nomosさんのレビュー一覧
投稿者:nomos
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お笑い大蔵省極秘情報
2001/06/05 03:37
日本一優秀な人たち
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私がこの本を読んだ当初、私は高校1年だった。面白かった。
これは一つの「物語」だった。優秀で真っ当な人間が、ただそのことによって、日本を動かす存在となれる、という事実。それは圧倒的な全能感だった。
東京大学法学部。
それは私の憧れともなった。と同時に、この本で私は初めて、「東大」を知ったのだ。
その後私は、東大に入った。なぜか理系に進んではいたが。果たしていま現在も尚、この「物語」は通用するのだろうか?
省庁再編に伴い、大蔵省はその名を財務省にかえた。では、その「力」もまた奪われたのだろうか?この「物語」は現代における「神話」に昇華したのか、または、そうなり得るのか? 傍らに存在する東京大学法学部生を横目で見やりつつ、私は軽く自問するのだ。自覚的に自虐的な気分:ルサンチマンに浸りながら。
孤独について 生きるのが困難な人々へ
2001/06/21 07:21
自伝的書物
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この本は主に中島氏の生き様がしるされている。その意味で『ウィーン愛憎』とセットで買うと補完されて良いのかも知れない。
共感につぐ共感。中島氏が小学、中学でもった苦しみというのは、その苦しみが卑小で陰気なものであるということそれ自体によって、ひどい苦しみになる。そしてその種の苦しみは、口に出すことができない。
「体育」が嫌い。単なる「苦手」ではない。それを「憎んで」さえいる。体育の時間は、恐怖そのものだった。いつも体育の時間を数え、週の最後の体育が終わる時間はなによりの幸福だった。強制的に入らされる部活動。私はつい最近、その教育学上の根拠を教わった。非行防止。…そんなもののために、私は毎日苦しんでいたのか。いたたまれなかった。そのために自分で怪我をつくって休んだこともあった。天災で運動場が破壊されればと、いつも祈っていた。高校の苦しみより、中学の苦しみが、中学の苦しみより、小学の苦しみの方が鮮明だ。中島氏に深く共感した。
小さいからこその苦しみ、善行ゆえの圧力、正しいからこその卑怯さ、建前的な「本音」。中島氏は、それを敏感に感じ取りそして書く。いや、感じ取るのはまだできる。だがそれを書くということは、非常に難しいはずだ。だがだからこそ、氏の著書に魅力がでるのだろうと、私は感じる。
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