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katoktさんのレビュー一覧

投稿者:katokt

174 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

紙の本チャイナ・インパクト

2002/08/02 05:11

費用の比較だけやればいいなんてお気楽なもんだ

2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

いや、わけのわかんないオヤジと話をあわせるために読まなきゃいけない本ってのが世間にはあるらしくて。まあでもなんにも知らない人が表面だけをざっと触れるだけで、ヒマなら(かなりね)読んでみてもいいかもしれない。

とにかく底が浅い。いくつか実例を挙げましょう。

引用)アメリカは、ことあるごとに中国に対して民主主義の不備や人権意識の不十分さをあげつらっている。しかしこれらはいずれも富を配分する際の論理だ。私にいわせれば、中国はまだそうしたことを論じる段階には至ってない。

さすが経済人。人権問題と経済問題の見事な一体化ぶり。貧乏人には人権はないといわんばかりの論旨はすがすがしすぎる。

引用)こういう具合に、書類上の輸出入をものすごい勢いで繰り返しているため、貿易統計の数字を見ただけではその実体はよくわからないのだ。

香港との貿易の話だが、なんでここからほんの少し健全な批判精神を発揮して、中国全体の貿易統計やひいては経済統計の話へ結びついていかないんでしょう? それらの数字をたっぷり引用した最後にこの話をつけ加える確信犯ぶりも笑える。

最後には昨今話題の中国野菜について。一ヘクタールのねぎの値段は、中国は日本の17%なんだって。書いてあるのは正真正銘これだけ。費用の比較だけならコンサルなんていらないって。生産や輸送プロセス(それにかかわる安全性)なんかの話はいっさいなし。

こんなところで題名をだすのもはばかられるけど『世界の工場/中国華南と日本企業』関満博をお奨めする。比較するとくだらないものってよくわかるんだ。

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紙の本

視野の狭さ

3人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

オウムの宗教団体としてのキラーコンテンツに関する分析はなるほどと思う。たしかに社会と馴れ合って幼稚園経営にいそしむベンツにのってる宗教法人のお寺の住職と比べると、中沢新一の「虹の階梯」からのチベット密教の流れをくむオウムの仏教としての純粋性はいよいよ際立つ。

ただ、この作者の根本的な弱さは視野の狭さにあるんだよなぁ

引用)オウムの経済的な優位性を低下させるためには、社会の側がそのための努力をしていく必要があろう。経済的な優位性をもたせないために、パソコン、プログラム関連の分野における省力化、機能の高度化などを進め、オウムが必ずしも経済的に優位ではない状況を作り上げていく必要がある。

中沢とは違って宗教にまい進するのではなく、作者は最後に「私たちは孤独に耐え、その孤独を楽しみながら、自分の頭を使って、これからを考えていかなければならない」なんて書いてるんだから、オウムの経済的な側面に着目したのはいいチャンスで、その記述がいかに「ばかげているか」よく考えた方がいいと思う。

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紙の本

暗号における人と政治

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

純粋に暗号について知りたいなら『暗号解読』だろうが、暗号にかかわる人について知りたければ、それから人が集まるところに必ずついてくる政治(ここではアメリカの政治)について知りたければこの本。ディフィー・ヘルマンのディフィー、PGPのジマーマンなど暗号における現代の主要な人物は一通り網羅されている。

それにしても同じ暗号っていう題材を扱っても、『暗号解読』と『暗号化』の2冊の違いはなかなか面白いものがある。暗号解読が暗号化の機械のエニグマの詳しい仕組みを説明する一方で、暗号化ではディフィーの恋愛が取り扱われる。この書き方が暗号化にとって不適切なら、暗号化ではどのようにその進歩がなされたかよりも、どうしてその進歩に結びついたかにより筆を割いているといってもいい。

人の観点から暗号を書き出した名著。

初出

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紙の本

紙の本金融法廷

2002/02/17 21:41

金融機関と規制当局の関係の明確な説明

2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 日本の金融機関と規制当局がどういうものだったか(あるいは今もどういうものか)を分かりやすく描きだしている。

 どうしていつまでたっても「天下り」ってなくならないのかな。官僚と金融機関の間違った行動のインセンティブの大部分がこの仕組みに支えられていると思う。過渡期の問題はあるけど、変革は必須でしょう。その代わりに必要な仕事をする官僚には、いいじゃない、それ相応の給料を払えば。それも退職金ではなく、ちゃんと賃金で払おうよ。責任と賃金が比例するのは当然じゃない。低い賃金で重い責任を負わせるから余計なインセンティブが働きやすくなるんじゃないの?

 それからこういうときにマクロの問題とミクロの問題を混ぜちゃいけないとかなんとかいって、具体的な部分での責任追及を曖昧にする風潮があるけど、マクロの問題はそれとしても、ミクロな部分の明確な責任もきちんと追求する必要があるのはいうまでもない。もっと日銀・官僚には金融のあるべき姿(金融政策)を追求してほしいし、金融機関にも守られた規制の中でモラルハザードに陥るような悪循環から抜け出してほしい。

 それにしても読み進めるにつれ暗澹たる気持ちにさせる本。

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紙の本

紙の本サイバースペースの決闘

2002/02/04 00:04

ハッカーのなかのハッカー

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 1989年に全てがはじまり1994年に全てが終わるまで、ハッカーのみにターゲットを絞り、サイバースペースでの出来事を描いた本。より多方面からの歴史をふまえた同時期の話を読みたい場合は、「ハッカーを追え」をどうぞ。

 この本ではMODvsLODのハッカーのグループ対決をふくめてすべてが劇画調なので、それを割り引くことも忘れちゃいけない。まぁ、EFFのバーロウと主人公ファイバー・オプティックの対決なんかには、手に汗握るものがあるんだけど。

 全体的に、捜査資料をふくめて、ただいたずらにハッカーたちのプライバシーを侵しているだけのような気持ちにさせる。それぞれのハッカーにはそれぞれのバックグラウンドと考え方があるのは確かなんだけど、ここまで詳細に個人が特定できるまで書く必要があったのか。今このときでも10代の少年が、世界のどこかで同じようなことをやっているだろうが、良かれ悪しかれ彼らだけがある種のハッカーの代名詞でありつづけることは間違いない。

 あとはEFFのハッカー擁護と政策推進のあいで揺れ動く対応も、最近のDVD関係の対応と比べると興味深い。

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紙の本

紙の本指輪物語 カラー新版 3巻セット

2002/02/03 23:49

ルーツ

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 ばくぜんと僕らがもっているファンタジーのイメージが集約されているのは、おもしろい。むかしガントレットなんてゲームがあって、みんなでよく遊んだけど、まさにそれぞれの登場人物がそのイメージにぴったりだ。

 ストーリーとしても、普通のサーチものとは少し異なった筋立てで、興味をいだかせる。普通だと王国の危機かなんかで指輪を探す物語だなんて思うでしょう? 違うんだなぁ(笑)。興味深いところを引用。秘密の扉をあけるところで、

 「やはりわしはまちがっておった」と、ガンダルフがいいました。「それは、ギムリも同じじゃ。みんなの中でメリーだけが正しい手がかりをつかんだな。扉を開ける合言葉は常住アーチの上に記されてあったのじゃ! その訳はこうでなければならなかった。『唱えよ、友と。そしてはいれ』。わしは『友』とただエルフ語でいいさえすればよかった。それで扉が開いた。なんの造作もない。この疑い深い時代に生きる博学なる伝承の大家には簡単すぎたのじゃ。昔は、はるかによき時代じゃったよ。さあ、はいろうではないか!」

 一巻だけでもかなり厚いんだけど、こういう物語はほんとうにエンドレスに続いてほしいって気にさせるんだよなぁ。そういう意味で、どれくらいの長さかわからないように電子ブックもいいかもしれない。ただ、小さい子がこの厚い本を抱えて読んでたら、それはそれで微笑ましいって気もするけど…

 初出

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紙の本

数学ではなにもかもが美しい

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 数学者列伝とでもいおうか、数学者がどういう傾向をもった人たちで、何をどんなふうになしとげてきたか、それが一つの定理に集約して姿はストーリー建てとあいまって、それだけでかなり「美しい」。それにしても、自然科学で「美しい」という言葉が違和感なく聞けるのも数学者ならではだ。

 有名なエピソードといえば、この問題をといて自殺を思いとどまり、その定理へ懸賞金をかけたヴォルフスケールの話あたりでしょうか。

 たしかにアンドリュー・ワイルズの小さいときの疑問をそのまま抱きつづけて、いったんは解決したように思われながら再び未解決の闇に陥りそうになったところに一条の光がさして解決にむかうところも感動なんだろうけど、そのあたりは結局やり遂げた本人にしかわからないだろうなって気にさせるだけかな。いや文章ではなく、数式のなかにこそその感動はあるのかもしれないな。

 あとは、オープンな数学の世界で、例外的にクローズな方法で問題を解くことを選んだ真の動機は依然としてよくわからなかったなぁ。たとえ一人でも才能のある人が一つの問題を集中して長期間考える力は、ある種の問題には、大勢の奮闘よりはるかに有効なのは当たり前なんだけどね。

 初出

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紙の本

紙の本スティーヴン・キング小説作法

2002/02/03 23:31

人に教え始めると…

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 小説が売れるまでの苦労話や交通事故で九死に一生を得る話もふくめて読ませるんだけど、再度読みたいかっていわれると本人の小説と同じで二度とは手にとらないかな。小説作法としても英語、日本語の違いはあるけど基本的なことはなかなか網羅されている。でも健康維持、家庭円満、本をよく読みよく書く、気が散らないようにする、からはじまるあたりも微笑ましい。そういうことが自分で思い当たらないような人は本を書かないほうがいいと思うけど。で、少し引用も、

 思うに消極的な愛人が受け身の態度を好むのと同様、臆病な作家が受け身に逃げる。受け身は安全なのである。進んで厄介な行動に出ることはない。主語は目をつぶってイギリスを思い、ヴィクトリア情報がどう言い換えるかをかんがえていればいい。

 だいたい人に教え始めると作家や芸術家としても終わりかなって気もするけど、どうなんでしょう?

 初出

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紙の本

暗号入門としてなかなかよい!

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 あんまり期待せずに手にとったんだけど、なかなかの収穫。現代の暗号の数学的な基礎を、素数から公開鍵まで簡単に知りたいなら、特にお奨め。クイズをはじめとして気軽に取り組めるけど、そのうち手を動かさないといつのまにか置いていかれちゃう。

 いかんせん、ふつうの人に読ませる本として暗号の「この先」というところは省かれているが、それはここをよめばいい。

 After math aftermath の章もなかなか現代を反映していて楽しめる。よせられる手紙や資本家の申し出も「有名」になることはどういうことかをよく物語っているし。それにしても16歳でも分かる当たり前の判断ができてない大人が多すぎない? (まぁ邦訳の表題への皮肉もこめて、こういう表現で)

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紙の本

スポーツ、マンガの基本

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 野球読み物の基本はマンガで、しかもこのキャプテン・プレーボールシリーズは欠かせない。ある意味、漫画の王道でしょう。
 それぞれのキャプテンがリーダー像の典型で、そういう観点でもなかなかいい読み物だ。ここには監督(マネジャー)が存在しなくて、プレーヤーが全てなんだよな。プレイングマネジャーは負担が大きいけど、それでこそキャプテンじゃない。リーダーシップについても基本的な気持ちを思い起こさせる。
 今からみれば、練習や怪我に対する考え方に無茶なものがあるように思われるかもしれないけど、こういうのが好きな風土って意外と色濃くのこってるんじゃないのかな。
初出

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紙の本

紙の本コンセント

2001/11/11 23:55

お金払ってまでねぇ

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 コラムは事実誤認、または事実をまったく記述しない。推論の過程は思いつき、親父ギャグもまっさおなただの駄洒落の連想、そこに他人の悪口と自分の全肯定、誤字、脱字をばらまいて、最後をオカルト、トンデモで締める人って評価。

 でもまあ小説だし、せっかく貸してくれる人もいるから読むことにしよう。小説のなかはその作家の世界だから、事実が間違ってても、推論の過程がめちゃくちゃでも、結論がオカルトでも問題はまったくない。その作家の世界がきちんと作られてて、ふっと人生を切り取って垣間見せてくれるようなものでさえありさえすれば。

 で、小説も読む価値なし、ひどいよ。構成のかけらもない。描写もせりふも陳腐だし、伏線もばかばかしすぎるし、コンセントの概念の使い方も自ら混乱の極み、「ひきこもり」の問題提起からしていいかげんだし、真剣に考えてないなぁ。こんな本に金だしちゃいけない。

初出

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紙の本

紙の本カポーティとの対話

2001/10/29 20:33

明日死んだとしたら

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 会話がうまい人って後から考えると大したことをいってない場合が多い。会話で重要なのは、その場で何が言えたかであり、そこに必要なのはちょっと特殊な、その場をさっと切り取る力といったようなものである。会話がうまくて、かつ小説も、という作家はカポーティ、サガンあたりが思い浮かぶが、このインタービュー集は、とくに会話の妙を楽しませてくれる。引用してみよう。

Q 明日死んだとして評価が高まる作家がいるとしたら誰ですか?
A おそらくすべての作家がそうだろう。
Q ということは、もっともすぐれた作家はまだ登場していないと?
A J・D・サリンジャーなど死んだら助かるだろうな。
初出

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紙の本

紙の本ジャック・ロンドン放浪記

2001/10/29 19:47

永遠のあこがれ

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 放浪が似合う作家っているけど、ジャックロンドンもその一人。

 その生涯もアラスカから日本までまさに世界をまたにかけた旅づくしだったが、この本ではそのルーツが伺える。
 電車にただ乗りしてアメリカ中を旅するホーボーたちは、独特のあだ名をもち、ただ乗りのテクニックは秀逸で、なによりそのどんな場合でも楽観的で前向きな姿にひきつけられる。

 こういう本を小さいころに読むと、強い影響をうけて、その後の人生をすっかり狂わせそうだな。年取ってから読んでも忘れていた何かを思い出させる。初出

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紙の本

紙の本野生の呼び声

2001/10/27 21:59

ジャックロンドンへの入り口

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 「白い牙」ほどは、主人公が印象深くはないけれど、むしろ短編に近い本作品は「焚き火」とならんでジャック・ロンドンの入門としては最適では。
 痛さ(それは寒さによることもあれば、他人からもたらされることもあるが)と誇り、北の河、そして生存競争を語らせたら、右にでるものはない。初出

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紙の本

紙の本白い牙 改版

2001/10/27 21:53

単純な動物ものといった読み方は残念

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『ホワイト・ファング』の方が通りがいい狼ものの一作。確かに一読すると動物&自然ものと読めるかもしれないが、同じ作者の『鉄の踵』を読んでからこの本を手にとれば、その感想は一変する。
 ジャック・ロンドンの作品は、動物ものとプロレタリアものに分けたりされるけど、自然の厳しさのなかでその動物が生き残っていくか、社会の厳しさのなかで人が生き残っていくか設定が違っているだけ。その生き残りの描写は、どちらも見事としかいいようがない。初出

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