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BK2_kwskさんのレビュー一覧

投稿者:BK2_kwsk

11 件中 1 件~ 11 件を表示

しんがりの思想 反リーダーシップ論

2024/04/20 16:41

共感を覚える一冊

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副題の反リーダーシップは、著者が力を込めて書いたメインテーマではないように思う。主な議論は、かつて地域社会が担ってきた仕事、ゴミ処理や冠婚葬祭などが専門化して、役所や専門業者が担うようになったことで、現代の地域社会は機能が低下しているという指摘が柱なのではないかと思う。
その他、現代の日本社会について、多くの指摘が展開されているが、その多くは、普段の自分が折に触れてぼんやりと感じたり、考えたりしていることと一致。共感を覚えつつ読んだ一冊となった。

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ズッコケ脅威の大震災

2023/12/31 12:45

一級のシミュレーション

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ズッコケ三人組である。ハチベエ、ハカセ、モーちゃんである。
その第37作で、1998年に出版された作品の文庫版。当時の私はすでにこのシリーズを卒業しているので、リアルタイムでは読んでいない。

それでも「ズッコケ中年三人組」を読んだのを契機にこのシリーズのことをネットで調べていたとき、この作品が目に留まった。この作品は、シリーズの他の作品とは時間軸が全く異なっていて、同じ時間線に乗っていない。

なにしろ、三人の住む町が大地震に襲われ大きな被害を受ける。家は潰れ、けがをする家族や友人もいる。本来、それだけで彼らの一年間の全てとなり、他のイベントが潜り込む隙間がなくなってしまう。
なので、今作品はパラレルワールドのような番外編なのである。

さてこの作品、未曾有の大震災に遭遇した小学生の視点から見た被災地のリアルを描いている。児童文学の枠をぶっ飛んでいるとさえ思う。
何しろ描写がすごい。発災時の様子、ニュースのアナウンス、避難所の風景から諸問題の発生まで。
文体こそ児童文学のそれだが、内容はぼやけることなく、置き忘れることなく丁寧に、それでいてソフトに描かれている。作者の筆力に圧倒されるばかりである。

これは一級のシミュレーション。そして読者がいろいろ考えることで、本人の危機管理能力向上に寄与することだろう。
私が小学生の頃夢中になって読んだズッコケ三人組。それは、作者が持つ小説家としての実力が抜きん出ていた故の夢中だったことがよくわかった。

私が今からこれを全巻読破することはないと思うが、当時の熱中が幸せなことであったと確信できる一冊だった。

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なぜ信用金庫は生き残るのか

2023/12/31 16:42

まるで昭和の美談、あるいは経済マンガ

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大学の学費の取り扱いが信用金庫だったので、信金の口座を一つ、まだ持っていて、維持している。
信用金庫と銀行の違いは規模の大小だと思っていたが、それは半分だけ正解ということがよくわかった。信用金庫は法律で営業エリアが決められているということを、この本で初めて知った。
この本の中で取り上げられている融資に至るプロセスや活動のエピソードは、まるで昭和の美談のようである。あるいは経済マンガ。しかしそれは、信用金庫という存在が置かれている条件から導かれやすい結果なのだと理解した。
信金は地域密着で活動するほかなく、つまり、顧客は地域の個人のほか、商店や中小企業が主体となる。エリアが限られているので、おそらく、普段から顧客あるいは顧客となりうる人物・企業の情報は収集・評価しているだろうし、そうしやすいのだろう。それが昭和的な活動に見えるのだと思う。
そしてもう一つ、経済活動を活性化するには、事業者に適切な資金供給(融資)することで、事業の成功をサポートする金融機関が必要であることを改めて理解した。
現状、小規模事業については地域の信用金庫が活発に活動している。しかし、事業規模が大きくなったり、展開エリアが広くなると、銀行、特に地方銀行がうまく活動できない場合が多いらしいと読み取った。
日本経済を活性化するには、各レベルの金融機関に、もっと巧みに活動してもらう必要があるのだろう。

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1年前に読みたかった1冊

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昨年2024年の大河ドラマ「光る君へ」の終盤にこの話が1回入り、太宰権帥・藤原隆家の見事な指揮官ぶりが描かれた。この1話だけ、主役が入れ替わったような神回だった。

本書で戦闘の経過は少しだけ。短期戦だったし。むしろ、当時の東アジア情勢や関連人物、刀伊のその後や中央政府の動きを中心に説明されている。

東アジア情勢については、北方水滸伝の楊令伝と共通するので、そちらを読んでいると理解が早い。その逆も。
当時の朝鮮半島では、新羅が滅んで高麗が起こっているが、日本側がそれをきちんと把握していなかったという驚きがあった。

九州を撃退された刀伊は、その後、高麗軍に敗れて壊滅。刀伊側の記録はないようである。そのため、刀伊のルーツや事情、指揮官など主要人物のことがわからないのは残念である。

「光る君へ」が終わる前に読み終えておきたかったが、今になってしまった。

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スターリングラード攻防戦

2025/02/16 01:56

ティーガーとブロニコフスキーが輝く一冊

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第二次世界大戦中のヨーロッパにおける戦車戦を描いた歴史書。文章はやさしく、所々でユーモアが効いていて読みやすい。

タイトルと描かれている年代・場所がずれていることに注意が必要で、本全体の3分の1がフィンランドで起こった冬戦争の話である。これについてはあとがきで著者本人が、ご自身の趣味によるものと認めている。
また、後の方はアフリカ戦線の終焉が描かれている。

後半は、次第に劣勢に追い込まれていくドイツ軍が、装甲戦力の不足を性能で補おうとする姿が描かれる。その象徴的な存在がティーガーであり、その強さが多数再現されている。これが本書のメインだろう。

そしてもう一つ、読者の心を捕らえるであろう場面がある。ヘルマン・フォン・オッペルン=ブロニコフスキーと彼が率いた戦車隊=オッペルン戦闘団の奮戦である。
必敗の名指揮官・ブロニコフスキーとその部隊の伝説的な勇戦が描かれている。

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副官というポジションの特殊性

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本屋さんで表紙を見て手に取り、何ページか読んでみて意外と硬めの内容だと思って購入。ジャンルはビジネス小説に入るんだろうけど、主人公が自衛官なのでお仕事小説かな。
関係部門と調整を取りながら仕事するのが苦手な自分にとっては鏡のような小説。
軍隊ものの小説に必ず出てくる副官というポスト。これは秘書ではなく、教育の面もあるということが何となくわかった。まあ、自分には務まりそうもないけれど。
おもしろかったので、続篇も読むつもりです。

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実は誰でもできることなんだよと説いた1冊

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カイゼンといえばトヨタのお家芸だと思われているが、実は誰でもできることなんだよと説いた1冊。軽妙で親しみの持てる文体。
カイゼンとは作業者が楽できるようにすることで、ルールがあるとのこと。例えば手を早く動かして仕事を早く進めるといった手法(労働強化?)は反則。一つのカイゼンで短縮できる作業量は0.1秒分でもよいといった考え方は今回初めて知った。
大きなコトはできなっくても、無理なくできる小さな工夫でちょっと楽をする。働き方改革やDX、TXを声高に叫んでこれまでのやりかたを無理矢理変える前に、そんな所から初めて生産性を上げることを考えてみたい。

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真景累ケ淵 改版

2023/12/31 16:24

初めての全編

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言わずもがなの怪談の大作。あまりに長いため、寄席ではエピソードを切り取っての上演となることがほとんど。
全編通して演じたのは、円朝自身のみであろう。

私もこの話で聞いたことがあるのは豊志賀の死のエピソードだけ。だからそれ以外のストーリーは今回初めて知った。

怪談なのは前半だけ。後半は敵討ちである。前半で広げた複雑な人間関係を敵討ちで一気に収束させるという構成。

中盤、悪人ばかり出てきて読むのがイヤになるところもあった。
それでも最後まで読み進め、スッキリ終わることができた。そんな作品。

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「地下鉄サリン事件」自衛隊戦記 出動部隊指揮官の戦闘記録

2023/12/31 12:30

危機に際し行動する組織のテキスト

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1995年の地下鉄サリン事件で地下鉄の除染に出動した陸上自衛隊第32連隊長の手記。
オウム事件に関して自衛隊の活動は、この日の除染活動や上九一色村への突入準備、それと当時自衛官になっていた友人から聞いた経験談くらいしか伝わっていない。というか、私は覚えていない。そしてその伝聞に、関係していた自衛官たちの素顔は、私の友人以外、見えてこない。

しかし実際は、未曾有の事件に直面することになった自衛隊員の緊張や覚悟があって、その上で実際の活動に向かっていることが、この本には克明に記述されていた。

また自衛隊の内部でも、休日だったり、準備に時間がかかったり、内部の意見の食い違い、関係機関との連携不足など、決してスムーズに進んだわけではないが、それでもなんとかやり遂げたということがよくわかった。
そしてこのなんとかやり遂げる、やり遂げたというのが重要なのだと思う。

危機に際し行動する組織はいろいろあって、自衛隊ほど身を挺するところは少ないと思うが、共通する要素はあると思う。良いテキストだと思う。

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現場もまた被害者という話

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平成の終わり頃に露見した、かんぽ生命のむちゃくちゃな契約獲得。これを皮切りに明らかになった日本郵政内部の腐敗ぶりの記録。
事件については、そんなことあったかなという程度の認識なのだが、著者により腐敗の有様がかたられていく。

顧客からの抗議はクレーム扱い。
内部通報は潰す。
記者会見ではちゃんと説明しない。
報道は潰す。
自浄作用を起こそうという動きも、時の権力者に忖度して空振り。
問題が明るみになると、責任を現場や下の者に押しつけて上の者は保身に成功。

そんな感じで、なんだか、ノモンハン事件後の日本陸軍内部の責任の押し付け合いに似ている。つまり、どちらも日本型組織なのだろう。
出版のタイミングもあると思うが、その後の顧客保護についてあまり語られなかったことが残念なところ。

明らかにされていく腐敗ぶりを読み進めていくうちに、普段お世話になっている近所の郵便局(で働く皆さん)は大丈夫だったのかなと心配になった。不正をしていたかどうかではなく、上の方からめちゃくちゃな要求や責任を押しつけられなかったのかなという意味で。

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コロナショックと昭和おじさん社会

2023/12/31 16:38

社会の分断が切り口

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内容は、現代社会の分析。タイトルのイメージよりアカデミック。
要は、昭和の高度成長期に作られた社会制度の前提となっている要素が、現代の状況と乖離しており、現行の社会制度が機能しなくなっているということ。それがコロナ禍で一気に顕在化。
しかも、現代の社会でトップに立っている人たちの多くが男性であり、年代的に昭和のうちにおじさん世代になった人ばかりで、改革は難しそうだという切り口。

おじさんのくだりはともかく、社会制度の現実との乖離は以前から気になっていたが、その一部を分析してくれた一冊。また、その乖離を分断と呼ぶべきことを読みながら頭の中で整理できた。

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