ライムの木さんのレビュー一覧
投稿者:ライムの木
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水族館の歴史 海が室内にやってきた 新装版
2023/12/02 13:59
図版もよい
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水族館について調べたいと思っていた時に、
松岡正剛氏のサイトで偶然見つけて、これにしようと買った本。
調べ物の資料として本を読む時にはいつも重要な部分のメモを取るが、
重要な部分が多過ぎて早々にメモをやめてしまった。
それほど「居間の水槽」から「巨大水族館」への進歩の様子が
無駄なく手際よく書かれていて、どこもかしこも「重要」。
一方で、面白エピソードも随所に。
水槽と鳥カゴを組み合わせた代物、
天井全体が水槽になっていて下から見上げる式、
(今の技術なら大丈夫だが、19世紀のもの。
ガラスが破損したらすごいことになりそう)、
など水族館の進化の過程で出てきたトンデモ・デザインがすごくて
印象に残った。
苦労して遠くから輸送した魚を生かし続けるために
いかにして擬似海洋環境を作り出すかの試行錯誤こそが
水族館の歴史だった。
そこへ人間の深海の不思議を知りたい好奇心や
美しく珍しい魚を金儲けの道具にしたい欲やらが絡まって
水族館は複雑な発達を遂げてきた。
最後に著者は「魚たちはほんとうに箱に入っていてよいものだろうか」
と原点に帰る一方、未来を見据えて、
水族館と環境保護の問題にも踏み込む。
英国ヘンな旅先案内 ガイドブックに載らない不思議の地
2023/12/07 08:07
読んでいてスッと「不思議の地」へ連れていかれる
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表紙とタイトルを見てフザけた本かと思いきや、
実は大変中身が濃い。
美しく謎めいた海辺の貝殻坑道
三角形ばかりで構成された三角屋敷
戦争遺産といえるゴースト・ビレッジ、インバー村
ファンタジーと切り離せないオックスフォードの図書館ボドリアン
デレク・ジャーマンの家がある「この世の果て」のような海岸ダンジネス
・・・よくまあこれだけ変わった場所を見つけたものだと感心。
その一つ一つでイギリスの(時にオータナティブな)文化と歴史が掘り下げられる。
解説文には独特の雰囲気があり、
読んでいてスッと「不思議の地」へ連れていかれる。
連れていかれた場所から我々はさらにその先へ旅することになる。
ラベンダー畑の話から昔の植物学者カルペパーの話へと広がったり、
エコロジー植物園イーデン・プロジェクトからフィボナッチ数列に話が飛んだり。
つまりはよく横道にそれるのだが、それがまた内容を深めている。
他で見ることのない不思議写真満載で、眺めるだけでも楽しめる。
続編を望む!
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