pipechairさんのレビュー一覧
投稿者:pipechair
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蔵出し 絶品TV時代劇
2001/02/26 23:13
日本人なら時代劇を見よう!(ちょっと変わってるけど)
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地上波のTVが退屈でスカパーに加入した。そのおかげで、今や毎日なつかしのドラマ漬けになっている。特に昔のTV時代劇は、殺陣の華麗さ、とことん娯楽に徹したストーリー、そしてほのかに漂うアナーキーな空気……現在ではほぼ死に絶えてしまっている時代劇ではあるが、それらがTVの主流だったころ、作品には確かに力があったのだ。
さてこの本だが、そんな時代劇全盛期の作品から、突出することは出来なかったものの、きらりと光る魅力を持った隠れた傑作・佳作・怪作を一挙に紹介している。
たとえば……
明治初頭、「ミスターの旦那」を名乗る洋行帰りのサムライ(世界のミフネだ!)が、新政府の密偵である洒落者のガンマンと組んで横浜のワルを退治する『無法街の素浪人』。
太陽信仰の行者で巨大な旗竿を振り回す「先生」(演ずるは中村敦夫・現参議院議員!)、男に間違えられるほどの大女。仕掛の相手を怪力で殴り殺す「若」(演ずるは和田アキ子!)、そして記憶喪失の女殺し屋。殺す際に印象的過ぎるせりふを残す「おばさん」(演ずるは市原悦子!)、という異色過ぎるキャスティングが魅力の、必殺シリーズ一の怪作『翔べ! 必殺うらごろし』。
天知茂、若林豪、坂上二郎、藤村俊二の4人の同心が、十手を返上して悪に挑む、ダンディズムの教科書的アクション時代劇の傑作『江戸の牙』。
このような、傑作・怪作が一挙60本も紹介されている。
21世紀、日本人がもっとも見るべき娯楽作品……それは時代劇だ! と、筆者は敢えて宣言させてもらう。そのガイド役はこの一冊!
スペース・オペラの書き方 宇宙SF冒険大活劇への試み 新版
2001/02/26 22:42
宇宙大元帥が語る『スペオペ』への愛
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「無限に広がる大宇宙……」
21世紀が到来したというのに、何か物足りない……そう思う人は多いのではなかろうか?
それはきっと、いまだに「夢見ていた未来」が来ていないからだろう。銀色のぴったりした服を着て、チューブの中をエアカーが走り、そしてバカンスは月だったり火星だったりだ。それこそが「未来」だったはずだ。
しかし、そんな未来は来なかった。どうやら今世紀中には、気楽に宇宙へバカンスというわけには行かないらしい。わかってはいるものの、少し寂しい……。
そういうときに、スペースオペラを読むのもいい。が、「俺は宇宙に行きたい!」という気持ちがあふれ出てきたら、いっそのこと自分のスペースオペラを書いてみるのはどうだろう?
そういう人に、この本はお勧めだ。SFファンの間では知らぬものなしの「宇宙大元帥」、そして「ガチャピンの産みの親」である野田昌弘氏が、自身の体験と半生を織り込みながら、軽妙な語り口で「スペースオペラ」の書き方を教えてくれる。
個人的には、『スターウルフ3部作』をフローチャートにして、論理的にストーリーを『解体』するテクニックには、大いに学ぶべきところがあった。これはSF物だけに限らず、あらゆるストーリーテリング、さらにゲーム作成やシステムの構築への応用もできるではなかろうか? と感じた。
読んでいるうちに、自分でも小説を書きたくなる一冊。
唐沢なをきのうらごし劇場
2001/06/30 11:38
うらごしてもうらごしてもまだ濃ゆい
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濃い!
過去に発売された唐澤商会の「ガラダマ天国」のスタイルに近い本ではあるが、連載されていたのが、アニメ・特撮ファンの中でも特にマニアックな層が好んで読んだ「B−CLUB」だったこともあるのか、掘り下げ方がより深く、濃くなっている。「このくらいの基礎知識は常識でしょ?」という前提でかかれているコラムが多いのだ。
このうらごし劇場で描かれているネタは、「ヤマト」「必殺」「怪獣」「おもちゃ」「特撮」と多岐にわたっていて、一つ一つは10コマほどの漫画コラムなのに、異常といってもいい情報量が詰め込まれている。
とくに、氏が大ファンである「必殺シリーズ」に関しては、いままでの著作に無いほど紙幅が取られており、「特撮仕置人」「必殺の変な殺し技」「こんな劇場版が見たい!」などなど、必殺ファンなら、笑ってうなづける内容となっている。
野望の王国 Vol.1
2001/06/29 00:12
正気と狂気の狭間にある野望
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「ぼくたちが/法学部政治学科で/政治を学んだのは/人が人を支配する仕組み/権力をつかむための/方法を学ぶため/だったといって/いいでしょう!」
「社会の権力構造の/からくりを研究し尽くし/ぼくたちが新しい/自分たちの王国を/築くための準備を/進めてきたのだとも」
こんな度外れたことを言ってのける、スケールのでかい東大法学部の天才2人が、裏社会から日本を制覇していく野望の物語。
一種のピカレスクロマンといえる劇画だが、その描写の大仰さ、バイオレンス描写の鮮烈さ、人物描写の深さ、どれをとっても色あせることの無い、時代を超えた傑作!
主人公である橘と片岡は確かに極悪人だが、その野望のためにはどこまでも誠実だ。そんな彼らを尊敬してついて行くものもいれば、恐れを抱き排除しようとする勢力もある。
キャリア志向の東大生諸君、中途半端な悪党になって世間の笑いものになるくらいなら、この作品くらいのスケールをもって、いっそその手で日本を制圧したまえ! そのくらいの気概を背負わぬものに、日本の命運は任せられん!
大江戸ものしり図鑑 ひと目で八百八町の暮らしがわかる
2001/03/20 22:54
手軽に読める江戸時代のガイドブック
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筆者は、遅れてきた時代劇ファンである。『遅れてきた』というくらいなので、時代劇が好きになったのはつい最近。その上学生時代は歴史が苦手だったから、台詞で「ケンギョウ」だの「ゼゲン」だの言われてもぴんと来ないし、『同心』と『与力』の違いもよくわからなかったりして。このへんのことはよくわからなくても、確かに時代劇は楽しめるのだが…やっぱりすっきりしないものである。
そこでこの本の登場だ。江戸の四季から、司法、行政、流行、生活様式、そして性風俗にかんするさまざまな情報を、一項目2ページでまとめ上げている。図版も多く、説明も完結で丁寧。とりあえず、江戸時代に関する雑学であれば、この本一冊で十分まかなえそうだ。時代劇を見るうえで必要な知識は、これで身につく。
そういう意味では、この本は『江戸時代のガイドブック』として比較的手軽に読める。小学生から大人まで、江戸時代に思いをはせるきっかけには十分でしょう。
トーキョーN◎VA The Revolution
2001/03/19 01:08
新世代日本製TRPGのマイルストーン
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ひところ存在したTRPG(テーブルトーク・ロール・プレイング・ゲーム)ブームのころ、もっとも普及していたTRPGは『ソードワールドRPG』であった。しかし、ブームは去った。TRPGをいまだにプレイしているのは根強いファンだけ。ブーム期に発売されたルールブックの多くは消えていった…。
そんななか、ブーム後にも生き残った稀有なルールの一つが、このアーバンアクションRPG、トーキョーN◎VAだ。
地軸が転倒するという大天変地異<災厄(ハザード)>のあと、氷河期に突入した未来の地球。赤道直下に移動することで難を逃れた日本は、発電衛星、食料培養技術、そして強大化した軍事力をバックボーンに突如鎖国を宣言する。トーキョーN◎VAは、その鎖国日本の出島だ。
トーキョーN◎VAには何でもある。最新のファッション、エッジなサイバーウェア(肉体をサイボーグ化するパーツ)、クールなデバイス。ビッグなビジネスチャンスも、腕一本でなりあがってドリームも、そこいらに転がっている…もちろん、実力無きものはのたれ死ぬだけなのだが…。
このゲームのプレイヤーは、そんな危険な街トーキョーN◎VAで生きている「キャスト」を演じる。22枚のタロットとであらわされる『スタイル』を組み合わせ、シナリオの中で己が人生をクールに演出することが目的のゲームだ。それをサポートするルールも、すべて詰まっている。
かつてのトーキョーN◎VAは、少々TRPGの初心者にはとっつきにくいルールだったが、3rdエディションとなる本作品ではルールは整理され、理解しやすいものとなった。ただ、まだジャーゴンが多いために、世界観を理解するのには少々骨が折れるかもしれない。
このゲームのルールは、このゲームの後に発行されたTRPG軍に多大な影響を与えている。『ソードワールド以後』のTRPGのマイルストーンであるといってもいい作品だ。
必殺シリーズ完全殺し屋名鑑 月が笑ってらぁ編
2001/02/26 22:16
必殺円熟期の紳士録!
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『荒野の果てに』編の続刊に当たるこの本は、第十五弾『必殺仕事人』から第三十弾『必殺仕事人・激突!』までに登場した仕事師・殺し屋たちの紳士録である。
必殺シリーズは、70年代的な「反体制」「インモラル」な雰囲気を敢えて捨て、キャラクターの魅力を押し出し、華麗な殺し技で魅せるといった路線転換に成功し、すっかり『おなじみ時代劇』として定着していた。多くの人も『必殺』と聞くとこのころの作品を思い出すことだろう。
南町の昼行灯「中村主水」を始めとして、「錺り職の秀」「三味線屋勇次」「何んでも屋のお加代」「西順之助」「組紐屋の竜」「花屋(鍛冶屋)の政」といった人気者たちが一堂に介する!
当時ファンだった人から、必殺シリーズに興味があっても見る機会が無かった人まで広くお勧めできる。
必殺シリーズ完全殺し屋名鑑 荒野の果てに編
2001/02/26 22:04
必殺ファンなら必読!必殺ファンならずとも必読!
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斬新な殺しのテーマ、奇抜な殺し技、勧善懲悪に終わらないストーリー、そして魅力的な仕事師たち…。彼らが30年のときを超えて蘇る!
昨年の夏、突然テレビ東京系で始まったシリーズ第一弾『必殺仕掛人』の再放送で必殺シリーズに興味を持ったという必殺ビギナーから、『念仏の鉄』が人生の師というディープな必殺ファンまで、全方位でフォローする究極の必殺シリーズ殺し屋紳士録。
緒方拳演じる『藤枝梅安』や、藤田まこと演じる『中村主水』と言ったおなじみの顔はもちろん、仕掛人の業を背負った末に非業の死を遂げた伝説のサブキャラ『神谷兵十郎』(演ずるは田村高廣)、そして『闇の重六』『疾風の竜』といった一回コッキリの殺し屋たちまで完全網羅している。
この巻では、第一弾『必殺仕掛人』から第十四弾『翔べ!必殺うらごろし』と、劇場版『必殺!』をフォローしている。
謎とき日本近現代史
2001/06/14 00:39
近現代史の入り口に
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今何かと話題の教科書問題だが、そのなかでも特に焦点が当てられているのが日本の近現代史だ。自虐に陥らず、かといって独り善がりの自画自賛にも陥らずに日本の近現代を語り、未来に受け継いでいくには、やはり個々人が近現代史を学び、考え、語るべきなのではないか。そのための入り口となりそうな本が、この一冊だ。
著者は予備校で歴史を選考している先生だそうで、その本の語り口もやさしく授業を薦めていくようになっている。紙幅の問題もあるのか、あまり歴史の奥深くまでは立ち入ろうとはしない。が、『なぜ武士は自ら階級を捨てたのか』『なぜ戦前の内閣はあんなに短命なのか』『なぜ関東軍は暴走したのか』などについて簡単にだが興味深い内容で読ませる。
歴史に興味を持ち始めた人には強くお勧め。この本から、次の興味が持てる本へとステップアップするのがいいと思われる。
僕はアメリカに幻滅した 繁栄の陰でいま何が起こっているのか?
2001/02/09 23:00
アメリカは本当に好景気だったのか?
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この本を読んだ結論から言えば、景気がよかったのは金持ちだけだったということだ。日本は不景気だ不景気だといわれながらも、それでもまだ多くの国民は中流の位置におり、少々の倹約(それも無理のない程度)をすれば凌げる程度だ。
しかし、米国の中流層の賃金は年々下がってきているのだ。失業率の低さの実態も、ようはパート・タイマーまでも「就業者」とカウントしたがための数字のトリックである(実際の失業率は7〜8%程度になるらしい)。もし、現在のアメリカの繁栄に「胡散臭さ」を感じているのならば、この本を読めばよい。グローバリゼーションなどろくなものではないことがよくわかる。
東大卒の元プロ野球選手という変り種の経歴を持つ筆者だが、さすがにただ野球だけをやっていたわけではないようで、リストラの負け惜しみだけとは思えない説得力にあふれた内容で読ませてくれる。ただ、さすがに文章は書きなれていないらしく、少々文章が読みにくい。句読点が多すぎる。
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