月次さんのレビュー一覧
投稿者:月次
平安後宮の薄紅姫 3 恋する女房と物語の縁
2024/07/29 16:50
千年続く物語の縁
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※この感想はネタバレを含みます
シリーズ最終巻。本当に良作だった。
親友・右近が千字堂に訪ねてきたことから物語が始まる。その相談が、「縁談相手の物語嫌いをなんとかしてほしい」というもので…
紆余曲折あったけど、右近の恋も薄紅達の今後も綺麗にまとまってて良かった。
右近の経輔に対する恋情がただただ純粋で美しかったな。これから良い夫婦関係を築いてほしい。
しかし、物語が嫌いなだけならまだ良いが、それをこちらに押し付けてくるならそりゃ「即刻破談!」て思うわ。私なら耐えられない。この時代の貴族女性は、出仕することはできても、夫が誰だとか寵愛具合で本当に人生左右されるから恐ろしい…
今回のお話は、何故人は本を読むのかについても少し考えさせられた。自分なりに考えてみたが、学がないので物語はいつの時代でも人を惹きつけて止まない魅力的なものなんだろうということしか思い浮かばなかった。
最終巻にして薄紅の姫の正体が書かれており、最後の行を読んで感動した。
恥ずかしながら、私はこの本を読んで『菅原孝標女』と『更級日記』の存在を知った。古典の教養がある方は最初から気づいていたのだろうな…
物語を心から愛し、愚直なまでに物語の力を信じていた彼女が創作ではなく千年前に実在していたのだと知った時は本当に嬉しかった。
これを機に『更級日記』や他の古典も読んで彼女達の原点を辿ってみたい。
帝都コトガミ浪漫譚 勤労乙女と押しかけ従者
2024/05/11 21:59
好きが全部詰まってる!
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何度読んだかわからないほど、めっちゃ好きな作品。この本がきっかけで、他の道草作品も読むようになった。
物語が嫌いな職業婦人の朱莉と美青年だがどこか残念な智人が織りなす和風ファンタジー。
天涯孤独の身で、芯が強い主人公の朱莉。
彼女が言神たち含め周りに語りかける言葉がどれも優しくて本当に温かい。
物語嫌いと言いつつ、時間をかけて言神たちと真摯に向き合う姿が本当にかっこいい!
智人もストーカー気味で残念な美青年だが、朱莉を思う気持ちは本物で、彼女への気持ちの吐露と過去の謝罪が切なかったなぁ…
だからこそ最後はハッピーエンドで良かった!!
真宵と勘助、最後にはライも加わってこれからもっと楽しくなりそう。
これから朱莉が弁士を目指して奮闘するところや言神たちの今後のことも気になるので、ぜひ続きが読みたい!
ヘタリアWorld★Stars Collezione ヘタリアWorld☆Starsキャラクターブック
2024/07/24 15:55
この世界観好き
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めちゃくちゃ面白い!!
最近友達に布教されてまんまとハマりました。
もっと早く知っていればと後悔しかありません…
単行本も追々買って読むつもりですが、取り敢えず本編はアニメで見るとして、まずはキャラクターブックを手に取りました。
それぞれキャラのプロフィールや一日、性格など情報がたくさん載っており、大変満足できる一冊となっています!
どのキャラも良いですが、個人的には祖国とベルベルが好きです!
平安後宮の薄紅姫 2 宮廷去りし皇后宮と伊勢物語
2024/05/13 18:34
切ない…
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中宮から皇后宮を後宮に連れ戻すお役目を頂いてしまった薄紅の姫。薄紅は今日も今日とて後宮内外を奔走します。
今回は『伊勢物語』と『竹取物語』を主軸に物語が進む。伊勢物語になぞらえた謎と「ゆく蛍」の説得がとても素敵でした!
薄紅の活躍も見事でしたが、新キャラの能信含め男性陣も今回すごくかっこよかったです。
皇后宮が後宮を出ていった理由が切ない…
中宮と皇后宮はそれぞれ相手を思うが故にすれ違ってしまったけど、また二人で笑いあえる日が来て本当に良かった…!
だからこそ、最後の結末はあまりにも悲しくて思わず泣いてしまいました…
ド屑
2024/05/13 18:24
屑とは何か
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ボカロ曲『ド屑』のノベライズ。
それぞれ霞・雲母・智也の三人の視点で物語が進むダークラヴファンタジー。
登場人物全員がどこかしら屑な部分があり、一筋縄ではいかない恋愛模様がとても面白かったです。
結末は予想外で驚きました。
智也が言うように「屑の定義は曖昧で、個々人によって意味合いが異なる」という言葉にはなるほどなと。自分にも屑な部分があるのかもと思うと、知りたいような目を背けたいような…
後、智也の彼女は他のなきそ作品のヒロインなのでしょうか?智也とその彼女の出会いを中心に描いたスピンオフとか読んでみたいかも。
霞・智也は紛れもない屑だし、雲母も自分の理想の相手の姿だけを見て、無意識にそれを押し付けてちゃんと向き合わなかった点で言えば屑と言える。
実際のところ屑ってなんなんだろうと思わされた作品でした。
結構内容を咀嚼するのに時間がかかるので、もう一度読み直そうと思います。
平安後宮の薄紅姫 1 物語愛でる女房と晴明の孫
2024/05/13 18:16
物語好き女房の奮闘記
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何度目かの再読を機に初レビュー。
数年前に表紙に惹かれてなんとなく購入した本だったけど、やっぱりいつ読んでも面白い!
取り扱う謎はお悩み相談から後宮を揺るがす大きな謎まで様々。
薄紅の姫の物語への偏愛ぶりと聡明さが本当に好きだなぁ。奉親との関係性も良い。
薄紅の姫みたいな友達がいたらきっと楽しいだろうな。
千字堂で物語について語り合ったり、現代の源氏物語のパロディを読んでもらって感想聞いたりしてみたい。
引き続き2巻以降も読み返そう。
恋より青く 1 (集英社ホームコミックス)
2024/05/13 18:11
二人の距離感が良い
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アニメイトでなんとなく手に取った本でしたが、絵の雰囲気が好きだったのとあらすじを読んで気になり購入。
結果、買って良かった。めちゃくちゃ大好きなストーリーの百合でした。
バレー部を退部したばかりの高峯司と文芸部が廃部になってしまった咲倉詩織。
電車で同じ本を読んでいた二人がぶつかった拍子に本を取り違えてしまうところから物語は始まります。
放課後の時間を持て余していた二人が、取り違えた本をきっかけにお互いのペースでゆっくり交流を深めていく描写が言葉ではとても言い表せないほど好きです。
友人や恋人とは何となく違うけど、お互い特別で大切な存在って感じ。かなりスロースペースだけど着実に距離を縮めてきています。
夢中になれるものがないことを悩んでいる司ですが、詩織と過ごすこの時間が特別だと思える日が来ると良いですね。
次巻にも期待しております。
恋より青く 2 (集英社ホームコミックス)
2024/05/13 18:11
夏休み
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待望のニ巻!
相変わらず今回も良かったです。
映画に行った後も勉強会をしたり、七夕祭りでお揃いのブレスレットを買ったりするなど思い出作りをして他の三人とも仲良くなっていきます。
夏休みに入ってしばらく会えなくなってもお互いどんな本を読んだとか何気ない近況を連絡しているところが特に好きですね。返事が来てないかどうか気になっちゃう詩織の様子が何とも微笑ましかったです。
夏休みが終わってまたいつもの日常に戻った二人でしたが、最後に司のことが気になっているらしい新キャラが出てきて、どう物語に介入してくるか気になるところ。次巻が待ち遠しいです。
夏日狂想
2024/05/12 17:32
「書く女」の一代記
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前半は読み進めるのにかなり時間をかけました。
礼子が全然書くそぶりを見せなかったから。
しかし、片岡と別れた後は面白くてページを捲る手が止まらず一気読み!
この時代男性に翻弄されながらも自分の気持ちに素直に生き、書き続けた女性の一代記として素晴らしい作品だったと思います。
(男性側から見れば礼子に翻弄されたとも言えますが)
初めての窪美澄作品でしたが、面白かったので他の作品も読んでみようと思いました。
小袖日記 新装版
2024/05/12 17:18
SF源氏物語異聞
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SFものはあまり好きじゃないけど、平安時代という舞台と源氏物語をめぐるミステリーの要素が上手く絡み合っていて面白かったです!
主人公を始め、香子さまや小紫こと洋子さんなど登場人物たちも魅力的でした。
平安時代の生活や風俗も知れて良かったと思う反面、当時の女性たちの不自由な境遇には歯がゆいものを感じました。彼女たちの行く末が少しでも明るいことを願うばかりです。
結末含め、楽しく読了することができました!
源氏物語は何度も読もう読もうと思って、田辺聖子さんの訳を買ったけどまだ読めてない…
今年中に読むことを目標に頑張ります。
日本文学全集 03 竹取物語
2024/05/12 17:04
現代作家で蘇る名作古典
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日本文学全集03。図書館本。
作家陣が本当に豪華。
江國香織さん訳の『更級日記』目当てに借りたけど、
どれもめっちゃ面白かった。
結局返却した後、取り寄せして購入しました^^;
本屋図鑑 だから書店員はやめられない! コミックエッセイ
2024/05/12 16:56
書店員のお仕事エッセイ
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漫画で書店員の1日の流れがわかる良作。
作家の蒼月海里さんのX(旧Twitter)で知った本。
内容もわかりやすいし、絵が可愛い!
何より作者がすごく本が好きなのが伝わった。
ちえふくろうのコラムとか初めて知ることが多くてすごくタメになる情報も多い。
書店で働きたい・興味がある人にぜひ手にとって欲しい一冊。
御苑筆姫物語
2024/05/12 16:03
御苑物語
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何度目かの再読。面白かった。
定年退職を切望する御苑で筆業を担う采女の蒼月。
ひょんなことから皇帝の命で賓華たちに贈る物語を作ることになり、何故か暗殺事件に巻き込まれるという話。
暗殺事件に巻き込まれると書いてある通り、結構周辺諸国との水面下での争いが書かれていたり、御苑以外の場所での活動が多いように感じた。
後宮小説特有の女性同士のドロドロはあまりない。
蒼月の物語好きにはひたすら共感できるし、字が綺麗なのがやっぱり良いな。美しい字で書かれた本とか読んでみたい。後何と言っても作中に出てくる物語がどれも素敵で特に『賢妻懲夫』と『架月黛山』が気になる!
無事に蒼月は定年退職できるだろうか…
皇帝・叡泉がいいキャラで好きではあるのだが、正直蒼月と無理にくっつける必要はないと個人的には思う。
続きがあるならぜひ読みたい。
ド屑 1 (HOWL Comics)
2024/05/14 16:56
もう一つの『ド屑』
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ボカロ曲『ド屑』を原作にした漫画。
五月什一さんのノベライズとはお話が違うみたい。
こっちはこっちで不穏な雰囲気が漂うダークな恋物語でとても面白かったです。
絵は目が印象的で繊細なタッチで描かれており、物語の雰囲気とも合っています。
原作はファンタジー要素があるのに対し、こちらは現時点ではあくまで現実世界の原理で物語が進みます。登場人物達の歪んだ部分がより浮き彫りになっていて、柘と榴がどういう結末を迎えるのか気になるところです。
ド屑 -last days- 1 (MFコミックス)
2024/05/14 16:51
ボカロ小説のコミカライズ
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原作既読。
ボカロ曲『ド屑』の原作小説のコミカライズ。
絵がめちゃくちゃ可愛いです!
原作の鮫島さんの絵柄も好きですが、飯田さんの描く雲母たちがイメージぴったりで、文字で想像するしかない小説の場面も絵で補完してくれるのですごく良いです。
ただひとつ、所々背景とか小さいコマに線が粗いところがあるのが気になってしまいました。
絵が好きな分、そこだけもったいなく感じて残念です。
次巻の発売を楽しみにしています!
