もなかさんのレビュー一覧
投稿者:もなか
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紙の本またたび回覧板
2002/05/12 12:06
爆笑の嵐
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とにかく,「爆笑の嵐」の1冊。難しい事は何もありません。笑いに飢えている人はぜひ読むべきでしょう。しかし,人前では読まないほうが……私の場合、学校の読書の時間に読んでいたので,笑いをこらえるのが大変でした。
特にうけたのは「サインはV」。しばらくは「その光景」が頭から離れず……一体何のことだか気になった人は,ぜひ手にとってみてください。ただし,下ネタアレルギーの方はご注意を。
紙の本ノスタルギガンテス
2002/05/12 11:44
そして世界は閉ざされて
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表紙の「静寂」という第一印象があまりに強すぎたせいだろうか。それとも,秋霖のさなか,冷たく雨に閉ざされた夜に読んだせいだろうか。読み終わった時,自分が,そして世界が,透明で重く冷たい樹脂の海へと固く閉ざされてしまったような,そんな奇妙な気分がした。
——そう,主人公のカイの言う「ジオラマ」に,本当に世界が変じてしまったような気がしたのだ。
増殖し続ける無数の「キップル」。あの,捨てる事のできない記憶を背負ったガラクタ達の姿は,私達そのものの姿なのではないかと思う。感受性を失った大人達,土地の記憶とは無縁のアスファルトとコンクリートに覆われた街。その中でライトアップされた,巨大な樹脂漬けのキップルの塔。ラストでキップル達は,どう考えても現実の世界を駆逐してしまっている。
カイはあんな結末を望んではいなかった。けれども,彼の豊かな感受性を凝縮したメカザウルスは,ジオラマの中で行き場を求める記憶達を呼び寄せてしまった。そして,樹脂に閉ざされた記憶達は,もう二度と,ジオラマの世界には戻ってこない。
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