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まーしゃ@B◎◎KRACKさんのレビュー一覧

投稿者:まーしゃ@B◎◎KRACK

255 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

ほんとに、わたしのせいじゃない?

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 この本はスウェーデンで生まれたシリーズの1冊です。前半は、男の子がひとり泣いていて、その子のクラスメイトたちが、ひとりひとりが前にでてきて、それぞれの言い分を語ります。

 いじめられていたらしい男の子に対して、クラスのみんなの「みてないから、ぼくは知らない」とか「おおぜいでやっていたから、ひとりじゃとめられなかった」という言い訳、責任のなすりあいが続きます。みんながいいたいのは、「しらない」「わたしのせいじゃない」ということだけ。

 後半は、大きな文字で「わたしのせいじゃない?」と書かれたページの後から、戦争や、原水爆実験、餓えた子どもが泣いている写真が続きます。文章は、ありません。

 この手の本にありがちな説教くささはありません。子どもだけでなく、大人にとっても、深く考えさせられる本です。

B◎◎KRACK No.18 2000/01/19発行

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紙の本

紙の本ふたりはともだち

2001/06/22 15:39

がまくんとかえるくん、ふしぎな関係。

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 がまくんとかえるくんの、なかよし? 物語です。

 短いおはなしが4つ入った本です。字が読めるようになった子なら、自分で読むのも楽しいと思うし、兄弟やおかあさんおとうさんに読んであげても、喜んでもらえるかもしれません。字がまだ読めない子には、どうぞ読んであげてください。

 親友どうしのがまくんとかえるくんの、やさしいんだかいじわるなんだかわからない関係が、味わい深いお話だと思います。

 たとえば、「はるがきた」というお話。
 かえるくんは「はるがきたよー」とがまくんのおうちへ行くのですが、がまくんは「5月のなかばごろになったらもう1回おこしてくれたまえ」なんていって寝てます。それでもかえるくんは「それまで、ぼくさみしいよ」なんていって、カレンダーを5月にかえてがまくんをだまして、むりやり起こしちゃう。これって、友情なの(笑)?

 「すいえい」や「おてがみ」も、ちょっといじわるなかんじが、たまらない魅力。手紙をほしがっているともだちに手紙を書いてあげるのはわかるけど、わざわざかたつむりに郵便を頼まなくたって…(笑)。

 教科書的に「おともだちっていいよね」とひとくくりにできないところが、この本の上等さではないかなぁと思います。

 セピア調の絵とざらっとした紙のかんじもあわせて、お楽しみください。

【B◎◎KRACK】 No.88 2001/06/20発行

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紙の本

紙の本おふろだいすき

2002/06/05 15:00

せまいお風呂がおふろが広くなる、広くなる…。

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

狭いおふろでも広く感じることができる、おふろが楽しくなる絵本です。

「ぼく」が、いつものようにあひるの「プッカ」をつれておふろに入っ
ていると、おふろの底からかめが、ふたごのペンギンが、オットセイ
が、さらにはかばもくじらもでてくる絵本です。

はだかんぼのぼくは、びっくりしつつも、自分のからだをちゃんと洗い、
大きなかばのからだも洗ってあげます。くじらのシャワーで泡を流し、
みんなそろって肩までお湯につかり、数を数えていると、おかあさんの
呼ぶ声…。

ぼくとプッカでいっぱいの狭いおふろが、いつのまにかひろーく広がる
ようすが楽しい絵本。ただの空想物語に終わらないのは、松岡さんの話
の展開のうまさもさることながら、かばのからだを洗うシーンのリアル
さあってのことではないでしょうか。ぼくがつま先立ちしながら、一生
懸命ゴシゴシゴシゴシ洗っているシーンです。

「子どもの一生懸命さを描かせたら、世界一」(うなずいてくれますよ
ね?)の林明子さんが絵を描いているのですから、そのシーンの迫力も
おわかりいただけることでしょう。

表紙の、ぼくがちょっとこわごわとかばの首(?)を洗っているシーン
はぜひ表紙を開いて、裏表紙と一続きでご覧くださいね。

ほかほかにあたたまって、ぴかぴかになったぼくをみたら、読んでいる
ほうの気持ちもほかほかぴかぴかになりそうです。

【B◎◎KRACK】No.111 2001/12/05発行

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紙の本

ただの料理本ではありません。育児本としても読めます。

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

とりたてて料理するのが好きなわけではないですけれど、どうせ毎日作
るのならおいしいものをつくりたい!

というわけで、カツ代本です。家庭料理といったら、カツ代さんでしょ
う。いろいろ試してみましたが、肉じゃがとから揚げは、この人に勝る
レシピはないです(きっぱり!)。この本を買ってからは、ここをネタ
にごはんをつくっているまーしゃです。

この本では、カツ代さんとケンタロウさんが、定番料理対決や食材対決
をしています。カツ代さんがおふくろの味系のお料理だとすると、ケン
タロウさんはこってり味系かな。どちらも家庭でふつうにつくれるお料
理ばかりです。

お二人のレシピを同時に味わえるのはもちろんありがたいのですけれ
ど、この本の楽しさはこの親子や小林家を垣間見ることができること。
すでに料理研究家として大忙しだったカツ代さんが、年子(!)の二人
の育児を同時にこなし、さらには、娘ではなく息子のケンタロウさんが
同じ料理研究家になっているということに、以前から興味をもっていた
ので、ふたりのやりとりやインタビューを楽しく読みました。

そういう意味で、育児本だったりもします。食べることって、大事だ
なぁ。

ちなみに本文中のイラストはケンタロウさん、スタイリングは板井典夫
さんが担当しています。おいしそうな写真がたくさんあります〜。実際
おいしいんですけど、これまで作った中で家族にも好評だったのは、
「ささみの香草揚げ」と「キャベツと明太子の焼きうどん」かな。毎日
今日はどれにしよう?と悩むのも楽しい〜。

おふたりのしあわせそうな笑顔にもそそられる1冊です。おいしいごは
んが食べられるって、しあわせだわ。

【B◎◎KRACK】 No.133 2002/05/22発行●ちょっと大きい本棚



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紙の本

紙の本ぐりとぐらのあいうえお

2002/03/08 07:03

なかがわ節炸裂のあいうえお絵本

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 手のひらサイズの、ぐりとぐらのあいうえお絵本です。このサイズからしてかわいらしいのですが、読んでみると、なかがわ節炸裂のすごいなーという絵本です。

 たとえば…さ行。
「さくらの
 したで
 すまして
 せのび
 そっくりかえる」

で、満開の桜の下で、つーんとすましているぐりとぐらが描かれているのですね。「そ」で「そっくりかえる」、なんて思いつきますか?

 な行もすごい。
「なんとまあ
 にんじん
 ぬいたら
 ねっこのひげが
 のびほうだい」

ぐりが「ねっこのひげがのびほうだい」のにんじんをかかえている絵です。まーしゃ的には、爆笑。
 添えられたやまわきさんの絵のかわいらしさはもちろんですが、なかがわさんオリジナルのなんともいえないことば遊びをお楽しみください。ぜひ声にだしてお楽しみくださいませね。

【B◎◎KRACK】 No.121 2002/02/20発行

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紙の本

紙の本太陽をかこう

2001/08/08 12:46

じょうずに描くには、よく見ることが大切。

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 タイトルどおり「太陽をかこう」というお話です。

 絵を描くには、対象をよく見ること、知ることが大切。たとえば、とうもろこし。あの「ひげ」が、ひとつひとつの実から伸びていることをご存じですか? 知っていれば、ひげの描き方もおのずと変わってきます。

 そんなわけで「太陽」。ムナーリさんは、太陽の大きさや黒点のこと、自転公転、地球からの太陽の見え方などなどを説明した上で(もちろんわかりやすい!)、古今東西の人々の描いた太陽を例にあげています。赤い丸の太陽もあるよ。黒く描かれた太陽もあるよ。顔がかかれているのもあるよ〜。という具合。

 太陽が沈むところもよく描かれるシーンですが、沈む場所は山や海だけじゃない。ビルの間にも、木のむこうにも、銅像のむこうにも沈む。ネコの背中(!)にも沈むのです。

 じゃ、君ならどう描く? とくるわけですが、油彩あり、パステルあり、つぶつぶあり。けっきょく「きみのすきなようにするのがいい」のです。

 いろいろな太陽があるもんだなぁと思います。アタマをやわらかくして、自分だけの太陽を描いてみませんか?

【B◎◎KRACK】 No.94 2001/08/01発行

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紙の本

カッコいいせりふとフンイキのある絵。

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 アーディゾーニ生誕百年を記念して生まれた新版のチム・シリーズです。エドワード・アーディゾーニは、イギリスの国民的イラストレーターで、2000年が生誕百年にあたりました。それを記念して生まれたのが、このシリーズ。全11巻です。
 アーディゾーニは絵本のほかに挿し絵の仕事も数多くしていますので、イギリスの子どもの本を読んだ方はけっこう目にされているのではないかと思います。子どものころ「この絵、好きだなぁ」と思っていた挿し絵画家の名を、おとなになってアーディゾーニだとを知って、ああやっぱり…とひとり納得したのを覚えています。繊細なン画で、フンイキがあって、ステキなんだよね。
 さて。お話は、海岸近くに住む船乗りになりたくてしかたがない男の子チムが船にもぐりこんで、りっぱに働くお話です。ただのりしているところをみつかったとき、船長さんに「おまえは、ただのりだから、そのぶんだけはたらかなければいかん。」と言われて仕事をするようになるのですが、船の仕事はとってもたいへん。後悔して泣きながら仕事をしていたチムですが、その仕事ぶりを認められ、船員たちはもちろん、船長にもかわいがられます。
 そんなある日、すごい嵐がやってきて船が座礁し、沈没しかかります。船員たちはみんなボートで逃げましたが、逃げ遅れたチムは船長さんが自分の船を捨てずにがんばっている姿をみつけるのです。「やあ、ぼうず、こっちへこい。なくんじゃない。いさましくしろよ。わしたちは、うみのもくずときえるんじゃ。なみだなんかはやくにたたんぞ。」…
 アーディゾーニの絵とお話がすてきなのはいうまでもないのですが、このあたりのセリフはほんとにカッコいい。我が家の長男(4歳)でも、このカッコよさがわかるのか、覚えて口ずさんでいます。「うみのもくずときえるんじゃ」なんてね(笑)。さすが瀬田さんですねえ。
 絵本としては少し長めのお話ですが、この船での冒険物語はチムと船長さんの船を愛する気持ちにひきつけられます。じっと聞き入ってくれると思います。紙の質も上質で、ページをめくるとき、指に気持ちいいです。この巻以外は、なかがわちひろさんが訳しています。
 新版発行されたこの機会に、初めてのかたもそうでないかたも、一度手にとってみてくださいね。付録の「チム通信<海の風>」も魅力のひとつですよ。

【B◎◎KRACK】 No.97 2001/08/29発行

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紙の本

生活の中心としての家の魅力。

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 世界は広いなぁと、つくづく感じる1冊です。

 世界中のふつうに暮らす人々の写真を撮って30年という著者の写真集です。生活の中心としての「家」がたくさん集まっているのですが、その多様さに驚かされます。迫力満点です。

 土でできた家。藁葺き屋根の家。山の上の家。木の枝と草でできた家。石を積み上げてでできた家。まっ白な家。おとぎ話にでてきそうな家。天井に穴をあけた家。地下の家。超高層アパートの家。川にうかぶ家。

 そこで人々は生活しています。どこに住んでいても、みんなたくましく生きています。生きるってすごいなぁと思います。

 明日もがんばろう!と、思わせてくれる本です。そういう意味で、子どもより、おとな向きかもしれません(笑)。

【B◎◎KRACK】 No.52 2000/09/20発行

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紙の本

紙の本文庫手帳 2001

2001/02/21 16:44

手帳はこれと、決めてます。

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 安野光雅さんの表紙の、ごくごくシンプルな手帳です。何がいいって、このサイズです! その名のとおり文庫サイズなのです。ですから、小さなバックにいれてもちっともかさばらないですし、安野さんのシックなイラストになごめます。10年分ずらっと並んでも、「全集っぽくてカッコイイ!」とひとり悦に入ってます(笑)。

 安野さんの表紙を見ていただきたいのですが、筑摩のホームページはもちろん、オンライン書店を数件みたのですが、画像を見つけることはできませんでした。残念…。…と、メルマガでは紹介したのですが、ああっ!いつのまにか、画像もあるじゃーん。これです、これ。ね、いいでしょ?

 これを使っていて困ること。仕事中に手帳を開いていると「本なんか読んで!」と勘違いされること、です。ちがうんだよ〜。

【B◎◎KRACK】No.62 2000/11/29発行

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紙の本

紙の本3びきのくま

2001/02/19 16:02

「実はいる・岩のびっち」と「なすターシャ・ぺとローブナ」と「未シュートか」。

3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 表紙のまぶしいみどりの色と重厚な絵のコントラストが印象的な絵本です。

 「ひとりのおんなのこが、もりへあそびにいきました。」道に迷ったおんなのこがみつけたのは、3びきのくまの家でした…。

 いろいろな人の絵で絵本化されている「3びきのくま」のお話です。バスネツォフの重厚な絵とお話のユカイ度が対象的で、ラストのくまの家から女の子が逃げ出すシーンは、思わず笑ってしまいます。女の子の走りっぷりも見事!

 このお話の魅力はなんといっても、くまのロシア的な名前の繰り返しにあるのではないでしょうか。おとうさんぐまのミハイル・イワノビッチ。おかあさんぐまのナスターシャ・ペトローブナ。こぐまのミシュートカ。この名前が、繰り返し繰り返しでてくるのです。子どもって、こういうのスキだから、すぐ覚えちゃいますよ。

 3のくりかえし、大中小のくりかえし、どれも昔話の基本です。この魅力にハマらない子どもはいないと思います。

【B◎◎KRACK】No.68 2001/01/24発行

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紙の本

紙の本はるにれ

2001/02/19 15:49

はるにれの存在感に勝つものって?

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 ほんとうに見事な写真の絵本です。

 文章はまったくありません。このくらい被写体に存在感があると、ことばなんていらない。地平線がみえる広い草原に、すっくと立つ1本のはるにれの木。その四季のすがたがおさめられた写真絵本です。

 秋の夕暮れ。冬の早朝。「しばれ」と呼ばれる寒さの中に立つはるにれ。そうした冬を越えて、春の靄、そして緑萌ゆる夏のはるにれ。それぞれの四季の中に立つはるにれの想いが伝わってきます。

 本を開く前と後で、自分の気持ちが変わることを実感できると思います。少なくとも「とりあえず明日もがんばろう!」とは思えます。滋養強壮にこの1冊(笑)。

 このはるにれの木、実物を目にしたことがありますが、やっぱりすごい。その存在感に圧倒されます。ご覧になりたいかたは、ぜひ北海道・十勝にいらしてください。

【B◎◎KRACK】No.71 2001/02/14発行

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紙の本

紙の本木はいいなあ

2001/02/19 15:45

やっぱり、木はいいなぁ。

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 「木はいいなぁ」としみじみ思える絵本です。

 空を隠すようにたくさんはえている木。川べりにはえる木。谷底に、丘の上にはえる木。夏には木陰の下でお昼寝。秋になれば落ち葉たき。家そばに大きな木があれば、嵐がきても守ってくれる。

 木に登って遠くをながめたり、考えごとをしたり、ぶらんこをつけて遊んだり、海賊ごっこをしたりもできる。…

 木があるとこんなにすてきなんだよって、たくさん教えてくれます。環境にいいとか、緑に癒されるとか、そんなうわっつらのことではなくて実際に木に触れてみればわかる「すてきさ」が満載です。

 絵は青々とした緑がさわやかな水彩画。ただ、カラーの見開きのあとは、モノクロの見開き、という具合で、オールカラーではありません。でもそれだけに緑が映えます。

 やっぱり、さわってみなくちゃわからないことって、たくさんあるよね。

【B◎◎KRACK】No.71 2001/02/14発行

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紙の本

紙の本かいじゅうたちのいるところ

2000/10/13 06:52

絵本なんて子どものもの…と思っているおとなに。

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 ある晩、マックスはおおかみのぬいぐるみをきて、いたずらしておおあばれ。とうとうおかあさんに夕ごはん抜きで、寝室に放り込まれてしまいます。すると、寝室は森にかわり、波が打ち寄せてきて、マックスの船を運んできました。その船に乗って、「1ねんと1にちこうかいすると、かいじゅうたちのいるところ」に着きました。

 怪獣の王様になって、またまたおおあばれするマックスですが、やがて「やさしいだれかさんのところ」へ帰りたくなります…。

 アメリカの代表的な絵本作家、センダックの作品です。「かいじゅう」の絵が「グロテスクなかんじがしてだめ」というかたもいらっしゃるかもしれませんが、子どもはけっこう楽しんでいるみたい。

 マックスが空想の世界に入っていくようすが、ページの余白がなくなっていくカタチで表現されていたり、自分とおなじように夕ごはん抜きで怪獣をを眠らせたあとにさみしくなったり、と読み込んでいくといろいろなことが隠されているかんじで、大人にとっては一種謎解きのようでおもしろいです。

 絵本なんて子どものもんだよなあ…と思っているかた、この本で奧の深ーい世界を体験してみてくだされ。

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紙の本

お茶のマナーを学ぶ。

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 明るい色彩の絵と太っ腹な親子が楽しい1冊です。

 ソフィーとおかあさんがお茶の時間にしようとしていると、玄関のベルがなりました。ドアをあけると、そこには大きなトラ! お茶によばれにきたのです。ソフィーもおかあさんも大歓迎です。

 テーブルにつくと、おかあさんはサンドイッチをすすめました。とらはひとくちでサンドイッチを全部のみこんでしまいました。でも、まだおなかがすいているみたい。ソフィーはパンをすすめました。そのパンもとらはぺろっと食べてしまいました。

 とらは、テーブルの上にあるビスケットやケーキを食べ、お茶も飲みほしてしまっても、まだ食べ物はないかなと台所をみまわすとら。ソフィーは、そんなとらをうっとりとながめたり、なでたりしています。

 結局、とらはおうちの食べ物という食べ物、全部をたいらげて、「すてきなおちゃのじかんをありがとう」と帰っていきました。おとうさんが帰ってきても食べるものがありません。どうしましょう?

 けっこうスゴイ事態になっているのに、ソフィーもおかあさんも動じず、とらが食べまくるようすを笑顔で見守っているという、不思議なおはなしです。とらもにやーと笑いながら(?)食べまくります。

 ソフィーやおかあさんの洋服がおしゃれで、とらの色も明るい黄色。全体にとても明るい色彩の絵本です。

 「お茶の時間は楽しくすごすものよ」ということなのでしょうか? でてくる人(&とら)が、愛嬌たっぷり&礼儀正しい絵本です。

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紙の本

何歳でも、どういった楽しみ方でも、できる。上等の絵本って、こういう絵本のことをいいます。

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

人生ってこういうものかも、とおとなはしみじみできる1冊です。

「ぼく」のところに、おばあちゃんから電話がかかってきました。どう
やら「ひとりで遊びにおいで」と言われているようです。「おうちのま
えのみちをまっすぐ」くるように言われています。とにかく、まっすぐ
まっすぐ。

町の中の道をまっすぐいくと、田舎道。あれ? 「ぼく」は道を外れて
歩いていきます。「ぼく」にとっての「まっすぐ」は、道なりに行くこ
とではなくて、そのまま「まっすぐ」行くことのよう。とにかくまっす
ぐ進みます。…

おとなから見ると、道を外れてもまっすぐまっすぐ進む男の子に、何か
教えられるような1冊です。子どもは子どもで、ちょっとした冒険心を
満たされるように楽しんでくれます。

道を外れてまっすぐ行く男の子を待ち受けているのは、野いちごだった
り、小川だったり、ちょっとした山だったり、馬小屋だったりします。
自分なりに考えて工夫したり、自分で自分を励ましたり。おとなの目か
ら見ればいじらしいくらいがんばる男の子が、林明子さんの手で描かれ
ています。

けして高いところから子どもを見るのではなく、子どもの目線にそって
あたたかい目で描かれています。林さんの絵本を見ていつも思うのです
が、そこに確かに呼吸する子どもがいるんですよね。空気がある。だか
ら、ほんのちょっとした冒険でも、こちらは主人公の気持ちになっては
らはらしたり、がんばったりできる。

はらはらした後は、ちゃあんと受けとめてくれる人が待っています。お
いしいごちそうといっしょにね。

絵と文が分かちがたくいっしょになっている、ほんとうの意味での絵本
です。絵本というメディアを十二分に味わってください。

【B◎◎KRACK】 No.133 2002/05/22発行

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