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はぐらうりさんのレビュー一覧

投稿者:はぐらうり

351 件中 1 件~ 15 件を表示

夏帆―The Tale of KAHO―

2026/07/11 15:08

考察も楽しみに

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

まず、春樹文体が嬉しかった。すごいファン、という認識はないけれど、なんかホームに戻ってきた感じ。

初期の頃に戻ったかのような読みやすさ。メタファーはいろいろとありそうだけれど、差し置いてもストーリーが面白かった。

武蔵境とか、足立ナンバーで笑ってしまう。場末の三流大学、とか。意識的なんだろうけれど、このスノッブな感じも嫌じゃない。母親の描写も意識的にステレオタイプなのかな。この5年ほどの日本の小説は、母親の描き方が同じものが多い気がする。

ファンタジックな要素以外はわりと現実的な設定が多くて、村上春樹じゃないみたい。いや、春樹ではあるんだけれど。とにかく心配されていたような描写は見当たらなくてほっとしたし、ただ面白かった。

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生殖記

2024/12/18 14:47

フォーシームみたいな感じ

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

正欲がとてもよかったので、あらすじも知らずに読んでみたけれど、生殖器(性欲)が語り部だから生殖記か、すごいことを考える。

内容は正欲と近いベクトルで、どちらも我々の想像力の限界の先にまだ人がいますよ、と言っている。そこに焦点をあてるのがまさに小説の役割であると感じる。

あの発言群からここまでの物語に仕上げる凄みと、それを著者というか男性性が書いたことの意味も強いような気がする。平易な語り口なのがまた良いんだよなぁ。

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失われた貌

2025/12/18 20:35

2025年代表作

3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

このミス2026年版・ミステリが読みたい! 2026年版・週刊文春ミステリーベスト10 2025 国内部門ともに1位で年末ミステリランキング3冠となった本作。エンタメとしてとても面白かった。

濃密な8日間。捜査としては短い時間で解決できているけれど、そこに至るまでの経緯がだいぶ濃くて面白い。かつ伏線もそこまで引っ張らないので、わかりやすくて良い。これは読みやすい。

どんでん返しというか、途中でこういうことかというのはわかってしまったので、だいぶミステリーにも慣れてきたんだろうと思い。2025年を代表するミステリー長編、広くおすすめできそうな一冊だった。

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相変わらず解像度が高い

3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

流石、の一言。でも読んでいるあいだずっとしんどい。推す側の小説はだいぶ増えたが、推し活ビジネス側の目線はかなり新鮮。

自身は推しという概念がいまいちわかっておらず、振り返っても誰かを推した記憶がなく、まして推し活にも縁がない。好きな作家とか、野球選手とか、ミュージシャンとかはいるんだけれど。

推し活をしている様子は今のSNSをそのまま切り取っているかのよう。どんだけ解像度が高いんだ。雑談についての考察も面白かった。女性たちの、情報共有による連帯。とくに気にしていたわけではないけれど、可視化された感じ。

MBTI診断も避けていたけれどやってみたいと思ってしまった。わかってもしんどいだけなんだけれど。

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★6です

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

直木賞候補作。結果的に今のところ全著作を読んでいることになるけれど、逢坂さんはとんでもない小説家になってしまった。要素が多すぎるはずなのにまとまっている。内容もむちゃくちゃ示唆に富む。

舞台が日本になってどう転んでいくのかと思っていたが、中央アフリカの章でこれまでのらしさも挟まれている。宮内悠介さんのように、なかなか日本人には描き切れないような世界を書ける人だと思っていたが、なんでも書けるのかこの人は。

著者の考え、かどうかはわからないけれど、登場人物たちが語ったり考えていたりする内容は自分と近く、また安心する。ラウドなマイノリティに負けず(という表現は良くない。受け入れ)、声をあげることが大事。彼らは声をあげることにしたんだから、続かないと。

受賞して、腰を据えて良作を産み続けてほしい。

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レーエンデ国物語

2025/04/14 23:35

ファンタジー

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

読むまでは続編はいいかな、と思っていた。とんでもなかった。すぐには読めないが、読める状態にはしておこう。指輪物語に熱中した頃を思い出す。困ったもんだ。

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希望が遠い

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

もう読むのがしんどい。なのに手が止まらない。ずっと希望がどこにあるのか、いつ来るのか探している感じ。物語のなかでも希望側からの記述もあり、最後は希望、と知ってるだけに。

正義と正義のぶつかりあい、でも求めるところは同じ。ヒールとなって討たれることを望むなんて悲しいね。
普遍的な正しさは人間には重荷すぎる。これも辛いが、わかりすぎる。人はずっと正しさをかけて争っている。どうしても日本とか、ほかの国を連想してしまう。ただのファンタジーとして読めなくてしんどい。次回作まで余韻に浸りたい。

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見えるか保己一

2026/06/28 00:33

見えると見えない

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

直木賞候補作。山本周五郎賞受賞作。実在の人物だったんですね。タイトルは人の名前なんだろうな、くらいに思っていたが、苗字は別にあった。


ただの?盲の聖人としてではなく、人としての欲や迷いも描いている。偉業を成し遂げた保己一だが、その偉業自体はほぼ描かれていない。読了後に調べてようやく知った。それほど、人を描いている。

時代小説ではあるけれど、言葉遣いはそこまで時代時代していないので、大作ではあるけれど読みやすい。目が見えないだけにストーリーもミステリーの様相があり、ハラハラする展開も多く楽しめた。

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多類婚姻譚

2026/06/10 20:01

それぞれ

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

話題の書。

「異類婚姻譚」があるので、似たようなものがと思ったけれど、なるほど。結婚にまつわるままならない人生の短編集。少しずつ繋がっていて、こういうのは好きです。

「小鳥たち」「C'est la vie」がとくに良かった。
年齢を重ねているのが好きなのかもしれない。自分の年齢的に、とも思ったが「マチネ」も当時から好きだったからそういう嗜好。

お話の世界、ではなく、すぐ隣にある物語だった。

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国宝 下 花道篇

2026/05/20 00:56

正解のかたち

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

なるほど原作は映画とはかなり違っていたのだな。

これを映画でやろうとしたら倍の時間は必要だった。3時間でも短くなっていたのだな。盛り込みたいエピソードが多数あった。

上巻最初の違和感も、ずっと言及されてこなかったけれど、終わりで明かされて良かった。そして気になるエンディング。ここで終わるのが当然良いのだと思うので、幸せな結末だったと想像したい。

原作なので当然これが完成形ではあるのだが、映画も映画で素晴らしい作品だった。違うアプローチの正解が二つあるというのも、喜久雄と俊介のよう。どちらも素晴らしかった。

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探偵小石は恋しない

2026/03/19 21:19

読まず嫌い

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

本屋大賞候補作。売れているのは知っていたけれど、タイトルとイラスト装丁から自分のテリトリーではないなと勝手に判断していた。本屋大賞候補になったので読んだら、めちゃめちゃ面白いじゃないか。

叙述トリックとかアンコンシャスバイアス系の話はいくつもあるが、見た目に反しバックボーンが割と描き込まれているし、ストーリーも練られていて欠点がない。あんまりトリックがわかった後も読み返したいと思うことは少ないけれど、これはまた読みたい。

本作にあるファンタジー要素は、タイトルと装丁と文体からもっとファンタジックに思えても良いはずなのに、妙な現実感があって面白い。

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生まれる前のスワローズ

2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

人生は勉強だよ。一生かけて勉強しなさい。

面白かった!
1978年はまだ生まれていないし、スワローズの優勝も知らない。そして弱い時代も知らない(最近は別として)。自分が知っているのは、古田入団以降。でもその当時、78年優勝メンバーでまだ現役だった面々の活躍を見るのは楽しかったのを覚えている。八重樫、杉浦とかね。

懐かしい名前もたくさん出てくるし、広岡監督のこともあまり知らなかったので面白いし、当たり前ではあるけれど誰もがスワローズを好きなところが良い。終始幸せな気持ちで読めた。

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時の家

2025/12/29 15:53

家のもつ時間

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

芥川賞候補。時間軸を交差させながら、ひとつの家ができるところから描いている。ある意味で、というか正に、というか、家が主人公の小説。

死ぬことともう会えないこと、思い出せず埋もれた記憶と忘れること、その違い。あるものとないもの、かな。なにかすごく大事なことが描かれているような気がする。

ひとつひとつの意味が大きいので、文章がさらっと頭のなかを流れていかない。家を建てるときの設計図のよう。一文ずつしっかり理解しながら読んだ方が良い小説。

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最新のシーナさん

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

シーナさん最新刊。今年の8月までの連載分とのことで直近のシーナさんを知ることができて良かった。父親というか、感覚的には自分の祖父をみているような感じ。

基本的には日記ベースだけれど、回想録のモンゴルの話が良かった。しかし、コロナのときも思ったが、あの無敵のシーナさんもビョーキになったりといろいろと大変だったんだな。80歳を超えるとどうしても不調はある。連載が続くかぎり、本が出続けるかぎり、追っていくことが自分にできることかな、と思う。

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最新のシーナさん

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

シーナさんの最新エッセイ。近ごろは遺言だなんだと言っていたので、どうなのかと心配だったが、相変わらず吠えててよかった。ときおりSFチックになるところもよい。シーナさん読んでるなと思う。

最近の語法に文句をつけているページがあったけれど、あなたも昭和ケーハク体で世に出てきたじゃない、と可笑しくなってしまった。

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