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むらけんさんのレビュー一覧

投稿者:むらけん

3 件中 1 件~ 3 件を表示

紙の本月光ゲーム

2000/10/25 00:10

殺意という名の幻想と恋という名の幻想(作中より)

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 とある休火山のキャンプ場へと合宿のためにやってきた推理小説研究会の面々。偶然運命を共にすることになる3グループ13名を加え、合計17名という大所帯の中で事件が発生する。
 毎夜1人ずつ消えて(殺されて)いく仲間たち。それだけではなく火山が噴火し、陸の孤島と化したキャンプ場に閉じ込められるというストーリーである。どちらかというと殺人鬼の恐怖は控えめに、大自然の猛威が目に浮かんでくるような背景描写が中心となって物語は進んでいく。
 プロローグにおいて物語終盤の場面が挿入され、そこで主人公の「君は人殺しなのか?」との想い人への問いかけが。いやがおうにも話は序盤から盛り上がっていく。
 トリックや犯人に関しても理路整然とした形でおさまりがつき、読者への挑戦も決して著者の独り善がりのものではない。
 ただ敢えて苦言を呈するのであれば、副題にもあるダイイングメーセージの「Y」であり、少々無理があるのではないかと思わざるを得ないのである。

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紙の本卍の殺人

2000/10/21 01:29

教科書的推理小説

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 これほどまでに早く正確に、犯人ならびにトリックを解き明かすことができた小説はないのではないか。最初の事件でからくりは解けた。あまり多くを語ることで未読の方の興味を失うことはしたくはないが、予想通りのどんでん返しに自ら「うんうんそれでいい」などと頷いたものである。まさかこのまま終わってしまうんではないだろうな、との疑問に著者は決して手を差し伸べてくれなかった。
 読後しばらくして、ふと思う。推理小説の醍醐味とは読者が思案して犯人当てに興ずるというものではなかったか。あまりに難解で考える余裕のない推理物の多い現在、読者に対して心地よい問題を出題してくれる。いわば簡単な問題を解かせることで生徒に自信をつけさせる、時に優しく特に厳しい女性家庭教師のような雰囲気だ。犯人当てなんぞ興味がないという方も、一度触れてみて、小学校以来とっていない100点満点に喜ぶのもまた一興ではなかろうか。

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ファンだからこその思い

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 私は綾辻行人氏の大ファンである。いや、だったという表現の方がいいだろう。「館」シリーズに始まり「囁き」シリーズ「殺人鬼」といったホラーにも食指を伸ばし、かの京極夏彦氏が表紙をデザインした(まあそれは関係ないが)短編集をも執筆。
 その推理トリックやストーリーは虚をつくものが多く、本気でぶつかっていけば猫だましを食らい、肩透かしかと思い様子を見ていると顔面にストレートをお見舞いされるという具合に技巧派な面を常に見せてきた。
 しかしここ近年は試合に出場することがなく、かのような本を出す始末。確かにありそうでなかった本ということは認めざるを得まい。要は著者がデビュー後に書いた文章を集めて再掲載したというものであり、「長嶋茂雄」語録であり「高橋尚子」語録であったりもする。同講談社で現在連載中の「館」シリーズ最新作に一縷の思いを託し、邪道本にはばっさりと後ろから切り伏せたい、とそんな気持ちでいっぱいなのである。

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