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格格さんのレビュー一覧

投稿者:格格

8 件中 1 件~ 8 件を表示

紙の本

時代のけじめをつけるため国策捜査の犠牲になった男の自己分析

7人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

著者は鈴木宗男と常にいっしょに行動していて逮捕された外務官僚.背任、偽計業務妨害という罪名で懲役2年6月、執行猶予四年の判決を受けた.逮捕直前からその判決までの拘留生活512日とそこでの回想を描いている.現在、上告、保釈中でどうなるかはまだ分からない.
驚くべきことに、検察官自身からこれは国策捜査であると言われたという.
そして、それがなぜ必要なのかは著者が自分で分析している.国策捜査とは時代のけじめをつけるために必要なもの.内政におけるケインズ型公平配分路線からハイエク型傾斜配分路線への転換、外交における地勢学的国際強調主義から排外主義的ナショナリズムへの転換、という二つの線で「時代のけじめ」をつける必要があり、その線が工作するところに鈴木宗男がいた.そして、著者は鈴木宗男に対し、献身的に働いていたために、巻き添えを食った、という解釈である.たしかにそうとも思えるが、時代がはっきりそう変わったと言えるのは、後になってからであろう.
これだけ冷静な分析ができるというのは、著者のもともと行っていた仕事の関係もあるのだろう.しかし、拘置所の中という特殊な場所にもかかわらず、こういった分析ができる、というのは著者の特別な能力によるものと思える.もっとも、著者の書くように、拘置所がそれほど快適なところとは思えないのだが、どうなのだろうか.
検察は冤罪はやらない、ハードルを下げて引っかけるんだ、という.恐ろしい話であるが、著者が言うように、時代がそれを求めているとも言える.時代の変化を読めないやつが割りを喰うということか.
なお著者は、逮捕されてまで、鈴木宗男を信じ、「国民の利害を体現する外交を実現するためには、政治家の外務官僚に対する圧力は不可欠」とまで言う.すごい信念である.

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紙の本

答が一つではない定石、布石、死活の総合的問題集60問

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

定石、布石、死活の総合的問題集であるが、従来の問題集とはかなりスタイルが異なる.だいたい選択肢が四つぐらいあるのだが、正解がどれと決めてあるわけではない.回答には、0点から10点までの点数がつけてある.しかし、ほとんど0点などと言う答はなく、中にはすべてが10点などという問題もある.碁の打ち方に正解が一つと決まっているわけでもなく、まったくの間違いである答えもない、という著者の考え方によるものである.まったくそのとおりであろう.
その代わりに、危険度として爆弾マークが0個から3個つけられている.プロなら打つであろう選択は相手によっては危険も大きく、10点だが、爆弾3個という具合である.
各章毎の私の成績を示すと以下のとおりである.
第1章 即戦力の定石マネジメント 18問 162-19
第2章 負けない実戦マネジメント 30問 257-32
第3章 役に立つ技術と死活 12問 62-25
合計 60問 481-76
巻末の診断によれば、4級〜3級、リスクテークも上から2番目で、アドバイスは、”継続性を重視して”となった.約初段の私には厳しい評価である.第3章、死活の問題の正答率(3章だけは、点が大きく下がるものが多い)の悪さが評価を下げたようである.私の場合、死活がやはり弱点ということであろう.

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紙の本

手筋初段レベルの問題集、全105問.

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

手筋初段レベルの問題集、全105問.
スタイルとしては、表に問題図一つ.裏に正解図と失敗図の2ページで一問題の形.読みやすい.難しい問題はさらに2ページを費やして解説している.
約初段の私の成績を章別に示すと以下のとおり.50〜59問正解は初段と分類されており、判定は、ぎりぎり初段.ちょうどいいレベルか.
章 問題数 正解数
攻撃の最強手筋 40問 22問
サバキとシノギの最強手 40問 26問
腕だめしの最強手筋 25問 11問
合計 105問 59問
この問題集もまた、章のタイトルほど、だんだん難しくなる感じではない.ほとんど各章とも、同レベルである.

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紙の本

紙の本日本全国離島を旅する

2005/05/15 23:27

日本の離島を南の沖縄方面から、日本海をまわり、伊豆諸島へ.

3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

日本の離島のルポ.著者は「離島はどこも、潮や風で運ばれてきたさまざまな文化の吹き溜まりである.でも歴史を重ねた吹き溜まりには、薄っぺらな物は飛び去って、重くて貴重な物がたまっている」という.
沖縄の島が多い.沖縄の連続した島は、ほとんど同じだろうと思うと、一つ一つの離島にそれぞれの顔があるのがわかる.たとえば、最西端の与那国には、海底遺跡があり、台湾との密貿易で栄えた跡がある.日本最南端の波照間には、貝殻のまったくないサンゴのかけらだらけの浜があり、ハブがいないサトウキビ畑がある.そして、西表には、うっそうとしたマングローブの川があり、開発に揺れている、という具合である.
航空会社のバースデー割引というのがあるのは知っていたが、全国どこでも1万円とは気がついていなかった.遠い沖縄や石垣に行くのはたしかに大変な得である.私も今年から毎年利用して北の端か、南の端に行こうと思う.
日本の離島を満遍なく扱っているのだろうが、伊豆諸島を除けば、ほとんど東日本の太平洋側にない、というのは不思議.

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紙の本

紙の本戦争の常識

2005/04/24 23:40

戦争、軍隊に関する常識とは

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

帯にあるようにたしかにニュースなどを聞いていても、正確には知らないことなどがある.それがわかるように、戦争や軍隊に関する常識を説明した本である.章の構成は以下.
1 国防の常識
2 軍隊の常識
3 兵隊の常識
4 陸軍の常識
5 海軍の常識
6 空軍の常識
7 現代戦の常識
8 自衛隊の常識
期待ほどたくさんの常識がえられたというわけではないが、それでも知らなかったいくつかの事項がある.それらを列挙しておく.
 イラク戦争を仏独が支持しなかったのは、身近にイスラム圏のトルコをかかえているから
 正規軍とみなされる定義がある.1907年ハーグで結ばれた国際条約.
  中国の不安定は政治と軍隊の関係に起因する.
 下士官とは伍長から曹長までを言う.その上は将校.
 王侯貴族の独占物だった軍隊を広く一般に解放したのが徴兵制.
 巡洋艦と駆逐艦の違いは排水量の違いのみ.
  アメリカの空軍は陸軍の航空隊から独立した.海軍にも航空隊があり、それは今でもそのまま.
  インターネットは傍受、監視、侵入がしやすいように作られている.
  自衛隊は本来の軍隊とは異なる.たとえば、軍法会議の権限をもたない.
 同時に多数のミサイルを迎撃出来るイージスシステムを備えた軍艦をイージス艦と呼ぶ.
 世界のGDPの2.6%が世界の軍事費.日本は1%.(これは驚くべき事実だ)

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紙の本

紙の本せどり男爵数奇譚

2005/05/15 23:24

古書を扱う人間たちを描く短編集

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

古書を扱う人間たちを描く短編集、6編.なぜか6編とも麻雀の役の名前を表題にしている.主人公は、せどり男爵と呼ばれる笠井菊哉、53歳、独身.趣味と実益をマッチさせ、古本屋として生きてきた.約30年前に発表された小説集であるが、古本をテーマとしているせいであろうか.まったく古さを感じさせない.
第一話だけ紹介しておく.テーマは、光悦の本『謡曲百番』.100冊全部揃えると、とんでもない高額になる.しかし、1冊だけがどうしても手に入らない.ところが京都の公家の流れを酌む家があって、当主がなくなり、蔵書を整理したい、というので笠井が呼ばれる.調べてみるとなんと『謡曲百番』が桐の箱に入っている.ところが笠井の欲しい本はない.しかし、未亡人は、「わても、あなたが残しとられる一つのものが欲しゅうおす…」という.そう未亡人は、笠井の欲しいものと笠井の守ってきていたものを知っていた...

古本を巡っての虚々実々の駆け引きが面白い.何が高くて、何が屑なのか、深い知識を必要とする難しい世界.そこに生きる人々は皆、本が心底好きなのだ

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紙の本

紙の本ビッグブラザーを撃て!

2005/05/23 00:43

暗号ソフトを巡り、世界を電子的に支配しようとする組織との戦い

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

主人公は石黒悠太.ソフトウェア開発会社のシステム開発室長.十数年来の親しい友人でコンピュータセキュリティの専門家滝本から電話があって滝本のオフィスに訪ねていくと、MOディスクを渡される.『もし俺の身に何かあったら3日以内に>から連絡が行く』というメッセージとともに.そして、その直後に滝本は急死してしまう.
滝本から預かったものは世界最強と思われる暗号ソフトのソースプログラムであった.そして、同時に、世界を電子的に牛耳ろうという目論見をもった巨大組織『ビッグブラザー』からの攻撃が始まる.石黒はいかにしてその攻撃に対抗していくのか.
現代におけるスケールの大きな正統的冒険小説の唯一の書き手とも言っていい笹本稜平.その笹本が2000年9月に阿由葉稜名義で書いたものの改題である.笹本稜平になる前の作であるが、その片鱗がうかがわれる作品である.ただコンピュータソフトが主題となっているためか、いま一つ、動きが小さい感じもある.
コンピュータについてなど正確に書かれているが、2000年に書かれたものにしては、ワークステーションが活躍するなどちょっと古く、違和感がある.
なお、フランスがつい最近まで一般市民による暗号通信を禁止していたとか、アメリカでは暗号化が可能な携帯電話に対し、司法機関が暗号解除出来るチップと組み込むことが法律で規制されている、などの話はほんとうか.ここに書かれている話に信憑性をあたえている.

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紙の本

紙の本君たちに明日はない

2005/04/24 23:38

リストラ請負人を主人公とした数々のドラマを描く

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会社のリストラを請け負う会社の腕利き、村上真介を主人公とした短編集.ただし、全編を流れる一つのストーリーもある.第1編の相手との恋愛が続いていくのである.真介の過去も順に語られていく.必然の履歴があるのだ.5編の表題を記すと以下のとおり.巧妙な題は二つの意味を重ねているものが多い.うまい.面白い.会社のリストラには本当にドラマがある.
ACT 1. 怒り狂う女
ACT 2. オモチャの男
ACT 3. 旧友
ACT 4. 八方ふさがりの女
ACT 5. 去り行く者
『ワイルド・ソウル』は、重さの中に軽さを兼ね備えた長編であったが、本書は、軽さをメインとして、その中に重い部分を兼ね備えた短編集と言える.

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