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(格)さんのレビュー一覧

投稿者:(格)

33 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本東京アンダーワールド

2000/07/31 01:26

戦後日本のアングラ社会に生きる外人の闘い

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 日本に住む外人(米国人)が英語で書き、米国で99年に出版されたものが、日本語に訳された。話があちこちにとび、時間的にもいったりきたりして、読みにくいのだが、基本的にはニコラ・ザペッティという米人の話が中心だ。終戦直後の1945年8月に日本に先任下士官としてやってきた男だ。そして、日本に住むことに旨味を感じ、四回の結婚をしながら、プロレスのレスラーなどもやりながら、六本木でレストランを成功していく。もっとも最後は悲惨な結末だったようだ。
 本書では、そのザペッティの日本での人生をいろいろな人とのかかわりを通して描いていく。店を訪れた客としては、昭仁皇太子、力道山、児玉誉士夫、石原慎太郎、町井久之(東声親分)…などがいる。
 ところで、力道山が朝鮮人であったというのは今では周知の事実であるが、当時は誰も知らなかったらしい。そうだったのだろうか。私がいつ知ったかはとても覚えていない。『力道山』というのが朝鮮の実在の山の名だというのは知らなかった。マスコミ自身がそれを分かりながら、報道していなかったようだ。それはプロレス協会の圧力だったらしい。もっとも、日本の復活をつげる象徴としての力道山が朝鮮人であることを『大衆自身が知りたがっていないフシさえあった』というのはたしかにそうかもしれないと思わせる。
 日本人を見下す姿勢がそこかしこに感じられ、あまり気持ちよく読めない。前作ではそんな感じはなかったのだが、いったいどうしたのだろうか。ずっと日本に住む人だから、日本を悪く思っているわけではないと思うのだが。日本を愛するがゆえの発言としても、『日本人のいつもの裏切りだ』とか言うのは許せない。

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紙の本霧多布殺人湿原

2000/09/09 01:54

霧多布を舞台にした殺人事件

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 霧多布に行き、ペンションポーチに泊まってきたばかり。そのペンションが実名で登場する。主人の名前はさすがに変えてある。懐かしい描写もあるのだが、全体的にはもの足りない。もう少し詳しく描いてほしかった。霧多布の周りの地域、厚岸から根室までの描写も少しある。そのあたりはまあまあか。寄らなかったところもあり、事前に読んでいればと思う。
 不思議な女性アミと主人公道原刑事とのからみは、なかなか気をもたせ、少しは面白い。ただ、アミの悩みはまったく分からないし、道原という刑事の性格も書き込みが足らず、今一つ不明。
それにしても許せない題名。霧多布が殺人を侵すようである。霧多布湿原殺人事件とすべき。

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紙の本不良のための読書術

2000/08/22 01:11

不良のための本の読み方とは

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 世の中の悲劇や不幸の大半はマジメな良い子によって作られる。だから、不良になろう。不良になるためには、本をたくさん読むことであり、これは、いろいろな考えを知って、あっちへふらふら、こっちへふらふらとなるためである。そして、そのための読書術を記している。しかし、そうそうたくさんの驚くべき読書法が記されている訳ではない。中心となるのは、『本は適当なところを20〜30ページ読めば良い』という点である。『せっかく買った本を途中で放り出すのはもったいないけれども、おもしろくもない本のために時間をつぶすのはもっともったいない』『一冊の本を選ぶということは、同時に他の本を読む可能性を捨てること』というのはまさにそのとおりではあるものの、そうは言っても自分で選んだ本。やっぱり最後まで眼を通すなあ、と思っていると、逐一読んでいくのではなくて、キーワード法とか適当な速読法と組み合わせればいいとも言う。これなら、私も時々、無意識に行うやり方だ。もっと意識的に多用してもいいかもしれない…ということで、この本も半分以降はかなりの飛ばし読み。
 そのほかのこの本の主張は、
- 本はいいと思ったら買う。タッチ・アンド・バイ→実践しているつもりだが、なにせ、未読本が多く、つらい。
- 探書手帳は挫折する→私も今はやってない。むしろ、再開しようとしていたが…。
- 本の時間差攻撃。ベストセラーが古本屋などに出回ってから読むこと→私の基本は違うし、変えるつもりもないが、気がつかなかったものについては、そういう眼で読めばいい、ということか。
- 読書日記は読書の敵→という。しかしながら、すぐ後で、『面白い本は誰かに伝えたい。頑張って感想を自分の言葉でまとめてみると、本を読んでいた時以上にものごとが見えてくる』ということを言っている。また、『NIFTYなどの会議室で感想を話し合うのもいい』とのこと。しかも、読んだ本のデータだけは、自分で記録しているとのこと。いったい、この筆者の主張はどうなのか。全然わからない。
- いちど読んだきりで二度と開くことのない本に住まいの一角を占領させておくなんて、身の程をわきまえない贅沢と思え→私は贅沢をしたい。
- 本の前後二列置き。これだけは勇気をふるってぜひやめたい→私はしている。やめるつもりもない。
 不良のための読書術のほかに、いろいろな書店の紹介や、出版業の問題点分析などが半分ほどをしめているが、おどろくような話はほとんどない。

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消費者としてこだわりは一切ないのだが…

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 ブックオフが伸び続けている。これは出版業界にとって、大きな驚異なのである。もっともそのことすら認識していないのが出版業界であり、それがもっとも問題なのかもしれない。そういったことを考察したのが本書である。ただし、不満なのは出版業界からの視点だけであり、消費者、読者の視点からの考察が抜けていること。まあ、そんなことは、出版業界からみればたいした話ではないのかもしれないが。。
ブックオフの伸びの原因は結局の所、再販制と委託制に起因する。これらによって、大量生産・大量消費・大量廃棄を生み出し、そしてその捨て場所をブックオフがさらった、ということなのだ、というのが著者の主張だ。多少飛躍がないでもないと思えるが、まあ、そうなのだろう。
 冷静な評価として、商品の絶対量に乏しく、バラエティにも欠ける、売れ筋がほとんど品ぞろえされていない、インパクトのある目玉商品がない…等正確な評価もある。私自身も感じることである。しかしながら、である。それが問題なのだ。
 なぜ成功しているのか。再販制と委託制に原因を求めるのは正しいが、それだけではないだろう。もう少し分析して欲しい。日本人の考え方そのもの変化にも行き着くような気がするのだが。
 坂本孝に関する記述はすごい。ほんとにそんなにひどい男なのか。
 ほんの数行の記述だが、アマゾンの急激な成長は価格であり、日本とは違うのだという事が書かれている。さすがに、日本の出版制度を論じているだけあって、アマゾンの伸びの本質を言い当てている。
 ブックオフはこれからも伸びるのだろうか。私に関して言えば、これからも買いそびれていた本がブックオフで見つかれば買う。ただそれだけで、すべてをブックオフから買うとか、逆にブックオフでは絶対に買わないとかのこだわりは一切ない。

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紙の本エクスペリメント

2000/09/10 01:07

突然自分のクローンが現れた男の闘い

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 解説によれば、SFではなく、サイエンス・アドベンチャーと呼ぶのだそうだ。たしかに冒険小説になっている。前作も、ネアンデルタール人の後継が現代に生きているという絶対に考えられないような話だったが妙に説得力があり、物語としても楽しめた。この人に緻密に説明されると空想的なとてもありえないと思える話が真実味を帯びてくるからおそろしい。同じクローンがテーマということで、ついクィネルの新作と比べてしまうが、書かれていることの真実味は、クィネルより絶対に薄い。なにせ、30年前にクローンの技術が生まれ、この現代に20数歳のクローン人間が何人も現れるのだ。にもかかわらず、物語の説得力はこちらの方がずっと上。そんなこともあるか、と思わせられる。
 もっとも緻密すぎるゆえだからだけではなく、長過ぎる。二段組びっちり500ページ。山場はいくつかあるが、ちょっといきつ戻りつのところもあり、だれる。もうちょっと、引き締めた物語にすれば、最高のエンターテイメントになると思うが。
 最後(途中から予想はつくが)はなぜなのか、よく分からない。また、敵の最後も意味不明。

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ウィスキー五大産地への旅(写真と文)

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 ウィスキー五大産地とは、スコットランド、アイルランド、アメリカ、カナダ、日本だ。その五ヶ所のウィスキー各醸造所を訪ねる旅である。ただし、写真が中心で全部で100ページしかないため、文章はわずかしかない。残念。
 五大産地とは言っても、世界で5か所のみ、という方があたっているだろうし、また、それも、一強四弱というべきだろうから、これらを全部平等に扱ってもしようがない。ここでも少しだけ、スコットランドの章が長いが、もっと極端で良かった。
 著者によれば、スコッチは『群を抜いてマッカランが一位。二、三がなくて、四にボウモア、五位がザ・グレンリベット』だそうだ。私もたまたまこの三つはすべて飲んだことがある。私の趣味ではボウモアが一位。もっとも、ここでいうマッカランは、25年ものだそうだ。そういうのは、とても、飲める金額ではないだろう。一度は飲んでみたいものだが…。
 私もいつか、スコットランドへウィスキーを巡る旅を必ず実現したい。

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紙の本放送禁止歌

2000/09/09 01:56

放送を禁止された歌とは何か.なぜか.

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 放送禁止歌というのは何なのかというのを追った書。結局、禁止歌というのはなく、自主規制だったというのが結論。要注意歌謡曲一覧というものを民放連が自主的に作り、それに従っていれば、問題が少ないということで、皆がそれに従ったということらしい。もっとも、この制度自体はもう10年以上前に停止しており、何の効力もないらしい。
 考えることをしないマスコミ。それが最大の問題点だ。影響力のあるマスコミが考えることをしない。この本の最大の指摘である。これを番組として放映したという。見たかった。そういうところから、変わっていければいいのだろうが。
 『竹田の子守歌』に詳しく触れている。歌の意味の矛盾。たしかにそうだ。在所が部落を意味するのなら、この歌の歌い手は部落の娘ではない。逆の意味なら…著者は断言する、と言いながら、この歌の解釈をどうだと言っているのか読み取れない。

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異端者3人の『出版』に関する話し合い記録

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 安原は中央公論、井家上は三一書房の出身だった。その出身元での問題を徹底的にばらしている。もっとも批判しているのはほとんどの出版社。たとえば、河出書房は、藤沢周や俵万智など、自分のところで新人を発掘して新人を育ててもすぐに他社に取られる。岩波は巻数ものの出版でも始めてみて、売れ行きが悪いと途中でやめてしまうとか、広辞苑第5版は失敗だとか。。
 さらに、いくつか知らなかったことを記しておくと、
・平凡社は事典で日立と組んでいるが、もう日立中心になって、売上の5%しか取れていない。
・朝日の宮部みゆきの『理由』は奥付けの日付を一日ずらしたため、直木賞の選考対象にならなかった。結果的に次回に取れたが、とにかく、朝日はそういう事自体を知らなかった。
・中央公論の給料は50歳で700万。それはいいが、集英社の1/3だと…集英社というのはそんなに調子がいいのか。。
・中公文庫の『潤一郎ラビリンス』は近年のヒット。
・徳間の借金は1600億円。
 もっともとんでもない話ばかりではなく、常識的な話もでてくる。たとえば、
・『ある種の読者は馬鹿ではないから、こちらが真剣に、しかし遊び心は失わず、編集者の熱気を送り続ければ、必ずや通じるもんだぜ』
・『いいものがでているのに売れないのではなく、ロクでもない本ばかりでているから売れない』
 なお、永江の発言で、『ソフトウェア開発とかシステム開発とかコンサルティング業務っていうのがそれに近いわけですよね。物は作らずにアイデアを売る』というのがあるが、ご冗談を…ソフト開発とコンサルをいっしょにしてはいけない。だいたい、『開発』がどうして物を作らないのか。単純なミスだとは思うが。。
 まあ、とにかく、いい本をたくさん作ってほしい、と思ったが、もう、皆(永江はまだ現役か)編集はやっていないか。

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紙の本巡査 埼玉県警黒瀬南署の夏

2000/08/30 00:35

娘を殺された巡査とその同僚の闘い

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 中学生の一人娘を殺される巡査。家庭が壊れていく。同僚が、捜査を進めていく。犯人として逮捕された15歳の少年は証拠不十分で釈放されてしまう。そして、釈放された少年が女と連れ立ってあるいているのを見た、巡査は……。
 巡査の心の動きは丁寧に書かれているので、警官が娘を殺されたから…という疑問は少しは軽減されるのだが、やはり疑問は疑問。そして、何より、被害者の娘がまったく描かれておらず、よく分からない。まったく普通の中学生に思われるような娘、きちんとした親の娘が、乱れた生活をしていただけでなく、人をののしるようなことを言う。何かおかしい。
 一方同僚の警官とその署長はいい。熱い心をひめたクールな会話がいい。
 全体としてはおもしろく、一気に読めるだけに被害者の不自然さが残念。

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紙の本本能寺 上

2000/08/30 00:24

信長の岐阜城構築から長篠の戦いまで

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 久しぶりに読む信長。知識の再確認のかたち。それほど新しい、という感じはない。信長と光秀と藤吉郎。この三人の物語と言って良い。どちらが自分の後継者となるのかと信長は考える。有能なものほど働かせる。だからこそ、自分がもっとも働き、つぎに、光秀と藤吉郎に次々と難題を与える。
 しかしながら、この信長にしても自分の明確な目標が分からない。分かっているのは既得権が諸悪の根源としてこの世を打ち壊す、『おれが乱世を治める』という点か。信長の終生求め続けたのは<新しい世の中>。しかし、その具体的な姿は信長の胸中に秘められたまま消え、今に残っていない。まったく残念なことである。
 十数年前まで、信長の革命思想より、比叡山焼き討ちよる殺戮が暴挙と見なされたとあるが、ほんとうか。比較するような問題でもないし、この十数年で評価が明確に変わったというような事実はあるのか。
 著者の言う信長の功績や特徴をまとめておくと、以下のようなところか。
- 報奨のために領地を与えず、名物の茶道具を与える(アイデアと言えばアイデアだが…)
- 方針変更に何のこだわりももたない
- 非情(自分を生かすためには部下を見すてる。むろん大きな目標のためだが)
- 部下を裏切らない。逆に部下に裏切られてばかり(上と矛盾)
- 過去の作戦の経緯を包み隠さず論議・検討する。400年後の日本軍は事実をひた隠しにし失敗した
- 実施中の作戦の予測や批判をさせない(作戦の狙いすら説明しなかったようであるが、これは疑問。とっさの場合の判断ができない)。
- 独自の美意識と死生感(このあたりの解釈は多少新しいか。朝倉等のどくろで酒を飲むなどのことを信長自身がするはずがない、部下が勝手にやったことと著者は推測。たしかにそうかも知れない)
- 国と大衆のためにこそ宗門がある。宗門のために国や大衆があるのではない。
 題名からして、本能寺の変の真相を説き明かした書なのかと思ったのだが、そうではなく、かなり若い頃からの信長を描く。それが、本能寺を描くのに必要なことなのか、下巻に期待。

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漁師・猟師の漁・猟の現場での料理

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 「dancyu」創刊号から一年連載されたエッセイ。何回かは読んだのだがあらためて、すごい。というかうらやましいの一言。
 著者の目的は、『食材が収穫される最前線の現場を訪ね、その場で味わう食の世界を覗いてみたい』ということであり、そこには『収穫の現場にはいままで知らなかった食材があったり、料理屋とは違う料理方法や食べ方がある』。また、『収穫する人たちの智恵の輝きを感じさせる』のだ。
 たとえば、『知床半島 羅臼のサケを喰らい尽くす』では、午前四時過ぎに番屋で、まずスジコをほかほかご飯の上にどっさり載せて三杯飯。そして、船に載って漁に同行。漁場について網起こしを手伝う。何時間かかけて、サケ三千本。大漁である。市場に水揚げしてサケのランク付け。番屋に戻り大漁祝いということでチャンチャン焼き。猟師の間でもチャンチャン焼きというのはそれほど食べないのか。ところでここで猟師の智恵。混ぜないのだそうである。焼けたところから手の空いているものが順に食べ始める。そして食べ終わったら即、仕事へ。また別の者が順に焼けたところを食べる。焼け過ぎもなく、皆がおいしいところを食べられる、ということらしい。そして、別の日、河口で釣り。何時間もかけて、サケをついに一匹釣り上げる。
 写真がふんだんに使われており、いっそう、食欲をわかせる。旅をして現地のモノを食べる。それをさらに一歩進めて、現地でとったものをその場で食べる。これはもう、ほんとうに究極のグルメと言っていいだろう。何度も唾を飲み込みながら、クソウと思いながら読むしかない。
 北海道へ旅をしてきたばかりで、イクラ、蟹、ウニ等々現地のモノをたくさん食べ、それはそれで満足だったのであるが、直後にこういうものを読んでしまうのは、どういう縁か…。

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紙の本花の湿原霧多布

2000/08/25 00:19

霧多布の花,樹,食,動物などのガイド

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 霧多布のガイドとしてはもっとも充実しているのではないか。著者は、83年から『霧多布湿原の魅力にひかれ移り住』んだ。霧多布の湿原センターの運営に関わり、また、2000年に立ち上げたNPO霧多布湿原トラストの事務局長でもあり、霧多布に関する知識はもちろん、霧多布への思いが強いのだろう。特に、『はじめに』と『あとがき』に気持ちがよく現れているが、一つの花の短い説明でも『ツルコケモモ。下を向いて咲く小さな花。いつもかわいいなと思う。花を見ると秋に熟す甘酸っぱい実が待ち遠しくなる。湿原で一番好きな花』という調子で、読んでいてほのぼのとしてくる。
 写真をふんだんに使い、特に花の名前との対照が簡単に行えるようになっている。私が訪れた20年以上前は3月。白鳥以外は何もなかった。今回の旅(00年8月)では、エゾフウロや、タチギボウシ(だと思うが)が中心であった。6月のワタスゲ、7月のエゾカンゾウの時がやはり一番華やかな時なのであろう。このときに今度は訪れてみたいものだ。また、今回、丹頂も見ることができなかった。もう一度訪れるための口実としてはいいかもしれない。

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紙の本サムライ達のプロ野球

2000/08/25 00:16

沢村栄治から長嶋茂雄まで,プロ野球のサムライ23人との青田昇の交流録

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 プロ野球を見るのは一年に何回、というくらいになってしまった。なんとなく面白くないのだ。しかし、ここにでてくるような連中がでてくるのなら、ほんとうに毎日でも見たいと思う。青田のプロ野球に対する熱き思いが伝わってくる。今のままではいけない、なんとかしなければ、という気持ちだろう。
 たとえば、どんな連中がいたか。川上と千葉。『二塁ベース寄りを抜かんとする難ゴロを千葉さんが好捕する。スナップスローで一塁送球がワンバウンドになる。川上さんがファンブルする。茂やんが怒鳴る。「おい、プロだったら、たまにはワンバウンドぐらい取れや」川さんも負けてはいない。「プロだったら、ちゃんとした送球をせんかい!」』こういうやりとりを試合中にやる連中なのだ。管理野球の発明者、神様川上は、現役時代こういう哲学をもっていたらしい『フォア・ザ・チーム、そんなものは必要ない。俺はただヒットを打てばいいんだ。俺は三本に一本はヒットを打てる。それをチームのためにどう生かすかは監督のウデだ。俺の知ったことじゃあない』。まあ、こういうことを言い切って、それを実行する。それがサムライなのだ。
 長嶋の項では、伝説の伊東キャンプについてのみ書かれている。あの伊東キャンプでは、青田が実際には仕切っていたようだ。そして、マスコミ報道によって作られた長嶋とはまったく異なり、選手の才能を見抜くと大きな構想力を持って育てる素晴らしい監督であることを述べている。嬉しい。
 ところでこの本の中で一カ所だけ、批判をしている部分がある。『秋山、杉浦、中西、豊田の入っていない名球会など、その名に値せぬ。主宰者の猛省を促しておく』。皆、太く短く生きたサムライ達だ。今の名球会資格だと細く長くやったたいしたことのない者が入ってくる。まあ、今回、資格を取得した秋山(先の秋山とは別人)がそうだとは言わないが、でも、前述の4人に比べれば、印象度は大幅に落ちるのは私から見ても明らかだ。

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日本語に関する面白話

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 4冊も続くとさすがにマンネリか。おもしろい話題がぽつりぽつりという感じになってきた。批判も少なくなって来たような気がするのは気のせいか。以前から読者とのやりとりが面白かったのだが、それによりかかるようになってきた感じさえする。
 いくつか、話をあげておく。
 十六文キック。たしかに16文キックではないだろう。しかし、実際に新聞などでは16文キックの表記が始まっているらしい。ところで、1文は、2.4cm。16文だと、40cm近くになる。ところがこの由来は、馬場の履いていた靴に16と書いてあったのを誰かが16文と誤解したものらしく、実際には靴メーカの16号を意味していて、33〜34センチであったらしい。14文相当らしいのだ。こういうことが、読者とのやりとりや、後の調査から分かってくる。面白い。
 人材選びの秘訣。履歴書をワープロではなく、手書きにさせ、一発で判定できる方法があるという。正解はここには書かないが、なんとなく分かる気がする。
 肌にやさしい。ふだん聞いていておかしいとは思っていないのだが、よく考えると、ほんとはおかしいという言葉づかいというのがある。説明されると分かるが、たしかに、ふだん聞いている分にはおかしいと思っていない。自分でも使っているのがあるかもしれない。『左側の扉が開きます』『自民党惨敗のA級戦犯は、』『至上命題』…分かるかな。
 かぞえることば。『三本をサンポンと言うことがある、どういう場合か?』教師の頃、教室で質問して、20年に一度だけ正解を即座に答えた学生がいたそうだ。正解は、本書で。

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霧多布で暮らす1年の物語

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 1990年4月から91年1月まで10か月の霧多布での暮しをつづる。愛読していた本にたびたび霧多布湿原がでてくることからあこがれ、そこを訪ねる。そして、半年後に霧多布が忘れられずに会社をやめ、霧多布に移り住む。この本とはどの本だったのだろうか。きっかけをもう少し詳しく書いてもらえれば嬉しかった。
 エトピリカと過ごす霧多布岬の毎日。昆布取りを手伝った漁師の一家との交流。湿原の花や動物たちとすごす毎日。すばらしく素敵な日々を過ごしていくが、長くは続かない。冬を小さな家で一人ですごすことはそんなにも難しいことなのだろうか。周りからもすすめられて独り暮らしをやめ、霧多布の市街地のアパートですごすことから、怠惰な日々になり、そのことで嫌気がさし(それだけではないのだろうが)、結局一年たたずに、東京へ帰ることになる。生活手段をどうするか、という問題の解決はやはりそう簡単ではない。自分のやりたいことで生きていくためには、夢を捨てることも必要なのだ。虚しいけれど、しかたない事実なのだろう。
 でも、一年近くものあいだ素晴らしい日々をすごし、そして、このような本を残せたのだ。うらやましい限りである。

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