有里さんのレビュー一覧
投稿者:有里
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2001/05/25 07:53
「AC」という切り口で『赤毛のアン』や『童夢』を読み直すと……
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「アダルト・チルドレン(AC)——子ども時代に必要な愛情と安らぎを得られずに育ち、傷ついた心を抱え、癒されぬまま大人になっている人たち」をテーマにしたブックガイド。
「アダルト・チルドレンの理解に役立ち、その理解によって、本人もまわりの人も少し楽になれるように願って」編まれたという。解説は赤木かん子を中心に6人の編集チームによって書かれている。
目次を開くと、アルコール依存、虐待、共依存と、なにやらモノモノしい言葉が並んでいるが、ひるむことなかれ。取り上げられている本の中にはハードでシビアなものや専門書もももちろんあるけれど、モンゴメリ『赤毛のアン』やゼナ・ヘンダーソン『果てしなき旅路』、大友克洋『童夢』、アシモフ『はだかの太陽』、テリー・ホワイト『真夜中の相棒』といった一見「AC」とはあまり関係がなさそうなエンタティメント系の本も多く、解説もくだけた口調で書かれているので読みやすい。
自分が「AC」だという自覚のある人、「AC」かもしれないと思っている人、生きにくさを感じている人にとっては必読書だと思う。「AC」という視点で見ると、一度読んだ漫画やミステリーがまた違った意味を持ち始めて興味深いので、別に自分は「AC」じゃないという人にも一読をお勧めする。個人的には大友克洋『童夢』の解釈(p.235)と『アラベスク』と『エースをねらえ!』の対比(p.134)に目からウロコが落ちるような気がした。特に後者を読んで、私の持っていた『エースをねらえ!』への違和感の正体がはっきりした。あー、とってもすっきり(ちなみにこの項目を書いたのは赤木かん子ではなく、小迫倫子)。
オタクや専業主婦に対する嫌悪感というか侮蔑がかすかに感じられるのと、たまに記述にカンチガイ(p.182にある『指輪物語』の中のヒーローのガブリエルって誰?)があって少しだけひっかかるのを別にすれば、丁寧に作られたよい本だと思う。
http://www2r.biglobe.ne.jp/~alisato/
2001/03/14 08:07
テキを知り、オノレを知れば、家内安全
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人間を価値観と行動パターンから「王様、軍人、学者、職人」の4つのタイプに分けて、それぞれの傾向と対策を示し、今後の人生を上手に取り扱って幸せになろうという「人生の取扱説明書」。
性格を内向と外向と感情/直観/感覚/思考の組み合わせで分類したり、分裂気質と循環気質などなどで分類する方式に似ているが、欲求=価値観の持ち方にポイントを置いているので、非常に分かりやすい。
各タイプの実例を読んでは、身の回りの人間に当てはめてみて大笑い。中でも最高に笑ったのが、「男は結婚で、こう変わる」の章に出てきたあるタイプの行動パターンと我が配偶者の行動パターンがそっくりそのまんまだったことだ。あまりにもそっくりなので、その部分を朗読してやったところ「そんなの皆そうだろ?」とのたまう。そうじゃない人もいるといっても信じてくれないんだな、これが。それがわかんないと、人生ツライと思うよ。この本読んで勉強してよ。
ともあれ、これで配偶者の「取扱い方法」が分かった。岡田さん、ありがとう!
http://www2r.biglobe.ne.jp/~alisato/
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