関数論の基礎

2025/05/22 17:54

2019年に読んだお勧め書籍第2位

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慶応の山本直樹教授の力作です。読了に3か月かかりました。
『なぜ、複素関数論を学ぶのか。「概念の拡張の仕方を学ぶ」ためである』。複素関数論は概念の拡張という意味では、最も成功した理論体系のひとつ。実数での関数の考え方を複素数に拡張しても多くのことが成り立つことを知ることができる。

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暇でも退屈でもない70代

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2011年の東日本大震災の後に発刊されたが、新潮文庫になり大学生に良く読まれている書籍。
本書の結論に以下の記述があり、腹落ちした。
『人は何かがわかったとき、自分にとって分かるとはどういうことかを理解する。「これが分かるということか」という実感を得る。分かったという実感は、自分にとってわかるとはどういうことなのかをその人に教える』
60代の最後の3年間は、人間を探求するつもりでしたが、なかなか切り替えられませんでした。

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この国の戦争

2025/05/22 17:33

司馬遼太郎の「この国のかたち」を意識?

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日本近現代史を専門とする歴史学者加藤陽子さんと、大学教授でもある小説作家奥泉光さんの対談形式になっています。以下敬称略です。
加藤は「それでも日本人は「戦争」を選んだ」他の著作を読んだことがあります。
 奥泉の著作は「雪の階」「シューマンの指」「死者の棋譜」「グランドミステリー」などを読んだことがあります。
 書籍の「はじめに」で奥泉は、以下に触れています。「なぜあのような戦争を日本はしたのか。繰り返し問われ、論じられることではじめて国民の経験、すなわち歴史となる。歴史は今を生きるものが過去に問いかけ、言葉を通じてそれを繰り返し経験することで、生命をもつ何かであることも間違いない」。
毎年8月の夏季休暇には戦争に関する書籍を読むように意識しています。恥ずかしながら70歳を前にして、初めて知ったことも多いです。本書で紹介されている21年12月に再出版された清沢冽「暗黒日記」も読みました。

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すごい宇宙講義

2025/05/20 14:45

わかりやすい表現で、「すごい」です

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以前読んだ「すごい宇宙講義」からの「すごい」つながりです。以前は金髪のノーベル賞候補と騒がれていたようです。中央大学杉並高校の生徒向けに実施した4時間*4回の講義をまとめたものです。茨城県の東海村から兵庫県のスーパーカミオカンデまでニュートリノを飛ばす実験についてです。2つの書籍が20年には文庫化されました。

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宇宙の見え方が変わる

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2020年に夢中になって読み込んだ「ブラックホールと時空の方程式」を著した新進の小林晋平准教授の著作です。本書も物理学の教養のない方にもわかりやすい表現になっています。前作との比較でなかなか読み進めないのは、書籍の問題なのか、読む側の題なのか?と思っていましたら、少し時間をとることで、面白く読み込めることができました。相対性理論と量子力学を両方紹介しています。小林晋平さん、すごいです

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成果をあげていない人間の能力の評価について

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『成果をあげていない人間の能力をどう評価するか。失敗や挫折が将来のリーダーとして人間を大きく成長させる。本人がどうコミットしたか、自分の責任で勝負しかかどうかが重要と考える』
同じ著者の「会社は頭から腐る」には、以下の記述もある。
『事業の経営に全身全霊でコミットし、自らリスクにさらされなければ、経営能力は現実の影響力にならない』

上司が変わっただけで、部下がこれまで考えられなかった能力を発揮する場面をみてきた、能力と成果は異なるものであることを実感している。

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部下の良い成果にはHOWを、失敗にはWHYを

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『部下が成功する機会を増やす。小さな成功でかまわない。その成功が本人の自信を築きあげる。部下が成功したら「HOW」を、失敗したら「WHY」を尋ねる。部下が良い成果について報告してきたときには、そのロジックやプロセスをしっかり説明できたら良しと認め、ベストプラクティスとして他部門のリーダーたちと共有せよと指示を出す』
弊社でも一定規模以上のプロジェクト完了時には、成功・失敗を問わずに、「プロジェクト完了報告会」を実施する。プロジェクトメンバーがプロジェクトを通じて何を学んだかが重要であり、プロジェクト外の社員とベストプラクティスや失敗原因も含めて共有している

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コントロールとスピードはトレードオフ

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2015年に読んだ中で最も感銘を受けた書籍。
『すべてがコントロールできていると考えるのは、十分な速度がでていない証拠である』
『エンジニアが仕事時間の20%を好きなプロジェクトに使うのを認める「20%ルール」がある。実際には、100%働いて、それ以外に20%他に仕事をするというケースが多い』
ブレーキの良い車でないと、早く走れないということ。

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センスがある人に丸ごとまかせることも考慮する

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『センスがある部下を見極め、そのメンバーに権限を与え部下をつける。毎日の仕事の中で部下が、センスがある上司の一挙手一投足に触れることができれば、センスがあるとはどういうことか、周りの人にも、自然とその輪郭が見えてくるようになる』
『自らの戦略や構想を自分の言葉で直接語りかける。「ハンズオン」と呼ぶ。ある断面だけみると、自らの役職以下の仕事に口出ししているように見受けられる』
現場に下りることで、センスがある部下を意識して見つけることにしている。自身の考え方、魂を継承してくれる人間を見つけることともいえる。神は細部に宿るというが、経営としてどこまで現場に入るべきかは難しいところである。

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顔の見える仕事をする

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哲学者鷲田清一さんの新書。民俗学者宮本常一の、石垣積み工の仕事についての話を伝えている。
『田舎を歩いていて何でもないところに、見事な石の積み方をしてあるのを見ると、心を打たれることがある。「あとから来たものが他の家の石垣を作るとき、粗末なことはできない」将来、同じ職工の目に触れたときに、恥ずかしくないような仕事をしておきたい。「手を抜いた工事をしたときは、大雨の降ったあとは崩れはせぬかと夜も眠れぬことがある」だれに命令されるのではなく、自らが自らに命令することのできる尊さを自分の仕事を通して学びとっている』
 昔のプログラム開発では、ひとつひとつのプログラムは個人の芸術作品であり、プログラムのコメント欄には
作成者の名前を記していた。みっともないコーディングは、恥ずかしくてできなかった。

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