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由良 博英さんのレビュー一覧

投稿者:由良 博英

177 件中 31 件~ 45 件を表示

紙の本日本歴史 復刻 上

2005/02/17 00:05

歴代の天皇の仁政を讃えるものに収まらず、その失政についても説かれている。

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昭和天皇が東宮時代に学んだ、帝王学の書「國史」の文庫版。大正の初期にその進講にあたっていた白鳥庫吉博士による著作である。皇室の系譜を辿りながら綴られた文語体は、頗る格調高い。歴代の天皇の仁政を讃えるものに収まらず、その失政についても説かれている。大東亜戦争時の狂信的な皇国史観を想わせる著ではない。たとえば、倭寇や秀吉の朝鮮出兵などにも、冷静で厳しい批判がなされている。広く読みつがれてよい本と思う。

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紙の本常用字解

2004/01/02 23:20

読むほどに漢字がますますおもしろくなる、知的な「トリビア」本!

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漢字研究の第一人者・白川静さんが、「字統」「字訓」「字通」の字書三部作の成果を基に、常用漢字1945文字に絞り、その成り立ちを、甲骨文字を辿り、あるいは会意を解析しながら、易しく説く。読むほどに「へぇ!」と驚かされるが、雑学ではない、奥深く知的な興奮が得られる。「字解」とあるけれども、辞書、字典というより、一般の読書に供されていい、愉しい内容だ。卒寿を越えてこうした力作をまとめる、著者の活力にも敬服。

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紙の本小説「聖書」 旧約篇上

2003/07/28 04:31

宗教社会学的基礎としても、聖書の概要はトレースしておきたい。

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ユダヤ教、キリスト教のエートス(行動様式)を学ぶべく手にとってみた「小説『聖書』」シリーズであったが、読み始めるとこれがエンターテイメントとしても滅法おもしろい。聖書の骨子を損なうことなく、飽かせず親しみやすいストーリを再構成している。旧約篇、新約篇、使徒行伝の3部作。昨今の不穏な世界情勢を解析する宗教社会学的基礎としても、聖書の概要はトレースしておきたいものだ。これはそのための格好の著である。

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近現代史上の人物の言動の意味を、時代の背景に照らし検証する。

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戦前の皇国史観から戦後の平和主義史観まで、様々な「偏向史観」に認められる、歴史を善悪で論じ裁く姿勢について、岡崎さんは牽制する。「人間と国家が必死になって生きて来た営みが積み重なった大きな流れ」である歴史の経緯に「善悪、是非など軽々に論じ得べくもない」という立場だ。近現代史上の人物の言動の意味を、時代の背景に照らし検証する作業は、アカデミックでありながらも、著者が先人に抱く畏敬の念をも感じさせた。

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紙の本論語に学ぶ

2003/05/03 04:05

逐条的な解説ではく、活学の書である。

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中国文革期の「批林批孔」運動(林彪・孔子批判)の煽りから、論語にみる儒教の徳目を侮っていた時代が、かつて日本にもあった。しかし本場の中国でさえ、後に、人心の荒ぶさまを危ぶみ、論語を復興させている。まさに、日本の現況にも求められるものであるが、悲しい哉、これを説ける人は既に稀少だ。安岡正篤師の謦咳に触れたかったものと、私は思う。これは論語の逐条的な解説ではく、活学の書である。「吾れ日に吾が身を三省す」。

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紙の本日本外交の情報戦略

2003/03/28 16:46

米国との同盟関係にかかる著者の提起について、多くの読者の熟考を得たい。

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百年河清を待たなければ、外交戦略の巧拙を評することはできないと言うひとは多い。しかし、いまを生きる我々には、いまの統治下において、国家間の駆引きとなる指針こそが強く求められる。海外の要人に知己の多い著者は、具体的な事実を踏まえ、情報戦略の意義を明細なロジックで展開し、今後の日本の採りうべき方向を解く。対イラク、対北朝鮮における米国との同盟関係にかかる提起についても、多くの読者の熟考を得たいところだ。

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紙の本王手

2003/03/09 00:12

升田名人の舌鋒は荒っぽいようであるが、その実、愛情に満ちている。

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原書は昭和45年刊行。先に文庫化された「勝負」が、自伝を中心において口述されたものに対し、本著では、さらに様々な著名人との、珍妙な交遊録が語られる。俎上にあがる人物も猛者揃い、自らも奇才ぶりを発揮する升田名人の舌鋒は荒っぽいようであるが、その実、愛情に満ちている。棋界の人物評も興味深く、例えば「運命の女神」人生論でも知られる、当時は若手の米長邦雄名人への一節など「名人まさに名人を知る」の趣があった。

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紙の本新編おらんだ正月

2003/02/21 05:08

アンチ岩波派も、読むべし!

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昭和13年初版発行。江戸時代の科学者、探検家、思想家など50余名の伝記を年少者向けに綴っている。各節、没年月で締めた読切り形式でありながらも、登場人物の連なる因縁が興味深い。結果、これ一冊全体として、江戸の文明史を概観する好読物ともなっているのだ。徳川の治世が、決して鎖国の閉塞した停滞の時代ではなかったこと、また、後に奇跡的な明治維新を成した日本人の気骨が、森銑三の温かみのある名文を通して伝わってくる。

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早速私も百円ショップで粘土を買ってきた。

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著者は京都の愛宕念仏寺の住職であり、現代の日本を代表する仏師である。大判の本に師の手になる愛らしい表情の仏のカラー写真を満載しており、これを眺めるだけでも楽しく心和む思いにみたされた。「材料となる土それ自体が『仏』なのですから私自身が造っても、造らなくてもその土は仏なのですから、上手・下手関係なくこれも土の仏になっているのです」と、公朝師は説く。早速私も百円ショップで粘土を買ってきた。造れるかな。

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因習や常識に侵され腐臭を放つ私のなかの「毒」を「爆発」させた。

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「人生は積み重ねだと誰でも思っているようだ。ぼくは逆に、積みへらすべきだと思う」という提言から始まり、次々に逆説的な「太郎節」が飛び出す。しかしそれはイロニカルな修辞ではなく、邪気なく直截に核心を突いてくる熱く激しいものだ。歌うようなリズムを持つ簡潔な文体にも惹きつけられる。「毒を持て」と書名にはあるが、むしろ因習や常識に侵され腐臭を放つ私のなかの「毒」を「爆発」させた。痛快至極、目の醒める名著。

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若い世代に、読みつがれるべき名著。

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大英帝国が七つの海を制し「日の沈まない国」と栄華を誇っていたころに著された、既に古典的な修養書。明治時代の日本でも「西国立志編」として訳され、ベストセラーになっている。現代のイギリスには、国際政治経済の場にあって昔日の威光は薄れたけれども、紳士たる矜持を失うことのないのは、この著に見る自助の精神が礎にあるからかもしれない。不況期の今日の日本で、士気を崩壊させている若い世代に、読みつがれるべき名著。

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個人的な体験を基に広く皆にも通じる「実学」を導いている。

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書名から、情報管理のノウハウ、あるいは道学めいた内容なのかと目次を見るに、ギター、瓶、ソーダサイフォンなど、著者の趣味の蘊蓄らしきものが雑然と並んでいる。「こんな話、興味を同じくしない者に何の役に立つのか?」と思ったが、読み始めるとイヤこれが滅法おもしろいのだ。遊び心を忘れず、かつ自助の精神をもって創意工夫を凝らす魚柄さんは、個人的な体験を基に広く皆にも通じる「実学」を導いている。元気の出る快著。

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史観にとらわれず、日本近代外交史を俯瞰する好著。

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同著者による傑作「外交官とその時代」シリーズ5巻本(PHP研究所)のダイジェストとなる1冊。若干扇情的であった「教科書が教えない」扶桑・産経の出版であることから抵抗を覚えるかたも多いと思うが、元外交官である岡崎さんの筆致は、学術的にも精細、かつ冷静であると思う。維新後の薩長史観、戦前の皇国史観、戦後の自虐史観といった、史観自体を相対化させる視点が鮮やかだ。「ですます」調の文体も、年少者にやさしい。

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反骨ながら真剣な人生を指南する書。

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沢木興道老師(1880−1965)の語りを、その弟子酒井氏が聞き書きした半自伝にして、反骨ながら真剣な人生を読者に指南する書でもある。日露戦争で徴兵された折りには、塹壕で震える上官を殴り飛ばす。あるいは空漠な理屈に耽る僧たちの厳めしい顔に、放屁ひとつで批評する。こんな坊主は今日いまい。老師は生涯、妻も寺も持たず、ただ坐禅をつづけた。卑俗な常識の世界を超えた逸話に驚かされ、愉快に心の浄化される妙味溢れる一冊。

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紙の本吉村昭の平家物語

2004/10/28 14:01

平家の興亡には美学が感じられる。

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刈り込まれた叙事的な文章で知られる作家、吉村昭さんが「平家物語」を抄訳、著したもの。「驕る平家は久しからず」という言葉があるが、猜疑心に駆られて身内を殺し自滅していった頼朝以下の源氏に比べれば、血族が一体となった平家の興亡には美学が感じられる。原著自体に一定政治色がうかがえるので、時代を深く考察するためには、さらに読み手の研究姿勢が求められようが、まずは歴史小説として親しまれていい文学作品と思う。

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