remiさんのレビュー一覧
投稿者:remi
紙の本英語リーディングの秘密
2001/11/12 23:51
英語リーディングの秘密
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
世の中、「速読」が大流行です。確かに、これからのグローバル社会においては、大量の英語を処理する必要性がこれまで以上に生じることになるでしょう。そういう意味では、「速読」する能力は確かに重要でしょう。そのような時代には、文の構造を押さえながら読む、という「精読」は流行らないかもしれません。しかし、「文の構造を押さえないで読む」ということは、時として英文を解釈する上で大きな誤りをもたらすことがあります。「精読」を訓練したうえでの「速読」が重要なのであって、「文の構造を無視した速読」は、単に英文の表面をなぞっていることに過ぎないのではないでしょうか。
本書を読んで感じたのは、上のようなことです。この本では、徹底的に文の構造を分析しながら英文を読んでいきます。TIMEやNEWSWEEKなどの記事を題材にしながら、文の構造を見抜くことの重要性を指摘しています。
自分がいかにあいまいに英文を読んでいたかということに気づくと同時に、構文や文法の重要性を改めて認識して、大きな感銘を受けました。英文を「なんとなく」読んでいるような気がしている方、必読です。
2002/01/23 01:50
自分のキャリアを内省するきっかけに
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
近年、不況や日本的経営の崩壊が進むに連れて、「自分のキャリアをしっかりと考えよう」ということをよく耳にします。確かに会社にすべてを委ねておけば大丈夫という時代ではなくなっています。
本書は、自分のキャリアについて内省したり、それをデザインするきっかけを提供してくれる本です。新書ですが、最新の理論も豊富に紹介されているほか(大変わかりやすく、かつコンパクトにまとめられています)、自分のキャリアについて深く考えて答える「エクササイズ」も用意されています。
キャリア論の最新テキストとしても読めますし、自分の「今まで」と「これから」のキャリアを考えたいというひとにもお薦めの一冊です。
紙の本冠詞が使えるルールブック
2002/01/11 23:15
具体的なルールで使い方を覚えられる
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日本人が英語を話したり書いたりする上で、常に悩まされるのが、「冠詞」の問題です。
辞書や文法書を読んでも、よくわからず、なんとなく書いてしまう。すると、ネイティブからは、「この冠詞の用法は間違っている」と言われてしまう…こんな経験をされた方は多いのではないかと思います。
この本は、そんなややこしい冠詞の使い方をルールにまとめて解説してある良書です。「こういうときには、theを使う」、「こういうときには、冠詞はいらない」など、実際に冠詞を使った場面を想定しながら、わかりやすくルールとしてまとめられています。読み物としてもおもしろいですし、実際に英文を書くときには、調べ易い構成になっているので、重宝しています。
冠詞でお悩みの方、必読です。
2001/12/18 02:34
これはおもしろい本だなあ、ほんとにまあ。
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『センセイの鞄』や『神様』などで知られる、川上弘美さんのエッセイです。本、お酒、旅、生活などにまつわるエッセイが、たくさん収められています。
「おもしろい」という形容詞が適当かどうかわかりませんが、この読後感はなんと表現したらよいのでしょう。「癒してくれた」とか「ほんわか」のようでそうでない気もするし。「おだやか」でしょうか。うーん、違う。とにかく、読み終わるのが、本当に惜しいくらいの良い本です。日本酒を読むみたいに、眠る前にチビチビと味わいながら読みました。
紙の本パワー・エリート 上
2001/05/26 23:35
「エリート」社会に警鐘を鳴らした社会学の古典
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「エリート」というと、今の日本においては、ネガティブ・ワードとして使われることが多いのではないでしょうか。確かに、キャリア官僚、大企業のエリートなどが引き起こす数々の事件にわれわれは憤ることが多いことは事実です。ということは、エリートの意思決定や行為が、われわれの日常生活において、非常に大きな影響を与えるうるのだということを含意しているということでしょう。
本書は、1956年というきわめて早い時期に、アメリカ社会において、エリートが出現し、エリートが社会に大きな影響力を行使しつつある現状を踏まえた上で、そのような時代の流れに警鐘を鳴らした本です。経済(大企業)・政治・軍事という3つの領域のトップとして君臨する「パワー・エリート(権力エリート)」たちがいかに社会に大きな影響力を行使しているのか、また、エリートたちが単独ではなく、3者がどのような相互関係を築くことによってさらに社会に君臨しようとしているのか、ということなどについて議論されています。非常に優れた社会学の重要な古典的業績です。
優れた古典どのような時代になっても通用する価値があるといいますが、本書もまさにそういう本の一冊でしょう。
2001/05/15 00:05
問題解決から問題発見へ
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本書はわずか160ページという薄いものですが、含蓄のある本です。
近年、「問題解決」とか、「ソリューション」といった言葉をよく耳にします。しかし、問題解決にしても、ソリューションにしても、解決すべき問題が見つからないと、解決プロセスは始まりませんし、解決すべき問題を誤ってしまうと、その時点で誤った答えしか出なくなってしまいます。
本書は、「問題」をどう発見すればよいのかということの重要性とその方法論を、具体的な例を挙げながら、ユーモアたっぷりに伝授してくれます。さらに、ところどころに挿入されているイラストもおもしろく、思わず笑ってしまうようなエピソードもたくさん記されています。
他の方の書評では、「翻訳がよろしくない」という指摘がありましたが、私はほとんど気になりませんでした。確かに意味がとりにくい箇所もありますが、その分じっくり読むことで、理解がかえって深まったような気がします。
紙の本英文読解講座
2001/04/06 13:22
オーソドックスな英文解釈の参考書
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高校生のため英語の参考書のようですが、大学を卒業してすでに数年が経っているわたしにも非常に役に立つ参考書でした。本書の目的は、「中級以上の英文を読めるようになること」です。そういう意味で、社会人や大学生にとっても十分役立ちうる参考書です。
いまはやりの「講義の実況中継」のようなものとは違って、読んでいてやや退屈な感は拭えません。しかし、懇切丁寧に英文の構造を解き明かそうという著者の努力が感じられます。難解な構造をもつ英文を、非常にわかりやすく説明してくれています。また、各問題のあとに設けられている「研究」というコーナーでは、やや高度ではありますが、難解な英文を読むためのロジックが詳しく解説されています。
地味な参考書だと思います。しかし、読めば読むほど味が出るような、味わい深い本であるようにも思います。
紙の本英検1級教本 文部省認定
2001/04/05 23:46
英検合格のための教科書
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英検受験のためテキストや問題集はほんとうにたくさんあります。まずどれから手をつけていいのか困ってしまうこともあります。そんな人にお勧めできるのが、この本です。
英検1級ってどんな問題が出るのだろう?という素朴な問いに答えてくれるのが本書です。
「問題集」ではないので、掲載されている問題数は多くないですが、どのような問題が出題されるのか、それをどう攻略するのかを丁寧に解説しています。また、長文問題のすべてに全訳がついているので、復習も簡単にできます。
この本は、「リーディング」、「ライティング」、「リスニング」、「スピーキング」、「ボキャブラリー」の5部から構成されています。「広く浅い」内容なので、本書で基礎をしっかりと固めた上で、次の問題集に進むとよいと思われます。
2001/03/31 11:16
マーケティングの定番テキスト
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豊富な事例をもとに、現代社会のマーケティングの理論と実際を学ぶことができる優れたテキストです。マーケティングの理論的基盤のみならず、実践からも現象にアプローチすることで、マーケティングの理論と実践が共進化していることを実感できます。
コトラーには、『マーケティング・マネジメント』や『マーケティング原理』などの優れたテキストが日本語訳されていますが、私が読んだ感じでは、この本がもっともわかりやすいように思います。
とにかく事例の多さには驚かされます。その事例と解説をよみすすむうちに、自然とマーケティングの理論枠組みやコンセプトを学ぶことができます。写真や図が豊富であり、テキストの理解を促進してくれるということも本書の特徴でしょう。
それにしても、このような入門テキストを日本のマーケティング学者は書けないのでしょうか?
紙の本一瞬の光
2001/01/24 22:49
2000年の一番
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2000年に出版された小説の中で、本書に勝るものはないと思います。出版直後は、新聞の書評などではよく取り上げられていましたが、年末の各種雑誌の読書特集などではなぜかあまり取り上げられておらず、やや残念な気がします。あまり本屋でも見かけません。
本書の主人公は、日本を代表するメーカーで人事課長になった橋田浩介。彼は、ふとしたことから、残酷な過去を背負う短大生、中平香折に出会います。橋田はエリート中のエリートで、完璧とも言える恋人がいる。それに対して、香折は辛い過去を背負いながら一日一日を過ごしている。
そんな立場や背景がちがう二人が出会ってしまったことから、二人の運命は思いがけない方向に進んでいきます。そして、予測できない結末。
二段組400ページ弱のボリュームのある本ですが、一気に読み、読み終わった後はしばらく涙が止まらないくらいでした。
本書の著者のデビュー作だそうですが、今後の活躍が楽しみです。
紙の本ニュアンスで覚える英単語
2002/01/22 01:56
英語の微妙なニュアンスを理解するために
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日本人の英語勉強法は「単線型」であるという話を聞いたことがあります。たとえば、「accept」=「受け取る」、「receive」=「受け取る」というふうに、単語や会話を覚えがちです。このように覚えると、「accept」と「recieve」は全く同じ意味で、両者を互換的に使えそうですが、この本によればそうではないようです(詳しくは本書をお読みいただくとして)。「receive」と「accept」が使われる状況はまるで違います。
このように、英単語そのものが持つ微妙なニュアンスの相違をわかりやすく論じたのが本書です。「なるほどなあ」とうならされることが多い一冊です。
紙の本まるごと使える仕事英会話ミニフレーズ CDブック版 仕事がおもしろくなる!即戦力表現集
2001/11/12 23:48
ビジネス現場で使えるフレーズが満載
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ビジネスの現場でよく使われるフレーズがたくさん収録されている本です。ビジネス英語を習得する上で、「はじめの一冊」として有益な一冊です。
初歩的な基本表現から、かなり込み入った専門的な表現まで広く紹介されています。具体的には、「電話」や「あいさつ」といった基本的な事柄から、「プレゼンテーション」、「クレーム処理」、「ビジネスランチ」、「接待」といったやや応用的なものまで含まれています。
これ一冊で、ビジネスに用いる表現のかなりの部分をカバーできると思われます。また、ところどころで紹介されている「ビジネスマナー」も、実際にビジネスをやる上で非常に参考になりました。
英語でビジネスを行う人に必読の一冊でしょう。
紙の本センセイの鞄
2001/11/11 02:10
川上文学の最高傑作
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本書は、谷崎潤一郎賞を受賞した作品です。この本を一言で言うならば、「恩師と教え子の恋愛」を描いた作品です。というと、よくありがちな恋愛小説のようですが、この本はそのような月並みな作品ではありません。
37歳のツキコさんは、馴染みの居酒屋で恩師の「センセイ(元国語教師)」と再会します。「センセイ」との年齢差は30以上。そんな二人が、花見やキノコ狩り、旅行などちょっとした出来事を通して少しずつ、行きつ戻りつしながら、恋を育んでいく様子が巧みに描かれています。
決して激しい恋愛を描いた作品ではないし、セックスももちろんありません。だからこそ、かもしれませんが、この本を読み終えたときには、久しぶりに「ほのぼのとした感じ」を味わいました。疲れたときに読みたい一冊です。
2001/11/10 02:31
TOEIC800点台から伸び悩んでいる人へ
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本書の冒頭で著者が述べているように、TOEICで800点を超えた人向けの問題集はほとんどない、というのが実情のようです。TOEICは点数があがればあがるほど、点数が伸び悩むようになってくると言われます。そこで、自分の実力に応じた問題集を見つけたいと思っても、書店に売っている大部分の本はものたりないと感じていたときに、本書に出会いました。
この本では、TOEIC900点に手が届きそうで届かない人が共通して陥る罠について、リスニング、グラマー、リーディングのパート別に詳しく解説されています。また、具体的な学習のポイントも明示されているので、非常に参考になります。
TOEIC800点台から伸び悩んでいる人に、お薦めの一冊です。
紙の本スコア別TOEIC GRAMMARパーフェクト攻略 桐原TOEIC
2001/10/30 23:58
短期間でTOEICの点数を上げたい人のために
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TOEICの文法問題対策の問題集です。TOEICによく出題される問題パターンが徹底的に解説され、覚えやすいようにポイントとしてまとめられています。これらを完全にマスターすれば、短期間でTOEICの点数を上げることが可能であると思います。解いていてやや退屈なところはありますが、必要にして十分な解説は好感が持てますし、類題が集められた別冊の問題集も、暗記項目のチェックに最適です。よくデザインされた問題集であるように感じました。
わたしは本書を3回繰り返しましたが、文法問題は8割以上正解できるようになりました。TOEICで900点台を目指すというのなら別ですが、800点くらいまでの対策にはかなり有効でしょう。